トヨタ GRヤリス▲昨年デビューしたトヨタのGRヤリスに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライター・松本英雄がその様子をレポートする

そのままレースに出れるようなポテンシャルのRZハイパフォーマンス

国産メーカーで、市販車ベースの競技車両と呼ばれるものは、一昔前まで競技者が競技用車両にするためのベースとして販売されるモデルであった。

しかし、競技に参加するには、何も付いていない素の状態からマシンを作り上げることがマストだっただけに、購入してすぐにはパフォーマンスを発揮することができなかった。今回試乗する“GRヤリス”が登場するまでは。

世界ラリー選手権(WRC)を含めたレースで勝利するためには、それなりにベース車両のポテンシャルの高さは必須なのである。だからこそ、特別な設計を用いて作り出したモデルがGRヤリスなのである。

今回は公道での初めての試乗会で、3つのモデルに試乗した。最初はハイエンドモデルのRZハイパフォーマンスである。のっけからボルテージの高いモデルである。
 

トヨタ GRヤリス▲左から1.5RS、RZハイパフォーマンス、RZファーストエディションとなる

目の前にすると、張り出したフェンダーがとても力強い。ノーマルのヤリスと比べて110mmほどワイド化している。フェンダーを張り出すと、フェンダーアーチの帯状のプレスラインが小さくカッコイイ。リアは、さらに強力に感じるフェンダーデザインだ。

このデザインから見ても、フロントよりリアにトルクが多くかけられる雰囲気が伝わる。実際のトルク配分はノーマルモードでは60:40、トラックモードで50:50、そしてスポーツモードで30:70と切り替えが可能だ。

出力は、1.6L 3気筒ターボユニットから272psを発揮する。トルクはなんと37.7kg・mで、車重は1.3tを切った車重だ。スペックを見る限り、昔のグループBカーのホモロゲモデルのように思える。
 

トヨタ GRヤリス▲まるで社外のエアロパーツを付けたかのようなボリューム感だ
トヨタ GRヤリス▲わずか1.6Lで272psを発揮するハイパフォーマンスなエンジン

クラッチとブレーキペダルを踏みながらスペックをうかがう。クラッチはねっとりとした感じで、4WDでこのスペックからするとかなり扱いやすい印象だ。

ブレーキは、停止している状態からグッと強く踏んでもペダル剛性とキャリパーの歪みも少ない印象だ。これは期待が持てる。

走行モードをノーマルに設定し、いざ出発だ。1速に入れて軽くクラッチを合わせ、ストール点ギリギリから発進する。トルクの立ち上がりは思ったよりもリニアで急激な感じはない。
 

トヨタ GRヤリス▲ツイスティな道をアクセルとステアリングで操作しながら楽しむ

エンジンは、あっという間にレッドゾーンまで入りそうな勢いだが、出力の急激な落ち込みもなく、扱いやすくパワフルだ。また、ブロック剛性もすこぶる高い。

硬められたサスペンションに、初期から追従するダンパーはしなやかさも感じる逸品ものだ。動力をかけていくとフロントが外に行きそうであるが、あるところまで来ると抑えてくれる。

50:50のトラックモードは、フラットなアスファルトには安定したトルク配分でハンドリングもニュートラルに近い。

最後に試したのが30:70のスポーツモードだ。より後輪にトラクションがかかる設定のため、乾いたターマックでは楽しめそうだ。

パワーバンドに入れておきながら、アクセルとちょっとしたステアリング操作でターンインアウトを繰り返す。これは最高に楽しい。

トルセン式LSDは、トヨタが知り尽くしているLSDのタイプである。確実な動力をディファレンシャルから路面に伝えながら、コントロール性に長けている。

最も感動した部分のひとつが、ブレーキのコントロール性能である。カチッとしたペダルが硬い部分からのコントロール性は抜群だ。ポルシェのような雰囲気もする。これはいい感触だ。

すべてに過剰なパフォーマンスのクオリティを注入したモデルだ。安全予防パッケージを含んだオプション込みで500万円を切るプライスは、レース車両を知る人間からすると破格といえる。
 

全体的にマイルドなRZファーストエディションと200万円ほど安い1.5RS

次に試乗したのが、RZファーストエディションだ。これは、先に試乗したRZハイパフォーマンスよりもマイルドなセッティングで、サスペンションも快適な乗り心地重視だ。

ボディが揺れ始めると、RZハイパフォーマンスよりも収拾するのに時間がかかるが、その分乗り心地はいい。

RZハイパフォーマンスよりも60万円近く価格が抑えられているファーストエディションは、もう完売しているモデルなので、欲しい人は中古車情報をウォッチしておくとよいだろう。

最後に試乗したのは、エントリーモデルにあたる、1.5RSという1.5LのFFモデルである。CVTのAT仕様であるが、外観のすごみはそのままなので、このセグメントで最も存在感がある。

走り出すと重さは否めないが、流して乗るには最高のGRヤリスだ。街中では十分なパフォーマンスであり、このスタイリングが好きだという方にはこれでもいい。
 

トヨタ GRヤリス▲価格は270万円を切り、トップモデルと比べると200万円ほど安価であるが、外見はほぼ同じである。違うのは動力とサスペンション性能だけである

この内燃機関が危うい時代に、このサイズでここまで精魂込めて作ったスポーツハッチは、世界中を探してもないだろう。そういった意味では、トヨタの心意気を感じる魂の1台である。
 

文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●1.6 RZ ハイ パフォーマンス 4WD

型式 4BA-GXPA16 最小回転半径 5.3m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4m×1.81m×1.46m
ドア数 3 ホイールベース 2.56m
ミッション 6MT 前トレッド/後トレッド 1.54m/1.57m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.88m×1.43m×1.18m
4WS - 車両重量 1280kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 4名 車両総重量 1500kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.13m
マニュアルモード -
標準色

スーパーホワイトII

オプション色

プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII

掲載コメント

-

型式 4BA-GXPA16
駆動方式 4WD
ドア数 3
ミッション 6MT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 スーパーホワイトII
オプション色 プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII
シート列数 2
乗車定員 4名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.3m
全長×全幅×
全高
4m×1.81m×1.46m
ホイール
ベース
2.56m
前トレッド/
後トレッド
1.54m/1.57m
室内(全長×全幅×全高) 1.88m×1.43m×1.18m
車両重量 1280kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1500kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント -
エンジン型式 G16E-GTS 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 50リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1618cc 燃費(WLTCモード) 13.6km/L
└市街地:10.6km/L
└郊外:13.8km/L
└高速:15.3km/L
燃費基準達成 -
最高出力 272ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
370(37.7)/4600
エンジン型式 G16E-GTS
種類 直列3気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1618cc
最高出力 272ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
370(37.7)/4600
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 50リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 13.6km/L
└市街地:10.6km/L
└郊外: 13.8km/L
└高速: 15.3km/L
燃費基準達成 -

●1.6 RZ ファースト エディション 4WD

型式 4BA-GXPA16 最小回転半径 5.3m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4m×1.81m×1.46m
ドア数 3 ホイールベース 2.56m
ミッション 6MT 前トレッド/後トレッド 1.54m/1.57m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.88m×1.43m×1.18m
4WS - 車両重量 1280kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 4名 車両総重量 1500kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.13m
マニュアルモード -
標準色

スーパーホワイトII

オプション色

プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII

掲載コメント

※2020年1月10日から6月30日までの期間限定予約受注

型式 4BA-GXPA16
駆動方式 4WD
ドア数 3
ミッション 6MT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 スーパーホワイトII
オプション色 プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII
シート列数 2
乗車定員 4名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.3m
全長×全幅×
全高
4m×1.81m×1.46m
ホイール
ベース
2.56m
前トレッド/
後トレッド
1.54m/1.57m
室内(全長×全幅×全高) 1.88m×1.43m×1.18m
車両重量 1280kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1500kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント ※2020年1月10日から6月30日までの期間限定予約受注
エンジン型式 G16E-GTS 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 50リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1618cc 燃費(WLTCモード) 13.6km/L
└市街地:10.6km/L
└郊外:13.8km/L
└高速:15.3km/L
燃費基準達成 -
最高出力 272ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
370(37.7)/4600
エンジン型式 G16E-GTS
種類 直列3気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1618cc
最高出力 272ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
370(37.7)/4600
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 50リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 13.6km/L
└市街地:10.6km/L
└郊外: 13.8km/L
└高速: 15.3km/L
燃費基準達成 -

●1.5 RS

型式 5BA-MXPA12 最小回転半径 5.2m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4m×1.81m×1.46m
ドア数 3 ホイールベース 2.56m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.53m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.88m×1.43m×1.18m
4WS - 車両重量 1130kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 4名 車両総重量 1350kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.14m
マニュアルモード
標準色

スーパーホワイトII

オプション色

プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII

掲載コメント

-

型式 5BA-MXPA12
駆動方式 FF
ドア数 3
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 スーパーホワイトII
オプション色 プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII
シート列数 2
乗車定員 4名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.2m
全長×全幅×
全高
4m×1.81m×1.46m
ホイール
ベース
2.56m
前トレッド/
後トレッド
1.53m/1.56m
室内(全長×全幅×全高) 1.88m×1.43m×1.18m
車両重量 1130kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1350kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 M15A-FKS 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 50リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1490cc 燃費(WLTCモード) 18.2km/L
└市街地:14.2km/L
└郊外:19.1km/L
└高速:20km/L
燃費基準達成 -
最高出力 120ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
145(14.8)/5200
エンジン型式 M15A-FKS
種類 直列3気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1490cc
最高出力 120ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
145(14.8)/5200
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 50リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 18.2km/L
└市街地:14.2km/L
└郊外: 19.1km/L
└高速: 20km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。