マイナーチェンジでターボが追加されたハリアー。スポーティかつ安定感のある走りが実現
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
2017/11/05
マイナーチェンジでターボ車が登場!
高級SUVとして20年前に登場したハリアーだが、現行型となる3代目も高級な雰囲気は継続し、人気を得ている。これは何よりもすごいことである。3代目は少し若者向きのエッセンスを入れた、引き締まったデザインで軽快さを演出している。複雑なデザインに頼らずに、飽きのこないボディだけで勝負できる自信がハリアーにはみなぎっているのだ。
今回のマイナーチェンジでは、軽快なデザインにぴったりの2L直噴ターボユニットが搭載された。このエンジンは、レクサスのNX300でもすでにお馴染みだが、ハリアーに搭載するにあたり7馬力ほど出力がダウンしている。これはトヨタとレクサスの差ということではなく、マフラーの最大出力の差によるもので、最大トルクは同じである。馬力ではそれほど差は感じないはずだ。実際に乗ったフィールは、後ほどお伝えしよう。
まずは外観から。現行型とはいえ、4年が経過すると古さは否めない。しかしエクステリアに目を向けると、ヘッドライトやテールランプにコストをかけていることが分かる。その証拠に、透明感のあるLEDライトユニットが装着され、質感が高められている。目元の輪郭を整えることで、車全体の価値を高めることに成功している。たかだかライトと侮るなかれ、だ。
続いて、内装に目を向けてみよう。今回用意された車は、シートにナッパレザーを使った最も豪華な仕様である。しっとりとした質感のレザーは手触りが良く、身体を落ち着かせる。しかし、シートに良質な本革を使ったため、サイドパネルやセンタークラスターに使われている合成皮革との差が出てしまった。これは、これからの課題である。
では試乗だ。エンジンの静粛性はとても良い。走り出して100メートルほどは石畳が続いたが、それほど振動は気にならない。アスファルトの公道に出て、アクセルを少し踏み込んでみる。驚くほど軽快だ。レクサス NXの比ではない。本当に速い。加速はスポーティ。
これはNXに比べて50kgほど軽量ということが理由である。しかし軽いと、乗り心地は突き上げるような感覚を受ける傾向になるが、これも改良しているのだろう。とても安定感がある。
FFでもトラクションは抜群で、リアのサスペンションの収まりも良い。4年前に試乗した際、リアが落ち着かないのが気になったが、それはなくなっていた。とても心地よい。進化が感じられる。
6ATは今となっては古い印象を持つ方もいるかもしれないが、エンジンが力強く、ギア比が離れていても気にならない。変速も大らかなプログラミングで良い。コストも考えつつ、ユーザーにマイナーチェンジ後の良さを十分伝えられる仕様となった。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:PROGRESS“Metal and Leather Package” ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1998cc
■最高出力:170(231)/5200-5600 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:350(35.7)/1650‐4000 [N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長x全幅x全高:4725x1835x1690(mm) ■ホイールベース:2660mm
■車両価格:438.048万円(税込)
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