トヨタ クラウン 【フルモデルチェンジ】
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
タグ: セダン
2008/04/07
■要所に“日本力”を感じさせる走りの完成度
◆コンセプト
大ヒットの先代からさらに進化を目指す
いかな進化を遂げようとも、それが結果的にユーザーの想定内に収まっていることがまず期待される。クラウンという車を作る難しさはその一点に尽きると思う。保守でありながら進化し続けなければならない。そういう意味では運動性能の引き上げを通じて若返りを図った12代目「ゼロ・クラウン」とて、多くの人にとって“意中のクラウン”だったからこそ、大ヒットした。13代目も、ゆえにクラウンであることから逸脱はしない。誰もが認めるブランドであるがゆえに、開発コンセプトは“進化したクラウン”で“日本人のための高級セダン”以外にはあり得ないのだった。あえて話題をというのであれば、5月以降に市販されるハイブリッドシステム搭載グレードであろう。
◆室内&荷室空間
大胆に変化したインパネ回りにクラウンの進化を見る
外観上ではこれまで以上にアスリートとロイヤルとの差別化が図られている。特に、まるで高性能スポーツカーのごとく大きなロアグリルをもつアスリートの迫力が目につく。ハイブリッドは、まさに両グレードのミックスであろう。ホイールベースは旧型と同じだが、全幅や全長が少し長くなった。それゆえキャビンスペースに関しては以前と同等と見るべきだが、大胆に変身したコックピットデザインゆえ、運転席に座ったときの印象はこれまでと随分異なっている。搭載される先進機能もドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティシステムやナビ・ブレーキアシストといった安全運転支援技術の充実も魅力。ナビシステムそのものは、40GBの大容量HDDを採用している。
◆ドライブフィール
低速域から高速域まで“旦那気分”でゆったり乗れる
ハイブリッド車は遅れての登場となる。最初に乗り込んだのは2.5のロイヤルサルーンだ。走りの面では乗り心地の改善に努めたというだけあって、柔らかだが締まりのある心地よさを見せた。低速域から高速域まで、味つけがほとんど変わらず、“旦那気分”でゆったり乗れる。驚いたのはエンジン。3Lいらずと思えるほどにパワー感も十分で、キレのあるフィールを見せてくれた。また3Lロイヤルサルーンの4WD車も収穫だ。高速走行時のしなやかさは2WD以上で、関東以北の方には大いに勧めたい一台だ。
3.5LV6のアスリートのパワフルさも捨て難い。低速域での雑味が気になるが、確かに乗り心地は全般的に良くなっている。“らしさ”が薄れた気もするが…。
◆こんな人にオススメ
クラウンには縁がないと思っていた私でも、40歳を超えてからクラウンっていいなあと思えるように。それが凄さですね。欧州車のように目立った個性なり特徴があるというわけじゃない。いきなり体に馴染む感が日本人にとってのクラウンの価値。そういう意味では大きめのサルーンを検討しているすべての日本人にぴったりです。特に2.5Lのロイヤルサルーンがオススメ。主要諸元のグレード | 3.5アスリート“Gパッケージ” |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 6AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4870×1795×1470 |
ホイールベース(mm) | 2850 |
車両重量(kg) | 1660 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V6DOHC |
総排気量(cc) | 3456 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 232kW(315ps)/6400rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 377N・m(38.4kg-m)/4800rpm |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/71 |
車両本体価格 | 3.5アスリート“Gパッケージ” 567万円 3.0ロイヤルサルーンG“オットマンパッケージ” 535万円 |
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