トヨタ クラウンマジェスタ |ニューモデル試乗

現行型クラウンシリーズと同様、大きく特徴的なフロントグリルやリアランプを採用。写真はオプションの18インチタイヤを装着している

トヨタブランドの最高峰がハイブリッド専用車に

ついついボディの長さを忘れる取り回しの良さ

クラウンの最高峰であり、トヨタブランドの最高級モデルでもあるクラウンマジェスタ。6代目となりハイブリッド専用車両に生まれ変わった。

クラウンロイヤルをベースにホイールベースを75mm延長し、先代に比べるとお抱え運転手が運転するショーファードブリン色が強くなった。ストレッチしたのはBピラー後部。わずか75mmだが後席はそれ以上に広さを感じた。

試乗したのは最上級のFバージョンの17インチ仕様と18インチ仕様。見た目では、断然18インチがカッコイイ。ロングホイールベースになった分、ホイールを大口径化しても堂々とした風格が保たれている。ドライバーズカーとして乗りたくなる出で立ちである。

一方ドライビングフィールだが、サスペンションのセッティングが意外なほど引き締められており、ストレッチした車にありがちな緩さは感じない。

内輪差やドアミラーに映る後部に違和感がなく、ついついボディの長さを忘れる。見切りの良さ、取り回しの良さ、どちらもクラウンのそれだ。

ドライバーズカーなら18インチ仕様が適役

高速道路での表情は、ショーファードリブンよりむしろドライバーズカーである。

4Lオーバーの旧型に比べ、ダウンサイジングしたとはいえエンジンは3.5Lもある。しかもモーターの恩恵で、加速とエンジンサウンドはスポーティな要素を十分有する。ただし、乗り心地という点においては18インチ仕様は路面の段差を超えたときの振動が気になった。

その点、外見のおとなしい17インチ仕様は、同じような状況でも振動が一呼吸遅れて心地よく伝わってくる。乗り心地はクラウンロイヤルに近似しており、安心感がある。

個体差もあるだろうが、わずか1インチの違いで車の性能や性格が変わることがよく分かる。ドライバーズカーなら18インチ、ショーファードリブンならば17インチが良いのだろうと思う。

標準グレードのシートはファブリック、Fバージョンは本革シートを標準装備する。色はブラックとフラクセン(写真)の2タイプが用意される

標準グレードのシートはファブリック、Fバージョンは本革シートを標準装備する。色はブラックとフラクセン(写真)の2タイプが用意される

Fバージョンは後席シートヒーターを標準装備。なお、プリクラッシュセーフティシステムなどの安全装備もFバージョンには標準装備される

Fバージョンは後席シートヒーターを標準装備。なお、プリクラッシュセーフティシステムなどの安全装備もFバージョンには標準装備される

3.5L V6+モーターのハイブリッドシステム、18.2km/LのJC08モード燃費など、レクサス GS450hと同様のスペックとなる

3.5L V6+モーターのハイブリッドシステム、18.2km/LのJC08モード燃費など、レクサス GS450hと同様のスペックとなる

SPECIFICATIONS

グレード マジェスタ マジェスタ Fバージョン
駆動方式 FR
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4970×1800×1460
ホイールベース(mm) 2925
車両重量(kg) 2085 2105
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC+モーター
総排気量(cc) 3456
最高出力[kW(ps)rpm] 215(292)/6000+147(200)
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 354(36.1)/4500+275(28.0)
JC08モード燃費(km/L) 18.2
ガソリン種類/容量(L) プレミアム/65
車両本体価格(万円) 610.0 670.0
Tester/松本英雄 Photo/尾形和美