トヨタ プログレ 【プレイバック試乗】
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
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2009/10/30
コンセプト
従来の高級車の概念をくつがえす新発想セダン
5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディで品質感の高い車を作ろうというのがプログレの基本コンセプト。いろいろな車を乗り継いで、良い車を見分ける目をもっているが、セルシオやクラウンのような大きなボディも排気量も必要ないと考えるユーザーがこの車の購買層だ。日本では、高級車というとサイズが大きくなるのが普通だったが、そうした従来からのヒエラルキー(階層)から外れたところで発想されたのがプログレである。
個性的な外観を備えるほか、インテリア回りの仕様も削り出しのムクの木を使ったウォールナットパッケージを設定するなど、高い品質感を備えている。今回のマイナーチェンジでは新しいインテリアの仕様も加わった。
室内&荷室空間
FR縦置き直6エンジンだが十分広い室内空間
プログレはボディサイズを5ナンバー車の枠内に収めただけでなく、自然なドライブフィールを実現するためにFRの駆動方式を採用しているのが特徴だ。しかも搭載しているのは縦置きの直列6気筒エンジンで、居住空間を確保するには厳しい車両レイアウトといえる。でも、このサイズのボディのFR車で立派に後席の居住空間が確保できることを証明したのがプログレだ。ドアの開口部とシートとの取り合いから、乗降性は特に良いというほどではないが、後席に大人2人なら十分にくつろげる。しかし、センタートンネルのため後席に3人目が乗ると足元は苦しい。
トランク容量も十分といっていい。FR車の割には相当に広く、サスペンションの出っ張りも小さい。使い勝手の良いトランクだ。
ドライブフィール
すべてのエンジンが静かでスムーズな直噴に
今回のマイナーチェンジで変わったのは搭載エンジンが2.5L、3Lとも直噴になったこと。パワー&トルクの数値は微妙に良くなったという程度の違いしかないが、いずれもこれまでより低い回転数でしっかりしたトルクを発生するようになったことで、走りのフィールはグンと良くなった。3LのNC300ならより大きな余裕が得られるが、2.5LのNC250でも必要十分な実力を発揮する。ATが5速のスーパーECTに変わったことも、低速域からスムーズで力強い走りを実現することにつながった。レスポンス、変速ショックなど、全く文句がない。
搭載エンジンを直噴に変更したことで騒音が高まることが懸念されたが、これも取り越し苦労で、苦になる騒音は感じなかった。
こんな人にオススメ
プログレのもつ落ち着いた雰囲気が似合うようになるには、それなりに年齢を重ねることが必要。30代までのユーザーに似合う車ではない。人生の経験を積み、いろいろな車にも乗ってきた年配のユーザーが乗るべき車だ。高めの価格設定も年配の人向きである。SPECIFICATIONS
グレード | NC300 ノーブルインテリアパッケージ |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4510 x 1700 x 1435 |
ホイールベース(mm) | 2780 |
車両重量(kg) | 1540 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | 直列6気筒DOHC |
総排気量(cc) | 2997 |
最高出力 | 162kW(220ps)/5600rpm |
最大トルク | 294N・m(30.0kg-m)/3600rpm |
車両本体価格 | 370万円 |
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