ダイムラーとルノー・日産アライアンス、新合弁会社のメキシコ工場建設に着工
カテゴリー: 日産のニュース
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2015/09/04
・メルセデス・ベンツおよびインフィニティ向け次世代プレミアムコンパクトカーを生産するアグアスカリエンテス新工場の建設に着工
・2017年にインフィニティ車両の生産を開始
・2018年にメルセデス・ベンツ車両の生産を開始
ダイムラーとルノー・日産アライアンスは3日、メキシコ中部のアグアスカリエンテスで、ダイムラーと日産が出資して設立する生産合弁会社COMPAS(COoperation Manufacturing Plant AguascalienteSの略)の新工場建設に着工したと発表しました。本工場では、メルセデス・ベンツ及びインフィニティ向けの次世代プレミアムコンパクトカーを生産します。
3日に行われた新工場の定礎式には、メキシコのイルデフォンソ・グアハルド経済大臣、アグアスカリエンテス州のカルロス・ロサノ・デ・ラ・トーレ知事の他に、メルセデス・ベンツ・カーズ 生産・サプライヤーチェーン担当取締役のマルクス・シェーファー、メルセデス・べンツ・カーズ コンパクトカー生産グループ担当のヨルク・プリグル、日産の副社長で北米マネジメントコミッティ(MC-NA)議長のホセ・ムニョス、Infiniti Motor Company Ltd. 社長のローランド・クルーガー、COMPASのCEO(Chief Executive Officer)である黒澤良二、同CQO(Chief Quality Officer)である グラウツィオ・ライテ、COMPAS取締役会長のアルマンド・アビラを始めとする400名以上の来賓が出席しました。
メルセデス・ベンツ・カーズ 生産・サプライチェーン管理担当取締役のマルクス・シェーファーは、「本日は、ダイムラーとルノー・日産アライアンスの協力関係にとって重要な節目の日です。この新たな共同工場により、両社はそれぞれのお客さまに、迅速かつより柔軟に商品を提供することができます。また、北米自由貿易協定(NAFTA)地域ではメルセデス・ベンツ初のコンパクトカー生産拠点として、この地域での当社の事業を大幅に拡大するでしょう」と述べました。また、「当社としては、合弁会社の高効率と柔軟性を共有しながら、メルセデス・ベンツ独自の技術と、ドイツ・ラシュタットにある当社の世界トップレベルのコンパクトカー生産工場からの指導および支援を提供していきます。こうした実績のある手法を通して、ここアグアスカリエンテスでも、欧州や中国にあるコンパクトカーの生産拠点と同様の高い品質を保証することができるでしょう」と付け加えました。
COMPASにおけるダイムラーと日産の持ち株比率は50:50です。両社は総額10億USドル(1,210億円)を投資し、本合弁会社は、最高水準を目指す生産工場の建設と運営を統括します。
日産の副社長で北米マネジメントコミッティ(MC-NA)議長のホセ・ムニョスは、「この新工場は、ルノー・日産アライアンスとダイムラーの協業拡大を示す新たな成果です。メキシコは、車両生産における品質および効率性のグローバルベンチマークです。これこそが、ダイムラーと日産がここアグアスカリエンテスを、メルセデス・ベンツおよびインフィニティブランドの次世代プレミアムコンパクトカーの生産拠点として選んだ理由にほかなりません。また本日の定礎式を迎えられたのは、州政府・連邦政府などとの協力関係もあったおかげです」と述べました。
COMPASの新工場は、日産のアグアスカリエンテス第2工場に隣接して建設され、初期段階の年間生産能力は23万台以上を予定しています。また、2020年までに約3,600名の直接雇用を創出します。生産能力は市場の伸長や需要の拡大に応じて、拡張する可能性もあります。2017年にインフィニティ向けモデル、2018年にメルセデス・ベンツ最初のモデルをオフラインする予定です。また、COMPASは直接雇用だけでなく、約12,000名の間接雇用の創出も見込まれます。これは主に高い現地調達率によるもので、メキシコにおけるサプライヤーベースを大幅に拡大します。
COMPASはダイムラーおよび日産の代表者で構成されるグローバルなマネジメントチームが運営します。 黒澤良二 チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO)、ウーヴェ・ヤーロシュ チーフ・ファイナンシャル・オフィサー(CFO)及びグラウツィオ・ライテ チーフ・クォリティ・オフィサー(CQO)が主要役員です。
アグアスカリエンテス州のデ・ラ・トーレ知事は、新工場がアグアスカリエンテスにとって重要な雇用機会になるとし、「この新工場建設は、アグアスカリエンテスがグローバル自動車産業の主要な生産拠点として位置づけられていることを改めて証明するものです。私たちは引き続き、官民のパートナーシップを促進し、世界で最も重要な産業の生産拠点としての地位を強化していきます」と述べました。
また、2014年6月に発表された通り、ダイムラーとルノー・日産アライアンスは、メルセデス・ベンツおよびインフィニティの両ブランド向け次世代コンパクトカーを共同開発します。両社は商品開発プロセスのあらゆる段階において緊密に協力していきます。メルセデス・ベンツ、インフィニティ、それぞれのブランドアイデンティティは守られ、商品のデザインやドライビング特性、仕様においては全く異なるものになります。
また、ダイムラーとルノー・日産アライアンスは、北米以外にも世界中の生産拠点で次世代プレミアムコンパクトカーの生産を行う予定です。
メキシコは、ダイムラーにとってすでに合計で約8,000名の従業員を有する重要な生産拠点となっています。同グループは、サルティヨ、サンティアゴ・ティアンギステンコ、ガルシアにトラックおよびバスの生産工場を有し、サン・ルイス・ポトシに部品流通センター、トルーカに組立工場、商品配送センター、乗用車向けトレーニングセンターを所有しています。
日産は1992年からアグアスカリエンテスで車両生産を行っており、その有能で生産性の高い労働力は広く知られています。2013年11月には、アグアスカリエンテス第2工場を開所しました。またクエルナバカにも工場を所有しています。3つの工場の年間生産能力を合わせると85万台になります。日産はメキシコで販売されている車両の4台に1台を占める、トップ自動車メーカーとなっています。
メルセデス・ベンツ・カーズは、70,000名以上の従業員を有する世界各地26の生産拠点により、柔軟で生産性の高いグローバル生産ネットワークを形成しています。前輪駆動車(コンパクトカー)や後輪駆動車(Sクラス、Eクラス、Cクラスなど)の生産アーキテクチャーに加え、SUVおよびスポーツカーのアーキテクチャーを軸にネットワーク化されています。また、パワートレイン生産ネットワーク(エンジン、トランスミッション、車軸、部品)も有しています。このような生産ネットワークはそれぞれ、新製品、技術、品質保証の向上をリードする工場の下にグループ化されています。
ルノー・日産アライアンスは27ヵ国で、42の車両生産工場および39のパワートレイン工場を含む、合計81の生産工場を展開しています。
アライアンスはまた、ロシアのアフトワズや中国の東風汽車など、13ヵ国で現地パートナーと生産協定を結んでおり、グローバルに合計106の工場で、アライアンスグループ8つのブランド向けに車両やエンジンの生産を行っています。2014年には800万台以上の車両を生産しました。これは、4秒毎に平均1台の車両を生産している計算になります。
*為替は便宜上、直近の為替レートである1US ドル=121円としました。
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