ニッサンのバンコムがニュルで世界クラスのパフォーマンス
カテゴリー: 日産のニュース
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2014/09/25
・GTアカデミーの勝者たちは雨のニュルで厳しい試練
2014年9月21日 ニュルブルクリンク(ドイツ)
先週、V8スーパーカーズに初参戦に挑んだオーストラリアから戻ったばかりのニッサンのアレックス・バンコム(英国)が、この日、ドイツのニュルブルクリンクで世界クラスのパフォーマンスを披露しました。2008年以来、GTアカデミーの勝者を指導する役目を担ってきたバンコムですが、この日行われたブランパン耐久レース最終戦では、改めてバンコムが優れたお手本であることを知らされることになりました。
ニュルブルクリンク1000km決勝レースは、豪雨のためにセーフティカーが入ってのスタートとなりました。セーフティカー先導による走行が7周続いた後、本格的にレースがスタートすると、バンコムは13番手から一気に9位に浮上しました。NISSAN GT-R NISMO GT3の姉妹車をドライブするウォルフガング・ライプも14番手スタートから順調な滑り出しを見せ、11位まで順位を上げました。
難しいコンディションの中でもバンコムは順位を上げ続け、1時間を経過した頃にはPro-Am(プロアマ)クラストップとなる総合4位にまで躍り出ました。短いピットストップを終えた後は、3台による激しい2位争いを展開しましたが、雨がひどくなるとバンコムは集団に切り込み、トップを奪取。見事なドライビングを披露したバンコムは、2時間経過後にピットに入りました。
「今日はチームがGT-Rを素晴らしい状態にしてくれました」とバンコムは述べました。「フルウェットのセッティングで臨んだことが功を奏し、私の走行の間、マシンはとても安定していました。私の走行ラインは、みんなとは違っていたと思いますが、すべてがうまく進みました」
#35 GT-Rで好調な滑り出しを見せていたライプはその後13位とやや後退し、レース中盤で千代勝正に後を託しました。
「今日は、スタート時にセーフティカーが入っていたので、リスクを負わないようにしました」とライプは述べました。「慎重に攻めていたので、スタートの後は少し順位を落としました。自分のスピードを取り戻してからはいい走りができたので、セカンドスティントは格段に内容がよくなりました。とても自信がつきましたし、いいバトルができ、リスクも負えるようになりました」
レース中盤、千代は総合9位、クラス4位を順調に走行していました。
「今回の6時間レースは、不安定な雨の中、とても難しいレースでした。僕は第2、第3スティントを連続で走りましたが、雨が強くなったり弱くなったり、コンディションが不安定で、時にはコースに留まるのが精一杯な状況でした。その中でも、チームは完璧な仕事をしてくれましたし、車の調子も良く、チームメイトの二人も良い走りで繋いでくれました。最後のピットストップでタイヤ選択に迫られた時に、僕らはウェットタイヤを選択しましたが、結果的にその後路面が乾き、もう一度タイヤ交換のためピットインすることになりました。これはすごく難しい判断だったと思います」と千代は述べました。
また千代は、今シーズンを振り返り次のように述べています。
「今シーズンのブランパン耐久シリーズでは残念ながらチャンピオンに手が届きませんでしたが、初めてのヨーロッパでのフルシーズン参戦は本当に刺激的で、毎戦悪戦苦闘しながらも、収穫の多い一年でした。特にPro-Amクラスのプロドライバーとして他のドライバーを引っ張らなければいけない立場で、自分のパフォーマンスが大きく結果に影響するため、責任が大きく、とても重要な役割だと感じていました。そしてすべてのサーキットが初めて走るコースで、少ない練習時間の中でコースの攻略とマシンのセットアップをして、予選と決勝に臨まなければならなかったので、毎回サーキットでは走行中以外も大忙しでした。また80号車のアレックスは経験豊富で毎回良い走りを見せてくれるので、すごく高いレベルで競争できたことも良かったです。今年一年、本当にいろいろなことがありましたが、出来ることはすべてやったつもりですし、自分のベストを尽くしました。結果はパーフェクトではありませんが、内容は本当にグレートな一年になりました。今は、このチャンスを下さったすべての方々と応援して下さった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。応援ありがとうございました!!」
一方、#80 GT-Rは、バンコムからフローリアン・ストラウスに交代していました。ストラウスにとって、フルウェットのコンディションを走るのは初めての経験だったため、滑り出しは慎重に攻めていきました。
「序盤は少し苦戦していました」とストラウスは述べました。「でも、一度、いいリズムをつかんだ後は、前を走っていたフェラーリやメルセデスに追いつくことができました。メルセデスを抜こうとしましたが接触されてマシンのフロント部分にダメージを受け、振動が出るようになってしまいました。クラスリードに立つことができてうれしかったのですが、私の走行の最後になって、第5コーナーでブレーキが効かず、グラベルの中で数分止まってしまいました。自分自身に納得はしていません。体力的にはいいスティントが出来ましたが、精神面ではこれだけ長い時間、完全集中することは新しい試練でした」
#35 GT-Rは、2回目のスティントを終えたライプから、ミゲール・フェイスカにステアリングが託されました。フェイスカは好走を見せ、総合13位、Pro-Amクラス6位でチェッカーを受けました。
一方、#80 GT-Rにはトラブルが続き、2013年米国GTアカデミー勝者、ニック・マクミレンにドラマが起きました。
残り2時間という時点で、マクミレンは#80 GT-Rのステアリングを握り始めました。しかし、この時、マシンにはギアシフトにトラブルが発生していたためピットに戻らなくてはならず、上位争いからは遠のいてしまいました。マクミレンはレースを走り切り、今季の自身最高のパフォーマンスを見せました。
「レースウィークが始まった時から、もっとアグレッシブならなくてはいけないと決めていました」とマクミレンは述べました。「オンボード映像を何度も見て、自分の走行の前に距離を測る方法を勉強しました。それがうまく行きました。マシンのフィーリングはほぼ完璧で、ハードに攻める自信がありました。自分のこれまでの努力が報われたと分かり、本当にいい気分です」
「誰もが、アカデミーのドライバーたちは潤沢に経験を積んでいると考えていますが、私たちの予算は他のチームと変わりがないのです」とニスモのグローバルヘッドオブブランド・マーケティング&セールス、ダレン・コックスは述べました。「ドライバーたちはみんな、サーキットでもシミュレーターでも、プレイステーションでも、そしてオンボード映像が公開されているYouTube動画でも、最善の努力を尽くしています。ニックは、レースが始まって2時間の間、中継で流されてくるアレックスのオンボード映像を見続け勉強していたのです!」
「ゲーマーからGT3のレースになることは壮大な挑戦ですが、今日私たちは、さらに大きなチャレンジに挑む若者の姿を目の当たりにしました。ブランパン耐久レースのシーズンはこれで終わりかもしれませんが、私たちにはこれからも驚くようなことが待っているはずです」
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