トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、6月24日(現地時間)、トヨタの従業員が北米の道を走破するプロジェクトをスタートさせた。北米事業体の車両開発メンバーを含む140名のトヨタ従業員が、6月24日から約半年間にわたり、北米大陸の厳しい道を走行する。特に今年は酷暑地(デスバレー)や冬には極寒地(アラスカ、カナダ)など、昨年とは表情の異なる道を走行し、従業員のさらなる「いいクルマづくり」のための感性磨きにつなげる。

トヨタは持続的成長に向けた「もっといいクルマづくり」とそれを支える「人づくり」の一環として、昨年秋に「豪州走破プロジェクト」を実施。参加した従業員41名は、砂漠や悪路が続く過酷な道のり約20,000kmを自らがステアリングを握り、テストコースでは得ることのできない“クルマづくりに生きるヒントの数々”を現地の道から学んだ。商品実験部から参加した松原清豪(せいご)は「波状の強烈な振動が何百kmも続く。周りには何もなく、そこでの故障は命にかかわる問題。クルマを“命を共にするパートナー”として期待いただいているお客様を裏切ってはいけない」と今後の意気込みを語っている。

2014年の豪州走破プロジェクトの模様
2014年の豪州走破プロジェクトの模様 2014年の豪州走破プロジェクトの模様



トヨタは2007年より「GAZOO Racing」としてドイツで開催される「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に参戦している。メカニック・エンジニア全員をトヨタ従業員で構成し、時間・人・物のすべてに制約がある中で、クルマを極限状態に置く「レース」への挑戦を通して「人づくり」を行ってきた。このようなモータースポーツ活動を通じた「人づくり」を創業以来変わらぬトヨタの想いとして受け継ぐとともに、活動そのものが「もっといいクルマづくり」の主軸であることを明確にするため、2015年4月にはモータースポーツ本部を発足し、トヨタとして参加しているモータースポーツ活動を「TOYOTA GAZOO Racing」として一本化した。

この走破プロジェクトも、モータースポーツ活動の思想を根幹とした「TOYOTA GAZOO Racing」の一環として推進。グローバルトヨタ34万人が心ひとつに、「もっといいクルマづくり」を推し進め、より多くのお客様に笑顔になっていただけるよう、東京五輪開催の2020年を一つのマイルストーンとし、その活動名称を「五大陸走破プロジェクト」と改め、様々な大陸の道を舞台に今後も活動を継続していく。

豊田章男社長は、次のように述べている。『企業の持続的成長には、競争力強化が必要だが、競争力には、台数や収益に直結するものだけではなく、商品開発力や品質、人材育成など、目に見えにくいものも多い。モータースポーツ活動は「もっといいクルマ」をつくる活動の中心軸であり、「五大陸走破プロジェクト」も真の競争力の源泉を磨く重要な活動ととらえている』。

<北米走破プロジェクトの概要>

(1)走行日程:6月24日(水)~約半年間
(夏季走破6月24日~9月9日、冬季走破11月中旬~12月中旬/総走破距離 約26,000km)
(2)ルート:夏季:テキサス州をスタートし、東海岸からカナダ、メキシコを経由し米国を横断
冬季:カナダとアラスカでの寒冷地を走行
(3)走破車両:北米生産車(タンドラ、ハイランダー、カムリ)やプリウスなど9台。
道の状況に応じてMIRAIなども予定