一般財団法人 トヨタ・モビリティ基金(以下、財団)は、財団が行う最初の助成案件として、世界有数の大都市であるタイのバンコク市でのパイロットプログラムを選定したと発表した。安全で効率的、且つ、楽しいモビリティを世界中で提供するという財団の理念に基づき、トヨタのノウハウと地元の大学・政府等のパートナーの専門性を組み合わせ、渋滞など交通課題への対処や、多様な交通システムの調和に取り組んでいく。

財団の豊田章男理事長(兼 トヨタ自動車(株)代表取締役社長)は、「タイにおけるプログラムを通じ、環境に優しく安全で快適な『真のモビリティ社会』の実現に向け財団は取り組みを進めて行く。都市化の進展、天然資源問題、人口構成のシフト等、グローバルな環境変化がモビリティの在り方に影響を及ぼしつつある中、財団としては地域の発展に貢献しながら、人々が環境変化に適応できるようサポートしていきたい」と述べた。

パイロットプログラムの内容は以下の通り。

▽タイ バンコク市 サトン地区

財団およびトヨタ・モーター・タイランド(Toyota Motor Thailand Co., Ltd.)は、バンコク市でもとりわけ渋滞問題が深刻なサトン地区を対象に、チュラロンコン大学と協働して、包括的な交通・渋滞管理プロジェクトに着手する。これは、「持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)」が行う活動を拡大するものであり、最終的には、交通マネジメントに向けたロードマップの作成を行う。

<対象期間>
2015年4月~2016年12月

<助成総額(見込み)>
約1.1億タイバーツ(日本円で約4億円)

<主な取り組み>
•交通需要コントロールに向けた持続可能なシャトルバスとパーク&ライドプログラムの運行スキームの開発
•人々の行動様式に変化を促すため、交通手段多様化によるメリットを視える化する情報システムの開発
•交通シュミレーションによる交通流ボトルネックの特定と対策の評価
•地元警察との協働による信号サイクルの最適化

財団は、豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消に貢献することを目的に2014年8月に設立された。トヨタの技術・安全・環境に関する専門知識を活用しながら、大学や政府、非営利団体(NPO)や調査機関等と連携し、都市部の交通課題の解消、パーソナル・モビリティ活用の拡大、次世代モビリティの開発など、世界のモビリティ分野における課題に取り組んでいく。


関連サイト: トヨタ・モビリティ基金 ウェブサイト