コンセプト
「上質」「安全」「環境」の
3本柱を進化させたクロスオーバー

三菱自動車のミドルサイズSUVであるアウトランダーが7年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。2代目となる新型では初代同様、SUVを新たな次元へと導くべく“Leading the New Stage”をテーマに開発が進められた。2012年8月にデビューしたミラージュ同様に、重要な世界戦略車のひとつとして位置づけられている。

新型ではユーザーの高いニーズに応えるべく、「上質」、「安全」、「環境」の3本柱を開発コンセプトに三菱自動車の技術とノウハウを集結。「上質」面では 外観・内装・走りなど全体的な質感の向上を、「安全」面では先進安全装備・高性能4WDなどの採用による優れた安全性能の実現を、「環境」面では低燃費技術・軽量化などによる高い環境性能を目指している。なお2013年初頭には、アウトランダーをベースとするプラグインハイブリッドEVもデビューする予定だ。

内外装
エクステリアは上質さと環境性能を両立
インテリアは見た目や質感の上質さを追求した

エクステリアは「人と自然をつなぐ、ゆとりの次世代環境SUV」がテーマ。フロントグリルからヘッドライト、リアガーニッシュ（装飾パーツ）からコンビランプへとつながる一筆書きのようなグラフィックと、伸びやかな広がりを表現するボディ側面のラインなどでクラスを超えた車格感を表現した。

ボディは風洞実験を繰り返すことでデザインを犠牲にすることなく、先代モデルより空気抵抗を低減させている。背が高く空気の影響を受けやすいSUVタイプの車にとって空力性能の向上は燃費に深く関わる。開発当初から高い目標が掲げられ、新型ではCd値（空気抵抗係数）＝0.33を実現。これは先代より約7％の低減に当たる。

インテリアは質感の高さや雰囲気、見栄え、手触り、すべてにおいて上質感を感じられるよう設計された。部品の組み合わせ面が少ないシームレスなインパネデザイン、本皮の肌触りを表現したソフトパッドに覆われたインパネやドアトリム（ドア内側の内装）、センタークラスターにはグランドピアノを思わせる光沢のある黒の加飾が施されている。

シート表皮は緻密で上質な織物を思わせる光沢のある新素材を採用。運転席はシートアレンジを細かく設定できる8ウェイパワーシートを、さらに運転席・助手席両方にシートヒーターを採用している。また、床下に収納できるサードシートは先代モデルよりシート幅が120mm広げられた。パッドとスプリングを併用したクッション構造を採用し、座り心地も向上している。

セカンドシートは6対4分割のダブルフォールディング機構を採用。荷室長を先代モデルから335mm拡大し、フラットで奥行きのあるラゲージスペースが確保された。乗車人数や荷物に応じた多彩なシートアレンジができる。

バリエーション
2WD車は2L、4WD車は2.4Lエンジンを採用
様々な先進装備が盛り込まれた

エンジンはFF車に2Lエンジン、4WD車に2.4Lエンジンを採用。ミッションは燃費性能を考慮した新しい変速制御のCVTが組み合わされる。さらに、三菱車では初となるエンジンやエアコン、4WDの省エネ制御を行うECOモードや、アイドリングストップ機構である「AS&G」、先代モデルより100kg以上の軽量化が図られたボディなどにより、高い環境性能も実現された。JC08モードは2WD車が15.2km／L。4WD車は14.4km／L。全車が50％の減税対象車となっている。

上級車には先進の安全技術「e-Assist」が採用されたこともトピックだ。先行車との距離や速度を監視し、ドライバーが設定した車間を保ちながら先行車の停止状態まで追従する「レーダークルーズコントロール」。先行車との衝突回避や被害軽減に寄与する「衝突被害軽減ブレーキシステム」。車両前方の車線を監視し、65km／h以上の走行時に車線を逸脱しそうになると警報や警告表示でドライバーの注意を促す「車線逸脱警報システム」。これらにより、ドライバーの安全運転をサポートする。

価格は2Lエンジンの2WD仕様車「20G」の242万7000円から、最上級グレード「24G Navi Package」の310万円までとなっている。