新型ルノー カングーが登場! ひと目でカングーとわかる親しみやすさをそのままに、新しいエッセンスが取り入れられた
2023/03/17
ボディ拡大でさらに広がった荷室
ルノー・ジャポンはカングーをフルモデルチェンジし、3月2日に発売した。カングーは広い室内空間と高い機能性が支持され、欧州で親しまれている。新型は「もっと遊べる空間」へと大きく進化した。
設定グレードと税込み価格は下記のとおりである。全車、右ハンドルのみ。
【ガソリン車】
・インテンス 395万円
・クレアティフ 395万円
・ゼン(受注生産車) 384万円
・プルミエール エディション(特別仕様車) 400.5万円
【ディーゼル車】
・インテンス 419万円
・クレアティフ 419万円
・プルミエール エディション(特別仕様車) 424.5万円
外観は、ひと目でカングーとわかる親しみやすさをそのままに、新しいエッセンスが取り入れられている。フロントガラスは傾斜角が見直されて空気抵抗が低減され、ボンネットフードのリブや抑揚あるボディラインによって力強さを表現。
フロントマスクには、フルLEDヘッドランプとC字型デイライト、クロームメッキで縁取りされたラジエターグリルが配されている。また、バンパー両端にはエアディフレクターが装備され、前輪で発生する空気の乱れを抑えることで空気抵抗を減らして燃費を向上させる効果がある。そのバンパーはボディ同色と国内で人気の黒から選べる。
ボディサイズは4490mm×1860mm×1810mmで、全長は210mm長く、全幅は30mm拡大された。ホイールベースは先代より15mm長い2715mm、最小回転半径は5.6m。
水平基調のインパネには、ブラッシュアルミ調とダークグレー塗装パネル、そしてクロームメッキのパーツが配されて上質感が演出されている。
本革巻きステアリングには、マットクロームのフィニッシャーが装着され、運転支援やメーター表示切り替えのスイッチ類が配されている。メーターパネルは7インチのデジタル式に変わり、先進感と視認性の良さを両立。
8インチのインフォテイメント画面には、スマホのミラーリング機能が採用されており、USBポートに接続すればApple CarPlayやAndroid Autoを介してスマホ内の各種アプリが使える。また、音楽再生や通話機能も使用でき、SiriやGoogleアシスタントで音声入力も行える。
室内にはオーバーヘッドトレイ、インパネアッパーボックス、カップホルダー、前後ドアポケットなどが装備されていて小物の収納に重宝する。また、車内には5つのUSBポート(タイプA)と4つの12V電源ソケットが装備されている。
さらに、モデルチェンジでハンズフリーカードキー、電動パーキングブレーキ、拡大されて見やすくなったチャイルドミラーが採用された。
全長拡大によって荷室の床面長は通常時が先代より100mm長い1020mmに、リアシート前倒し時は80mm長い1880mmに伸びた。床面の地上高は594mm、荷室幅は1190mm、荷室高は1111mm。荷室容量は通常時が115L増の775L、リアシート前倒し時は132L増の2800L。
荷物の積み降ろしに便利な観音開きドアは約90度で一度ロックがかかり、ロックを外すと約180度まで開けられる。両側スライドドアの開口幅は615mmでチャイルドシートの設置も容易に行うことができ、開閉機構が見直されて軽い力で開け閉めできるよう改良された。
静粛性を高めるため、ダッシュボードには3層構造の防音材が用いられ、エンジンルームや前後サイドドアにも防音材が追加されてウインドウガラスの厚みも増した。
日本導入ルノー車で初めての安全装備も用意
新型カングーには、ルノー/日産/三菱のアライアンスで開発されたCMF-C/Dプラットフォームが採用されている。これに専用開発されたメンバーやトーションビームが起用され、剛性と操縦安定性が向上。
サスペンションのストローク量は従来と変わっていないが、ロールを抑えることで乗り心地を損なうことなく、走行安定性と応答性が改善された。
ステアリングのギアレシオは17:1から15:1に変更されてハンドリング性能が向上した。前輪ブレーキキャリパーは新開発され、スムーズなブレーキングを実現。
パワートレインは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2種類から選べる。
ガソリンエンジンは、ルノー/日産/三菱アライアンスとダイムラーで共同開発された1.3L直噴ターボで、1600rpmの低回転域で240N・mの最大トルクを発生する。トライアングル形状のシリンダーヘッド内に250バールの高圧力で燃料を噴射することで高効率な燃焼を実現。WLTCモード燃費は15.3km/L。
ディーゼルエンジンにはコモンレール式の直噴インジェクターが採用されており、116ps/270N・mを発揮する。DPFでPMを約99%除去し、AdBlue(尿素水溶液)でNOxを約90%除去。WLTCモード燃費は17.3km/L。
両エンジンに組み合わされるトランスミッションは湿式デュアルクラッチの7速DCT。
走行モードは3段階に切り替えられる。ノーマルモードは通常走行、エコモードはエンジン出力やミッションの変速ポイントなどが制御されて省燃費重視のとき、ペルフォモードはパワーが必要なときに適している。
新型カングーには、ルノーの日本導入モデルで初となるエマージェンシーレーンキープアシストとブラインドスポット・インタベーションが設定されている。安全デバイスの詳細は下記のとおり。
【ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト】
高速道路や自動車専用道でアダプティブ・クルーズコントロールとレーンセンタリングアシストを組み合わせ、運転をサポートするシステム。車線、速度、先行車との距離を検知して長距離ドライブや渋滞時のドライバーの疲労軽減に役立つ。
【アダプティブ・クルーズコントロール】
フロントウインドウ上部のカメラとフロントバンパー内のレーダーが先行車を検知すると、ドライバーが設定した速度と車間距離に基づいて加減速する。先行車が停止すると自車も減速または停止し、3秒以内に再発進した場合は自車も自動的に再発進する。停止時間が3秒を超えた場合はドライバーがアクセルペダルまたはステアリングスイッチを操作すれば再発進できる。3分以上、何も操作がない場合にはシステムは停止する。0~約170km/hの範囲内で作動する。
【レーンセンタリングアシスト】
フロントウインドウ上部のカメラが白線や黄線を認識し、車線の中央を走るようステアリング操作を支援するシステム。先行車を検知しているときは0~約160km/h、先行車が存在しない場合は約60~160km/hで作動する。
【エマージェンシーレーンキープアシスト】
車線からはみ出しそうになったときにステアリング操作をアシスト。ターンシグナルを作動させていない時に車線や壁、歩道の路肩などに近づきすぎたり、対向車と衝突する可能性があるときにウォーニングの鳴動とともにステアリングアシストによって車線からの逸脱防止を支援する。路肩は約70~180km/hで、対向車は約70~110km/hで走行中に検知する。
【ブラインドスポット・インタベーション】
斜め後方から接近する車両と接触する可能性があるとき、ドアミラー内の警告灯が点滅してウォーニングが鳴動、さらにステアリングを支援することで衝突を避けるようアシスト。約70~180km/hの範囲内で作動する。
【レーンデパーチャー警告】
フロントウインドウ上部のカメラが白線や黄線を認識し、車線から逸脱しそうになった場合にインジケーターとステアリングホイールの振動で警告。必要に応じてステアリング操作がアシストされる。約70~180km/hで作動。
【交通標識認識】
フロントウインドウ上部のカメラが制限速度や追い越し禁止の交通標識を検知するとメーターパネルに表示。ドライバーの標識見落としを減らして安全運転をサポートする。
【歩行者&自転車検知機能付きアクティブエマージェンシーブレーキ】
フロントウインドウ上部のカメラとフロントバンパー内のレーダーが前方の車両や障害物、歩行者、自転車に衝突する可能性を感知すると、アラーム音と表示でドライバーに警告。さらに衝突の危険が高まるとブレーキ操作をサポートする。
【自動ハイビーム】
約40km/h以上で走行中にフロントウインドウ上部のカメラが対向車のヘッドランプを検知すると自動的にロービームに切り替わる。
【ドライバー疲労検知アラート】
ドライバーの疲労の兆候を繰り返し検知すると、アラーム音とともにメーターパネルに警告メッセージを表示。約60km/h以上でそうこうしているときに作動する。
【リアパーキングセンサー&リアカメラ】
後方の障害物を検知すると、アラーム音でドライバーに知らせる。また、後退時には後方の様子がインフォテイメント画面に表示される。
【前方車間距離警報】
フロントウインドウ上部のカメラとフロントバンパー内のレーダーが先行車との相対速度差を検知し、適切な車間距離を保つようメーターパネルにアイコンが表示されてドライバーに注意を促す。約30~200km/hで作動。