GLC▲2015年にデビューしたGLCは、これまでに全世界で260万台を販売。初めてのモデルチェンジで全長が延長されて伸びやかさが増し、オフロード性能にも磨きがかかった

質感の高い内装が魅力的なミドルサイズSUV

メルセデス・ベンツ日本は、初めてのフルモデルチェンジで生まれ変わったミドルサイズSUVのGLCを発表した。まず導入されるのはGLC 220d 4MATICで、税込み価格は820万円だ。

エクステリアは、メルセデスのデザイン思想である「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」を継承し、ひとめでメルセデス・ベンツSUVファミリーの一員であることがわかる。先代より全長は50mm、ホイールベースは15mm延長されて伸びやかなシルエットに進化した(全幅は先代と同じ1890mmに据え置き)。Cd値は0.29。

ラジエターグリルを縁取るクロームメッキとアンダーガード風のクロームトリムにより、フロントマスクは上質かつスタイリッシュに仕上がっている。AMGラインは、スターパターングリルを採用。また、ラジエターグリルと連続するスリムなヘッドランプ、精悍さが増したフロントバンパーによってワイド感が強調されている。

左右ヘッドランプのDIGITALライトには130万個の微小な鏡が組み込まれており、光を屈折させて照射方向を決定。鏡が占める面積は親指の爪ほどの大きさだ。左右それぞれ130万のエリアに分割可能な光を照射するため、正確な配光が実現されてハイビームアシストは従来の84画素と比べて精度が大幅に向上した。

ボディ側面からはラインやエッジが削減され、彫刻的な面によって陰影が作り出されている。Dピラーに向かって緩やかに上昇するウエストラインは躍動感を演出。前後ランプ類から伸びるホイールアーチ上のラインとドア下方を貫くラインが伸びやか、かつ表情豊かなサイドビューを創出している。
 

GLC▲前後ランプ類を起点にしてフェンダーへと続くライン、そしてドア下方に設けられたプレスラインがサイドビューを印象づけている。ホイールベースは先代より15mm長い

リアビューは、張り出したフェンダーと水平基調のバンパー、立体感あるコンビランプで構成されている。フロント同様、リアバンパーにもアンダーガード風のデザイン処理が施され、両出しエグゾーストを思わせるクロームトリムと一体化した造形が個性を発揮している。
 

GLC▲アンダーガード風にデザインされたバンパー下部には両出しエグゾーストを連想させるクロームトリムが埋め込まれている。立体的にともるコンビランプも見逃せない

翼を連想させるインパネ上半分には、航空機エンジンのナセルを思わせる新形状の空調ダクトが配されていてスポーティさを演出。一方、下半分にはリアルウッドの化粧パネルが装着され、質感の高さをアピール。この化粧パネルはセンターコンソールと途切れなく続いている。標準仕様にはブラック光沢仕上げのアッシュウッド、AMGラインにはマット仕上げのライムウッド、レザーエクスクルーシブ・パッケージ装着車にはアルミライン入りのオープンポアウッドを採用。

縦型11.9インチのインフォテイメント画面はドライバー側に6度、傾けることで視認性アップ。運転席前方には自立式の12.3インチ大型メーターパネル備わっている。どちらも3つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック)と4つのモード(ナビ、アシスタンス、サービス、オフロード)から選んで表示をカスタマイズできる。

対話式音声認識機能のMBUXで「ハイ、メルセデス」と呼びかければナビの目的地入力や音楽選択、メッセージ入力&読み上げの他に空調、各種ヒーター、照明なども操作できる。これらはタッチスクリーン、ステアリングホイールのボタンでも操作可能だ。MBUX・ARナビでは前方に広がる現実の景色が画面に映し出され、進むべき進路が矢印で表示される。

ステアリングホイールはメルセデス・ベンツ最新世代のもので、ナビやメーターパネルの各種設定および運転支援デバイスがすべて手元で操作できる。従来はタッチスイッチへの接触やステアリングホイールにかかるトルクで判定していた検知機能を静電容量式センサーに変更。これにより、ステアリングホイールにトルクがかかっていなくてもドライバーが握っていることが認識され、クルーズコントロールの使い勝手が向上した。AMGライン選択時には左右と中央の各スポークがダブルタイプとなる。
 

GLC▲翼のような広がり感を演出する上半分と、リアルウッドで高い質感が実現されているインパネ。新形状の空調ダクトは航空機エンジンのナセルにヒントを得たデザインだ

アンビエント照明は改良されて64色から選択可能になり、単色の発光に加えて色の連続変化も可能になった。ドアオープン時に乗員を迎え入れる演出も設定。また、空調の温度設定に連動して赤や青に点灯する。

シートやステアリングコラム、ドアミラーのポジション、ナビのお気に入り設定などは指紋または声の生体認証もしくはPINコードで認証可能。

テレマティクスサービスのMercedes me connectは「安心安全サービス」(最長10年間提供)と「快適サービス」(3年間提供。それ以降は有料で継続可能)で構成されている。

「安心安全サービス」には、事故検知時またはSOSボタン操作時にコールセンターから消防に連絡が行く24時間緊急通報サービス、meボタンでツーリングサポートセンターにつながる24時間故障通報サービス、走行距離や平均燃費がアプリで確認できるリモート車両ステータス確認、スマホからナビの目的地が遠隔設定できるSend2Carが含まれる。

「快適サービス」には、スマホからウインドウの開閉とドアロックの施解錠が行えるリモート機能、車両の位置をアプリの地図上で確認できる駐車位置検索、空車情報を確認できるオンライン駐車場情報が含まれる。

ラゲージ容量はフル乗車時が620L、リアシート前倒し時は1680L。フル乗車時にリアシートを約10度起こせるカーゴポジションは容量が先代より約70~80L増加した。荷室を覆い隠せるトノカバーは不要時にはフロア下に格納できる。
 

GLC▲中央部のみの前倒しも可能な3分割式のリアシートを完全に折りたたむとラゲージ容量は1680Lに達する。トノカバーは床下に収納できて置き場に困らない

直4ディーゼルターボ&ISGのマイルドHEV

搭載エンジンの2L直4ディーゼルターボは、197ps/440N・mを発生する。新しいクランクシャフトの採用によって排気量が1950ccから1992ccに拡大され、燃料噴射圧力は2500barから2700barに引き上げられた。スチール製のピストンにはナトリウム封入式冷却ダクトが内蔵されている。

エンジンと9速ATの間には、23ps/205N・mのISG(スターター兼ジェネレーター)が配され、スムーズな加速と燃費向上に貢献する。

サスペンションは前輪が4リンク式、後輪がマルチリンク式。路面状況や乗車人数、荷物の積載状況に応じて減衰力が常に最適化される可変ダンピングシステムのAIRMATICもオプションで選ぶことができ、高速走行時にスポーツ・モードを選択すれば車高は約15mm下がり、オフロード・モード選択時には約15mm上がる。

後輪アクスルステアリングもオプション選択できる。約60km/h以下では後輪が前輪とは逆方向に最大4.5度、操舵されて最小回転半径が5.1mに抑えられる。車速が約60km/hを超えると、前輪と同位相に操舵されて走行安定性アップに寄与する。

スイッチひとつでエンジンやトランスミッションの特性を切り替えられるダイナミック・セレクトにはオフロード・モードも用意されており、選択時には雪道や悪路での走破性が高まる。

急な下り坂も安定して走れるDSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)も採用されている。

オフロード・モードでは、360度カメラのトランスペアレント・ボンネット機能が使える。自車のフロント下方の路面が映し出され、前方にある石や窪みを確認することができる。

新開発されたオフロード・スクリーンではメーターパネルに車両の傾き、路面の勾配、標高、緯度経度、コンパス、車速、エンジン回転数が、インフォテイメント画面に前輪の舵角などが表示される。

ステレオカメラとレーダーセンサーが周囲の状況を検知する安全運転支援システムの詳細は次のとおりだ。

【アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック】
高速道路などで走行時に先行車を認識し、速度に応じて車間距離を制御。減速が必要な場合にはブレーキが自動調整され、先行車が停止した場合には自車も停止。停止している先行車も検知可能で、先行車との距離が突然縮まった場合には警告灯と警告音でドライバーに注意を促す。

また、自動再発進機能も備わっており、停止後30秒以内に先行車が発進した場合にはアクセルペダルを踏まなくても自動で再発進してくれる。停止時間が30秒を超えた場合はアクセルペダルを踏むかステアリングスイッチを操作すれば再発進できる。

【アクティブステアリングアシスト】
車線のカーブと先行車を、車線が不明瞭な道ではガードレールなどを認識して、ステアリング操作をアシストしてくれる。

【渋滞時緊急ブレーキ機能】
先行車と左右の車線を監視し、渋滞の最後尾が現れたときに前走車との衝突の危険を検知する。左右に回避スペースがない場合は即座に自動ブレーキが作動、回避スペースがある場合はドライバーの回避操作が優先される。

ただし、ドライバーが反応しない、もしくは回避操作が遅れてしまったときには自動ブレーキが作動する。

【アクティブレーンチェンジングアシスト】
高速道路走行中にドライバーがウインカーを作動させると、3秒後にセンサーが他の車両などと接触する危険がないことを確認。安全が確認されると自動で車線変更が行われる。

【アクティブエマージェンシーストップアシスト】
ドライバーが一定時間ステアリング操作を行わないと警告灯&警告音によって操作を促す。それでも反応がない場合には緩やかに減速して停止する。停止後にはパーキングブレーキが自動的に作動して後突による二次災害を防止。停止後10秒で緊急通報が行われ、20秒後には救出を容易にするためにドアロックが開錠される。

【アクティブブレーキアシスト】
先行車や前を横切る車両、歩行者、路上の物体などとの衝突の危険性を感知すると、表示や音でドライバーに警告。必要に応じて強い制動力が発揮できるようブレーキ圧が高まる。ドライバーの反応がない場合には自動緊急ブレーキが作動する。右左折時の対向車や自転車、横断歩行者にも対応している。

【緊急回避補助システム】
歩行者などとの衝突の危険を検知すると、回避できるようドライバーのステアリング操作をアシスト。回避後の車線復帰もサポートする。

【トラフィックサインアシスト】
一般道や高速道路を走行中、制限速度などの標識を読み取ってディスプレイに表示。制限速度を超えた際、警告音でドライバーに注意を促す機能も含まれている。

【アクティブレーンキーピングアシスト】
前輪が走行車線から逸脱した場合にステアリングが断続的に震えてドライバーに警告。ドライバーの反応がない場合には自動補正ブレーキで車線内に戻るチカラが生じる。

【アクティブブラインドスポットアシスト】
リアバンパー左右のレーザーセンサーが死角エリアにいる車両や自転車を検知。30km/h以上で走行時に接触する危険があるときには、ブレーキの自動制御によって危険回避をサポート。

また、イグニッションOFF後3分間は後方から障害物が近づくとドアミラー内の警告灯が点灯し、さらにドアを開けようとすると警告音が鳴る降車時警告機能も備わっている。

【ドライブアウェイアシスト】
前方もしくは後方1m以内に障害物があるにもかかわらず、その方向に進もうとしてアクセルペダルを強く踏んでも速度は2km/hに抑えられ、警告音がドライバーに誤操作の可能性を知らせる。

【アテンションアシスト】
ドライバーが眠気を感じたり注意力が散漫になっているときに現れる兆候を検知して、休憩のメッセージを表示する。
 

文/マガジンX編集部、写真/メルセデス・ベンツ