新型BMW 1シリーズが発売されたが、先代なら190万円から狙える! 中古車価格や流通量、オススメの買い方・選び方を紹介
2025/01/07
▲48Vマイルドハイブリッドシステムを採用した新型1シリーズが登場した今だからこそ、「先代の中古車」がお買い得な状況になっているという可能性は大いにあります。実際のところはどうなのか、チェックしてみることにしましょう!新型は48Vマイルドハイブリッドシステムを採用
通算4代目となる新型BMW 1シリーズが2024年10月、ついに発売されました。
先代と同じくFFシャシーを採用しつつも、特徴的なキャラクターラインや長く見えるノーズなどでスポーティなイメージを強調。そして新デザインのヘッドランプやグリルがシャープなフロントフェイスを印象づけるという、なかなかカッコいい仕上がりとなっています。
▲こちらが2024年10月に発売されたF70こと新型BMW 1シリーズボディサイズは先代とほぼ同一の全長4370mm × 全幅1800mm × 全高1465mm。
インテリアにはメーターパネルとセンターディスプレイを一体とした「BMWカーブドディスプレイ」を採用するとともに、シフトレバーを廃止。操作系のスイッチ類はセンターコンソールに集約するという、今どきのつくりになっています。
パワートトレインは先代と同じくグレードによって異なり、120i系は最高出力156psの1.5L直3ターボに同20psのモーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載。
高出力な4WDモデル「M135 xドライブ」に搭載されるのは同300psの2L直4ターボです。運転支援機能としては、ストップ&ゴー機能付きのアクティブクルーズコントロールやレーンチェンジウォーニング(車線変更警告システム)などを標準で装備。一定の条件下において手放し運転が可能となる「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」も備わっています。
つまり新型BMW 1シリーズは「魅力的な1台である」ということです。
▲今どきのデジタル重視な車に共通するシンプル系デザインが採用された新型1シリーズのインパネまわりでも、先代1シリーズも依然として魅力的なのでは?
とはいえ「先代」となったF40型の1シリーズも、いまだ十分に魅力的であるように思えます。
同世代のBMW車と同様のデザインとなる大型シングルフレームデザインのキドニーグリルや、4灯式デザインのLEDヘッドライト、L字型をモチーフとしたテールランプなどは依然としてなかなかクールです。
▲こちらがF40こと先代のBMW 1シリーズインテリアデザインも、今どきのデジタル車のデザインとは方向性が少し異なりますが、これはこれで魅力的。標準は5.1インチの液晶型メーターパネルとセンターコンソール上部の8.8インチのコントロールディスプレイですが、オプションで10.25インチの「BMWライブ・コックピット」を装着している中古車もたくさんあります。
そしてFFシャシーを用いたゆえの広めな車内は新型とおおむね同じであり、48Vマイルドハイブリッドシステムは付いていませんが、1.5L直3ターボと2L直4ディーゼルターボの力感も、普通に十分以上です。
また、2021年6月以降であればアダプティブ・クルーズコントロール(ACC)は標準装備で、それ以前の年式であっても、オプションとしてACCを装着した中古車は多数流通しています。
▲先代BMW 1シリーズのエクステリアデザイン。ボディサイズは全長4335mm × 全幅1800mm × 全高1465mm
▲荷室容量は5人乗車時で380L。後席背もたれを倒せば最大1200Lまで拡大可能
▲先代BMW 1シリーズのインパネまわり。写真はMスポーツそしてそれより何より重要なのは「価格」です。
新型1シリーズの新車を買うとなると最安グレードでも総額500万円を越えますが、先代(F40型)の中古車であれば、走行距離1万km台の物件であっても総額190万円付近から見つけることができます。
もちろん「それでも自分は新型のBMW 1シリーズが欲しい!」という人を、無理やり止めるつもりはありません。しかし「よく考えると先代の中古車の方が、自分にとっては高コスパかも……?」と考える一部の人に向け、今このタイミングであえて「先代BMW 1シリーズの選び方」を考えてみたいと思います。
中古車を絞り込むうえで知っておくべきグレードの差異は?
先代BMW 1シリーズのグレード構成はきわめてシンプルであるため、下記の項目さえ軽く頭に入れておけば、中古車を絞り込む際に混乱してしまうことはまずないでしょう。
先代1シリーズは、まずは「内外装の見た目」によって2系統に分けることができます。
標準的なデザインの内外装を採用しているのが「スタンダード」または「プレイ」で、スポーティなイメージが強い内外装となるのが「Mスポーツ」または「M135i xドライブ」です。
▲「スタンダード」または「プレイ」はこういったビジュアル(※写真は本国仕様であるため、ホイールのデザインなどは日本仕様と異なります)
▲こちらはM エアロダイナミクス パッケージなどが装着される「Mスポーツ」(※写真は英国仕様。ホイールのデザインなどは日本仕様と異なります)
▲「プレイ」のインテリア。標準のシート表皮はファブリック
▲こちらはM スポーツ・レザー・ステアリングなどが装着される「Mスポーツ」のインテリア
先代1シリーズには合計4種類のパワートレインが用意されました。
ひとつは、最高出力140ps/最大トルク220N・mの1.5L直3ガソリンターボ+7速DCTで、これは車名に「118i」と付くグレードに搭載されています。
もうひとつは、最高出力150ps/最大トルク350N・mの2L直4ディーゼルターボ+8速AT。こちらは車名に「118d」と付くグレードに搭載されます。
2022年9月に追加されたのが、118iと同じく1.5L直3ガソリンターボですが、最高出力を109psに抑えたパワーユニットです。こちらは「116i」に搭載されています。
さらにもう1種類あるのが、最高出力306ps/最大トルク450N・m+8速ATという組み合わせで、こちらは「M135i xドライブ」に搭載されますが、その中古車の流通量は少なめで、なおかつ価格も高額となる場合がほとんどです。
▲118i系に搭載される1.5L直3ガソリンターボエンジン
▲こちらは118d系の2L直4ディーゼルターボエンジン
シンプルなグレード構成となる先代1シリーズの中で唯一ややわかりづらいのは、118d プレイと118d Mスポーツに存在する「エディション ジョイ プラス」というグレードでしょう。
結論から言うと、これの中身や装備は118d プレイや118d Mスポーツとまったく同じです。
エディション ジョイ プラスというのは、BMWジャパンがクリーンディーゼル車の販売を促進するために新車価格を大きく下げたグレードで、今となっては話をややこしくするだけのグレード名です。とにかく中身は「118d プレイ」または「118d Mスポーツ」とまったく同じであると覚えてください。
中古車のオススメ①|手頃な価格帯のガソリンターボを狙うなら?
→第1候補は総額190万~250万円の「118i プレイ」
先代BMW 1シリーズの中古車は総額190万~650万円の広いレンジで約450台が流通していますが、新型が登場した今となっては400万円以上などの高額を拠出するのではなく、「ちょっとお安い価格で手に入れたい」と考えるのが人情というものでしょう。
そして先代BMW 1シリーズを「ちょっとお安い価格で手に入れたい」と考えるならば総額190万~250万円まで、つまり「総額200万円台の前半ぐらい」をチェックするのが現実的な方策となります。
▲総額200万円台前半で普通に狙うことができる「118i プレイ」2024年12月下旬現在、総額250万円までの予算で購入可能なガソリンターボ車の価格と流通状況は下記のとおりです。
●116i|0台|―万円
●118i|9台|総額190万~230万円
●118i Mスポーツ|14台|総額220万~240万円
●118i プレイ|30台|総額190万~250万円
●M135i xドライブ|0台|―万円
この価格帯では流通していない116iとM135i xドライブは論外として、いかにもお安く狙えそうなのは「118i(スタンダード)」です。しかし118iスタンダードは自動ブレーキも付いていないぐらい装備が貧弱ですので、正直オススメできません。
となると118i Mスポーツか118i プレイの二択になるわけですが、流通台数が多いゆえに吟味と取捨選択がしやすくなるのが118i プレイです。もちろん個人的な好みに応じて、流通量がやや少ないMスポーツを探してもいいのですが、118i プレイの方が「順当に探しやすい(選びやすい)」という結果にはなるでしょう。
ちなみに、118i Mスポーツとプレイの違いは「スポーティな内外装装備」と「サスペンション(MスポーツはM スポーツ・サスペンション)」「ホイールの径とデザイン(プレイは16インチのスタースポーク・スタイリング、Mスポーツは18インチのM ライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング)」だけで、基本装備と快適装備の部分については同一です。
▼検索条件
BMW 1シリーズ(3代目) × 118i Mスポーツ & 118i プレイ × 全国中古車のオススメ②|手頃な価格帯のディーゼルターボを狙うなら?
→総額230万~299万円の「118d Mスポーツ」または「118d プレイ」
トルクフルで経済的でもあるディーゼルターボエンジンを搭載する先代BMW 1シリーズを狙う場合でも、できれば「総額250万円まで」で収まるとありがたいのですが、残念ながら118d系は、厳密に「総額250万円まで!」と予算を切ってしまうと、選べる数が極端に少なくなります。
そのため比較的手頃なディーゼルターボエンジン搭載車を探したい場合は、「総額200万円台後半までは許容」という予算感で臨むべきです。
▲総額200万円台後半あたりで狙いたい「118d Mスポーツ」2024年12月下旬現在、総額299万円までの予算で購入可能なディーゼルターボ車の価格と流通状況は下記のとおりです。
●118d Mスポーツ(エディション ジョイ プラスを含む)|69台|総額230万~299万円
●118d プレイ(エディション ジョイ プラスを含む)|45台|総額210万~299万円
Mスポーツにするかプレイにするかは完全に「お好み次第」ですが、200万円台後半の予算を拠出するのであれば、わかりやすくカッコいいMスポーツを狙ってみたくなるかもしれません。「流通台数が多いゆえに吟味と取捨選択がしやすくなる」という意味でも、ここでの基本的なオススメは118d Mスポーツまたは同エディション ジョイ プラスとなるでしょう。
▼検索条件
BMW 1シリーズ(3代目) × 118d Mスポーツ & 118d Mスポーツ エディション ジョイ プラス × 全国以上のとおり、比較的お安い(というか現実的な)予算で「BMWならではの味と世界観」を堪能できてしまうのが、先代BMW 1シリーズという存在です。
新型であるF70型が登場したタイミングではありますが、だからこそ逆に、先代F40型にもご注目いただけましたら幸いです。
▼検索条件
BMW 1シリーズ(3代目) × 全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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