ダイハツ ムーヴ ▲スーパーハイト軽ワゴンに押され気味のムーヴではあるが、実力は折り紙付き

軽トールワゴンとして高い実力をもつムーヴが買いやすい価格に!

軽自動車でありながら、全高を高めに取ることで広い室内空間を実現し、ファーストカーとしても使えるほどの居住性を確保した軽トールワゴン。その先駆者であるスズキ ワゴンRと長年切磋琢磨を続けてきたモデルがこちら、ダイハツ ムーヴです。

実用性に振ったライバル・初代ワゴンRに対し、初代ムーヴは「裏ムーヴ」と呼ばれるドレスアップ仕様の「カスタム」系を先行して投入することで、若いユーザーを取り入れることに成功。ワゴンRの販売台数を上回ることもあるなど、熾烈なライバル争いを現在まで続けているのはご存じの方も多いことでしょう。

そんなムーヴは現在6代目が販売中となっていますが、デビューが2014年ということで発売当初からやや年数が経過していることや、現在はN-BOXやタント、スペーシアといったさらに背の高いスーパーハイトの軽ワゴンが人気の中心となっていることもあって、ついに中古車平均価格が100万円を切ってきたのです。
 

6代目ムーヴってどんな車?

2014年12月にデビューした6代目ムーヴは、新開発された軽量高剛性ボディを採用し、基本性能を大幅向上したモデルとしてリリースされました。

ボディ剛性の向上やサスペンションの見直しによって乗り心地が向上したのはもちろん、安全性も向上。さらに静粛性にも配慮し、車内へのノイズ進入や振動を低減するなど、普通車から乗り替えても大きな不満が出ないほどの仕上がりとなっていました。
 

ダイハツ ムーヴ ▲軽量高剛性ボディを採用することで乗り心地や静粛性などすべてがレベルアップ

グレード体系は従来型と同じく、標準モデルの他にアグレッシブなデザインの「カスタム」系グレードを設定。さらに、今回はカスタム系の最上級グレードとして「ハイパー」シリーズを設定し、より上質さを求めるユーザーにも対応しています。

搭載エンジンは標準、カスタムともに自然吸気エンジンとターボエンジンを用意。ミッションは全車CVTとなり、どちらの仕様でもFF(前輪駆動)と4WDが選べるという点は美点と言えるでしょう。

先進安全装備は、デビュー当時からレーザーレーダーが装備された「スマートアシスト(通称スマアシ)」が設定されていましたが、2015年4月にはレーザーレーダーに単眼カメラを加えた「スマアシII」に、2017年8月にはステレオカメラに変更した「スマアシIII」へと進化しており、高年式モデルの方がより高性能なものへと置き換えられているという点は購入時に考慮しておきたいポイントかもしれません。
 

ダイハツ ムーヴ ▲衝突被害軽減ブレーキの他、誤発進抑制機能なども備わるスマートアシスト

6代目ムーヴの平均車両本体価格と掲載台数の推移は?

2014年12月デビューと、間もなく登場から7年が経過しようとしている6代目ムーヴ。ライバルであるワゴンRは2017年に、後発のホンダ N-WGNも2019年に現行型が登場しており、ムーヴ自体に目新しさがなくなりつつあることも影響しているのか、価格は緩やかな右肩下がりを続けています。
 

ダイハツ ムーヴ▲数年かけて確実に値下がりが進み、いよいよ100万円を切り始めた

2019年1月の時点では114.2万円だった平均車両本体価格ですが、2021年8月の時点では最安値となる98.5万円まで下がっております。
 

ダイハツ ムーヴ ▲大きな波はないが在庫は潤沢に4000台付近をキープし続けている

その一方で、掲載台数は2019年1月の3230台から2021年8月の時点で4219台と1000台以上増えており、まさに今は物件数も豊富かつ買いやすい価格という好条件が揃ったタイミングと言えるでしょう。

確かに目新しさはないかもしれませんが、本質を磨き直した6代目ムーヴの完成度は今現在でも決して見劣りするものではなく、むしろこの価格帯で狙えるのであれば大いにアリなのです。

では、お得になってきて選択肢も多い現行型ムーヴですが、果たしてどんな物件が狙い目なのでしょうか? 以下、オススメをご紹介しましょう。
 

軽でもガンガン走りたい人向け!
Xターボ × 修復歴なし

使用方法がほぼ1人乗りで近隣の移動がほとんどという場合であれば、自然吸気エンジンでも必要十分な出力をもっているムーヴではありますが、高速道路を使って遠出をしたり、多人数乗車をしたりすることが多いユーザーであれば動力性能に余裕があるターボモデルを選びたいところ。

とはいえ、カスタム系のターボモデルは元々の車両価格が高いことや、人気があることもあって高値安定となっており、手ごろな価格で見つけるのは難しいのも事実です。

そこでオススメしたいのが、標準モデルのターボエンジン搭載グレード「Xターボ」です。見た目こそカスタムと違っておとなしい雰囲気ですが、搭載されるエンジンはカスタム系のターボと全く同一です。
 

ダイハツ ムーヴ ▲見た目は通常のムーヴながら、ターボエンジンを搭載した「Xターボ」

それでいて総額100万円以内で狙える物件もあり、走行距離も5万~6万km台が中心という点もオススメです。
 

▼検索条件

ダイハツ ムーヴ(現行型) × 修復歴なし × Xターボ × 全国

安全第一! 装備が充実したものが欲しい
スマートアシストIII搭載車 × 車両本体価格100万円以下 × 修復歴なし

日常の移動に供されることが多い軽自動車だけに、やはり先進安全装備は抜かりなく選びたいと考える人には、やはり2017年8月以降に搭載された「スマートアシストIII」装着車をオススメしたいところ。このスマアシIIIを搭載したムーヴはグレード名に「SAIII」が付くため、簡単に判別が可能です。

さすがにスマアシIIIが搭載された物件は、高年式となるため極端に安価なものは存在しませんが、車両価格100万円以下の物件も結構見つかります。
 

ダイハツ ムーヴ ▲フロントガラス上部中央にあるのが「スマアシIII」のステレオカメラユニット

最もベーシックな「L SAIII」グレードが中心とはなりますが、昔の軽自動車のベーシックグレードのように必要な装備が備わっていないということもないため、実用車として考えるのであれば必要十分とも言えるハズです。
 

▼検索条件

ダイハツ ムーヴ(現行型) ×「SAIII」 ×修復歴なし × 車両本体価格100万円 × 全国

ちょっとリッチに上級グレード!
カスタムRS ハイパー系 × 車両本体価格100万円以下 × 走行距離7万km未満

どうせ狙うならやっぱり一番いいヤツ! と思うのは人の常。中古車だからこそ憧れの上級グレードにも手が届きやすいということも言えるでしょう。

6代目ムーヴの最上級グレードは前段でもご紹介したように「カスタムRS ハイパー」というグレードで、余裕のターボエンジンにカスタム系をベースに専用の加飾や15インチアルミホイール、専用ステッチや専用シート表皮などを採用した内外装が特徴で、一目で上級グレードであることが分かるものとなっています。

こちらのグレードは、他のグレードに比べるとやや割高ですが、それでも走行距離が7万kmくらいものであれば、本体価格100万円ほどから見つかります。

そんなハイパー系はデビュー当初、NAエンジンを搭載した「カスタムX ハイパー」というグレードも存在していましたが、やはり狙うのであればターボモデルに絞りたいところ。

そんなワガママな条件にも関わらず50台ほどの物件がヒットします。欲しい人は早めの行動が吉でしょう。
 

ダイハツ ムーヴ ▲カスタム系の最上級グレードとして設定された「ハイパー」は専用装備を多く備える

▼検索条件

ダイハツ ムーヴ(現行型) × カスタムカスタムRS ハイパー × 車両本体価格100万円以下 × 走行距離7万km以下 × 全国

現在の軽自動車の主流は両側スライドドアを備えた背の高いモデルが中心となってはいますが、スライドドアにそんなにこだわりがないという人であれば、トールワゴンのムーヴは非常に魅力的なもの。

価格が安くなってきている今、あえてムーヴを選ぶというのは現実的な選択肢かもしれませんね。

▼検索条件

ダイハツ ムーヴ(現行型) × 全国

※記事内の情報は2021年9月9日時点のものです。
 

文/小鮒康一 写真/ダイハツ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。