日産デュアリス ▲ヨーロッパ市場を意識して開発されたモデルだけに、当初はイギリスで生産されていた日産 デュアリス。しかし販売が好調のため、2008年からは日本向けを九州工場で生産されるようになった
 

日産 デュアリスの中古車は今

ヨーロッパで2006年9月に「キャシュカイ」として、日本では翌2007年5月に「デュアリス」として販売が開始されたコンパクトSUV。その後、アフリカや中近東、中国など世界中で販売されたグローバルモデルだ。

日本では2014年3月に生産が終了したが、ヨーロッパでは2代目が販売され、2021年夏には3代目へ進化する予定だ。

現在の中古車流通台数は約190台、平均価格は51.7万円となっている。同じ日産の人気コンパクトSUV、キックスとほぼ同サイズの車が、予算50万円で十分狙えるという状況だ。

2010年8月にデザイン変更を伴うマイナーチェンジが行われており、これより前を前期型、以降を後期型と分け、特徴や中古車相場について紹介する。

 

 

デュアリス(初代・前期型)の特徴と中古車相場

■デュアリス(前期型)DATA
生産期間:2007年5月~2010年7月
中古車流通量:約100台
中古車価格帯:20万~120万円
 

日産デュアリス(前期型) ▲全長4315mm×全幅1780mm×全高1615mmと、幅が1700mmを超えるため3ナンバーとなる。最低地上高は205mmあり、荒れた路面や段差でも車の底を打つ危険が少ない

■デュアリス(初代・前期型)の特徴
SUVらしい見晴らしの良さと、コンパクトハッチバックの取り回しの良さを兼ね備えたコンパクトSUVとして開発されたデュアリス。

足回りのセッティングはヨーロッパテイストで、レースカー製作でも有名なザックス社と共同開発されたショックアブソーバーを備えていた。

搭載されたエンジンは2Lガソリンエンジンで、6速マニュアルモード付きのCVTが組み合わされている。

駆動方式は2WDと、同時期の同社のSUVエクストレイルと同じオールモード4×4を採用した4WDが用意された。この4WDシステムは、状況に応じて前後の駆動力を適切に配分してくれる他、4WD固定にすることもでき、滑りやすい道からオフロードまで安定した走行をアシストしてくれる。
 

日産デュアリス(前期型) ▲機能的にまとめられたインパネ。グローブボックスはエアコン送風を使ったクーラー機能を備える
日産デュアリス(前期型) ▲上級グレードの「G」には、1037mm×890mmのガラスルーフ&電動シェードが標準装備された

2009年9月に一部変更が行われ、フロントグリルのデザインなどが変わった他、フロントフォグランプが標準装備となり、ベージュシートが用意された。

標準グレードは「S」。インテリジェントキーシステムや左右独立オートエアコンが標準で備わる上級グレードが「G」で、それぞれ2WDと4WDがある。

その他に、内外装を変更した特別仕様車もラインナップされていた。
 

日産デュアリス(前期型) ▲2009年9月にフロントグリルのデザインが変更となり、フロントフォグランプが標準装備となった

■デュアリス(初代・前期型)の中古車相場
10年以上前の中古車となるが、走行距離10万km以下の物件がほとんどだ。さすがに5万km未満というものは少ないが、それでもまだ20台以上見つけることができ、総額50万円から狙うことができる。

また、6割以上が上級グレードの「G」となっている。標準グレードの「S」との価格差はほとんどないので、まずは「G」を中心に探してみるといいだろう。

2WDと4WDはほぼ同数で、価格は4WDの方が若干高い。ほとんど雪が降らない地域で、オフロードの走行機会もないようならば、価格の安い2WDから狙ってみよう。
 

日産 デュアリス(前期型) ▲2008年9月に追加された「クロスライダー」。専用グリルやバンパー、専用サスペンションを備え、マフラーも2本出しになっている。2WDと4WDが用意された

専用グリル&サスペンションを備える「クロスライダー」は、総額60万円から探すことができるが、数が少ないため条件が合うなら早めのアクションがオススメ。

本革シートなど内外装に特別装備を備えた「アーバンフレア」シリーズも台数がかなり少ない。しかし、同年式・同走行距離の物件と価格はほとんど同じなので、手に入れられれば満足度は高いだろう。
 

▼検索条件

日産 デュアリス(初代)× 前期型 × 全国
 

デュアリス(初代・後期型)の特徴と中古車相場

デュアリス(初代・後期型)DATA
生産期間:2010年8月~2014年3月
中古車流通量:約90台
中古車価格帯:30万~110万円
 

日産デュアリス(後期型) ▲ボディカラーが全色入れ替わり、18インチアルミホイールが用意された。燃費を向上させるエコモード機能や、燃費の良い加速をサポートするスムーズ発進アシストを採用

■デュアリス(初代・後期型)の特徴と中古車相場
2010年8月に行われたマイナーチェンジで、主に内外装デザインの変更が行われた。

フロントグリルの中央に、V字のメッキパーツが配されたのが大きな特徴だ。

インテリアではメッキリングを備えた大型メーターが採用された他、メーターパネル中央に燃費や航続可能距離などを表示するディスプレイが備えられた。エンジンやトランスミッションなどに大きな変更点はない。

併わせて「クロスライダー」は専用アルミホイールを17インチから18インチとし、フルオートエアコンとキセノンヘッドライトが標準装備となっている。
 

日産デュアリス(後期型) ▲純正メーカーナビを備えると、ナビゲーションからの道路情報を用いることで、カーブや料金所の手前でエンジンブレーキなどを有効に使い燃費を向上させる制御が働く

■デュアリス(初代・後期型)の中古車相場
後期型もほとんどが走行距離10万km以下で、5万km以下の物件も30台以上ある。コンディション重視で5万km以下の物件を探すなら、予算は80万円ほど見ておきたい。

120万円まで予算を増やせれば、走行距離3万km台の物件もある。価格は前期型より少し高いが、コンディション重視なら後期型を中心に探してみよう。


こちらも「クロスライダー」の数は少ない。「アーバンフレア」シリーズは後期型の方が台数は多く15台ほどある。こちらも価格は同年式・同走行距離の中古車と価格はほとんど同じだから、装備の充実を重視するなら狙い目だ。
 

▼検索条件

日産 デュアリス(初代)× 後期型 × 全国

※記事内の情報は2021年6月15日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/日産、篠原晃一
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。