トヨタ シエンタ▲コンパクトなサイズの3人乗りミニバン、トヨタ シエンタ。流通量が増えたことで、かなりお得な中古車を見つけられるように

買い時到来のファミリーカー

小型のハッチバックを少し大きくした程度のサイズながら、最大7人乗車ができる3列シートを備えるトヨタ シエンタ。

「取り回しのいい、大きすぎないミニバンが欲しい」というファミリー層からの厚い支持を得て、デビューから5年以上たった今も、2代目となる現行型モデルの新車販売は好調だ。
 

トヨタ シエンタ ▲カーセンサーnetにおける平均価格の推移。昨年、一時期下げ止まりを見せたが、直近で再び下落基調に

中古車の流通量も直近で3000台を超えるまで増えており、それに伴い価格は下落。お得に買える物件が数多くあるという状況になってきた。

具体的なオススメ条件を紹介する前に、まずは簡単にシエンタというモデルについて紹介しよう。
 

トヨタ プリウス ▲スタイリッシュな印象を受けるフロントマスク
トヨタ プリウス ▲内装は曲線を多用し、柔らかいデザインとなっている

座席数を決めてから物件選びを

エンジンタイプは、ガソリンとハイブリッドの2種類。ハイブリッドの燃費は、22.8km/L(WLTCモード)で、ランニングコストを抑えられることから家計への強い味方にもなっている。

ベースは「前列が2人、2列目が3人、3列目が2人掛け」という7人乗りだが、2列目が2人掛けになった6人乗りや、3列目を廃した5人乗りもある。

それぞれで使い勝手が異なるので、シエンタを選ぶ際はまず「何人乗りにするか」を決めてから、物件を探し始めることをオススメしたい。
 

トヨタ プリウス ▲7人乗りモデルの室内。3列目は足元スペースが広くはないため、子供の乗車や、いざというときのエマージェンシーとして考えておくといいだろう

それぞれの使い方は、おおむね下記のとおりだ。
・7人乗り|普段は5人乗りとして使うが、いざというときのために3列目を備えておきたい。
・6人乗り|3列目を備えつつも、2列目は快適性にこだわりたい。
・5人乗り|乗車人数よりも荷室スペースの広さを優先したい。
 

トヨタ プリウス ▲5人乗りの「ファンベース」というグレード。荷室容量の大きさが魅力

その他にも、すべてのモデルが両側スライドドアとなっているのも、ファミリーカーとしては◎なポイント。隣との間隔が狭い駐車スペースでも乗り降りがしやすく、子供が勢いよくドアを開けて傷つけてしまうという心配も不要だ。このスライドドアに関して、物件を選ぶ際に気をつけたいのが「グレードによっては運転席側(右側)が、手動になっているものがある」という点だ。

子供を含め家族で出かけることを想定すると、乗り降りの際に両手が空いている状況は極めて少ない。何かしらの荷物を持っているか、子供と手をつなぐ、または抱えているシーンが多いはずだ。

そうなると、両側が電動になっていた方が圧倒的に便利だし、「なくて不便を感じたから後から追加する」といったことができない機能のため、多少、選択肢を絞ることにはなるが、両側電動から物件を探すことをオススメしたい。
 

トヨタ プリウス ▲全車両側スライドドアを装備するが、ファミリー層にオススメなのは両側が電動のもの

流通量が増え選択肢が豊富に

新車販売の勢いが衰えることなく売れ続けているため、中古車の流通量も増え続けている。特に直近3ヵ月では、その傾向が顕著になっている状況だ。
 

トヨタ シエンタ ▲カーセンサーnetにおける延べ掲載台数の推移。今年に入り流通量が大幅増加

現在流通している中古車は約3100台で、ガソリンとハイブリッドでは、ほぼ2:1という比率。

乗車人数別だと、最も多いのが7人乗りで約2400台。次いで6人乗りの480台、5人乗りは150台となっている。

このように、流通量が激増している今だからこそオススメしたいのが、「ハイブリッドの両側電動スライドドア、かつ走行距離が5万km以下」という、装備充実×コンディションも◎な“ハイパフォーマンス欲張り条件”だ。
 

トヨタ シエンタ ▲ガソリンとハイブリッドの燃費差は7km/L(JC08モード)ほどある

乗車人数ごとの中古車相場

では、そんな“ハイパフォーマンス欲張り条件”の相場はどの程度なのか。乗車人数ごとに紹介しよう。

■7人乗りモデル
7人乗りモデルの「ハイブリッドモデル×両側電動スライドドア×走行距離5万km以下」の物件は480台と、選択肢は潤沢だ。

最低価格帯は総額140万~150万円となっており、220万円を超える新車時価格(ハイブリッド 1.5X)からすると、かなりお得な状況といえる。

150万円プラスαまで予算をアップできれば、衝突軽減ブレーキやバックカメラといった安全機能付きのものも狙うことができる。
 

▼検索条件

トヨタ シエンタ(現行型) × 乗車定員7名 × ハイブリッド × 両側電動スライドドア × 走行距離5万km以下 × 修復歴なし
 

7人乗りで購入費用をできるだけ抑えたいなら、走行距離7万km前後のガソリンモデルが中心となるが、総額100万~120万円で探すことも可能だ。

また、コンディション重視なら、総額180万~200万円プラスαまでアップすると、ガソリン車を中心に登録済未使用車を狙うことができる。
 

▼検索条件

トヨタ シエンタ(現行型) × 乗車定員7名
 

■6人乗りモデル
6人乗りモデルの「ハイブリッドモデル×両側電動スライドドア×走行距離5万km以下」の流通量は約80台。

最低価格帯は7人乗りと同じく140万~150万円だが、流通台数が少ないことから選択肢を確保するうえで、160万円程度と考えておいた方がいいだろう。

大半が総額200万円以内で狙えるお得な状況ではあるが、安全装備付きのものや走行距離がより少ない物件には人気が集中しやすいため、早めのアクションがオススメである。
 

▼検索条件

トヨタ シエンタ(現行型) × 乗車定員6名 × ハイブリッド × 両側電動スライドドア × 走行距離5万km以下 × 修復歴なし
 

6人乗り全体の最低価格帯は、総額110万~120万円ほど。このゾーンでハイブリッドモデル、または両側電動スライドドア装着車が見つかれば、満足度は高いだろう。

デビューから5年程度ということもあり、走行距離が10万kmを超える物件が少ないのも選びやすいポイントだ。
 

▼検索条件

トヨタ シエンタ(現行型) × 乗車定員6名
 

■5人乗りモデル
5人乗りモデルは、2018年9月のマイナーチェンジに合わせて投入されたということもあり、全体でも180台と流通台数が少ない。

その中で「ハイブリッドモデル×両側電動スライドドア×走行距離5万km以下」の欲張り条件を満たすものは約40台だ。

予算は最低でも170万円程度と、7人乗りや6人乗りに比べて高くなるが、年式が新しく走行距離もほとんどが3万km以下というグッドコンディション。

ただし選択肢が限られるため、こちらも気になる物件があれば早めに動いておいた方がいいだろう。
 

▼検索条件

トヨタ シエンタ(現行型) × 乗車定員5名 × ハイブリッド × 両側電動スライドドア × 走行距離5万km以下 × 修復歴なし
 

▼検索条件

トヨタ シエンタ(現行型) × 乗車定員5名
 

※記事内の情報は2021年3月23日時点のものです。
 

文/今泉翔太(編集部) 写真/尾形和美、トヨタ