ダイハツミラココア ▲車名の由来は「ココアを飲んだときの“ホッ"とする雰囲気、ココロ・気持ちが落ち着く車を表現」したという。ボディカラーやデザインのバリエーションを豊富に揃えているが特徴のモデル
 

ダイハツ ミラココアの中古車は今

ダイハツを代表する軽自動車「ミラ」の派生車種として、2009年8月登場したのが「ミラココア」だ。主に女性をターゲットにしたモデルで、ライバルは「スズキ ラパン」。それまで同じ役割を担ってきた「ミラジーノ」や「ムーヴラテ」の実質的後継車となる。

1代限りのモデルとなったが、2度マイナーチェンジが行われ、前・中・後期型の3世代に大別できる。

現在、ミラココアの中古車流通量は約2400台で、平均価格は約50万円。台数が多くて選びやすく、価格もこなれており、中古車として狙い目の時期にあるといえるだろう。

ここからは世代ごとに特徴や中古車相場について紹介する。

 

 

前期型の特徴と中古車相場

■ミラココア(前期型)DATA
生産期間:2009年8月~2012年3月
中古車流通量:約1200台
中古車価格帯:10万円~100万円

ダイハツミラココア ▲全長3395mm×全幅1475mm×全高1530mm。後方視界を高めるため、Cピラーとバックドアの間に大きな窓が配置されている

■ミラココア(前期型)の特徴
ダイハツの人気モデルであった「ムーヴコンテ」同様、ボクシーなフォルムながらも角を丸め、女性ユーザーを意識して開発されたのがミラココアだ。

運転にあまり自信のない人でも、気軽に乗って買い物などを楽しめるようにと、様々な工夫が施されているのが特徴だ。例えば駐車がスムーズにできるように、一部グレードに国内初となるバックモニター内蔵ルームミラーを採用。また、多くの立体駐車場に収まるよう、全高は「ムーヴ」や「ムーヴコンテ」より低い1530mm~1560mmに抑えられている。
 

ダイハツミラココア ▲デビュー時に用意されたボディカラーは9色。上級グレードの「プラス」系はツートーンのカラーホイールキャップとなる
ダイハツミラココア ▲「プラス」系のシートには、写真のようなベージュのスウエード調シート表皮が、「L」、「X」には立体感のあるベージュの表皮が採用された

インテリアにもこだわりがみられる。シートの色はベージュを基調とし、上級グレードにはパイピングが施されたスエード調の生地が採用されるなど、女性を意識したデザインでまとめられている。もちろん、ショッピングフックやティッシュポケットなど収納も豊富で、使い勝手もよく考慮されている。

搭載されたエンジンは、660ccの自然吸気のみ。トランスミッションは4速ATとCVTがあり、2WDと4WDが用意された。

燃費は4速ATよりもCVTの方が良く、それぞれ19.4km/Lと23.5km/Lとなっている(いずれも10.05モード、2WDの値)。

登場時のグレード構成は、新車時の価格が高い順に下記のようになっている。
プラスG>プラスX>X>プラスL>L

ただし、その後グレード構成が何度か変更されている。

「L」と「プラスL」は4速ATで、その他のグレードはCVTを搭載。「プラス」系は上級グレードとなっている。

2010年5月に全車CVTとなり、2011年6月には「プラス G」と「プラス X」の運転席&助手席に、照明付きバニティミラーが標準装備されるなど小変更が行われた。

■ミラココア(前期型)の中古車相場
流通台数はミラココア全体の半分を占める約1200台。総額20万円以下から見つかるなど、手頃な価格で選択肢も多くて選びやすいが、4WDは100台強しかない。

ほとんどがCVT車で、上級グレードのプラス系とノーマル系の比率はほぼ半々だ。手頃な価格で上質感のあるインテリアなどを求める人には、この前期型のプラス系がオススメとなる。

新車時価格が最も安かったのは4速ATを搭載する「L」だが、流通量が少なく他グレードとの価格差もほぼないため、燃費の良い「X」か「G」から探すのがいいだろう。

バックモニター付きバックミラーの備わる最上級グレード「プラスG」でも、走行距離5万km未満の物件が総額60万円程度から見つけることができる状況になっている。
 

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ダイハツ ミラココア(前期型) × 全国
 
 

中期型の特徴と中古車相場

ミラココア(中期型)DATA
生産期間:2012年4月~2014年7月
中古車流通量:約800台
中古車価格帯:20万~120万円
 

ダイハツミラココア ▲グリルやバンパーコーナー、フォグランプにメッキ加飾が施され、リアコンビランプはクリアクリスタル化された。写真は新色のムースピンクパール

■ミラココア(中期型)の特徴
2012年4月のマイナーチェンジで、高効率なエンジンとCVTに切り替わり、アイドリングストップや減速エネルギー回生機能などが装備された。前年の2011年に登場した「ミライース」の低燃費技術を、ミラココアにも採用したのだ。

これによりJC08モード燃費は2WDで26.0km/L、4WDで25.6km/Lに向上した。

デザイン面では、「L」をのぞく全グレードのフロントグリルなどにメッキ加飾が施された他、外観の質感が向上している。また、最上級グレードの「プラスG」には、バックモニター付きカーナビや、花粉除去機能付きのプラズマクラスターが標準装備された。

2013年4月にはボディ上部と下部でカラーを変えたツートーンの特別仕様車「Xスペシャルコーデ」と「プラスXスペシャルコーデ」が追加されている。

さらに2014年5月には、スマートフォン連携カーナビを備えた特別仕様車「Xスペシャルコーデ スマートセレクションSN」「プラスXスペシャルコーデ スマートセレクションSN」も登場した。
 

ダイハツミラココア ▲特別仕様車の「プラスXスペシャルコーデ」。写真のホワイト×ブルーの他、ホワイト×ピンク、ブラック×ブラウンの計3パターンのカラーコーデが用意された。また内装はブラウンのスエード調生地を採用している

■ミラココア(中期型)の中古車相場
中古車台数は約800台。その半数以上が上級レードの「プラス」系だ。前期型と比べて燃費が向上しているので、維持費を安く抑えたいのであれば中期型以降がいいだろう。

「プラス」系とそれ以外との価格差はほとんどないので、装備充実の「プラス」系を中心に探してみよう。

ボディカラーがツートーンの特別仕様車「スペシャルコーデ」系は200台以上見つかる。ミラココアの中でも色にこだわりたいという人は、こちらのグレードもオススメだ。

また、スマートフォン連携カーナビ付きの「Xスペシャルコーデ スマートセレクションSN」、「プラスXスペシャルコーデ スマートセレクションSN」もわずかだが見つかった。中古車でもスマホの音楽を聴きたいという人にオススメだ。
 

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ミラココア(中期型) × 全国
 

ミラココア(後期型)の特徴と中古車相場

■ミラココア(後期型)DATA
生産期間:2014年8月~2018年3月
中古車流通量:約400台
中古車価格帯:40万~140万円
 

ダイハツミラココア ▲丸いLEDヘッドランプを囲むようにLEDクリアランスランプ(車幅灯)を備え、リング状に光ることで、キラキラ感やかわいらしさが演出された

■ミラココア(後期型)の特徴
2014年8月に行われた2度目のマイナーチェンジでは、同社の女性社員を中心に「ココかわプロジェクト」が組まれ、女性目線によるミラココアの見直しが図られた。この結果、全15色のボディカラーと9通りから選べるインテリアカラーからなる計160通りのカラーバリエーションが用意された。
 

ダイハツミラココア ▲シートカラーやインパネは「アイボリー/ブラウン/ピンク」の3色から組み合わせが選べるようになった。写真はインパネをアイボリー、シートをピンクにした例

一方、パワートレインも改良が加えられ、2WDは26.0km/Lから29.0km/Lへ、4WDは25.6km/Lから26.8km/Lへ燃費が向上している。(いずれもJC08モード)

2015年4月には、オプションで用意されているナビゲーションにボイスコントロール機能が採用された。
 

ダイハツミラココア ▲「ココかわプロジェクト」ではミラココア専用グッズの開発も行われた。写真のクッションの他、ボディサイドに飾るエンブレムやラゲージマット、キーケース、ネックピローなど、手がけたグッズは多岐にわたる

■ミラココア(後期型)の中古車相場
後期型は流通する約400台のうち、半数以上が上級グレードの「プラス」系だ。中期型同様、こちらも「プラス」系とそれ以外で大きな価格差はないので、「プラス」系を中心に探すといいだろう。

また後期型ゆえ、走行距離5万km未満も200台以上あるので、コンディション重視であれば、走行距離に注目してみるのもいいだろう。5万km未満でも総額70万円ほどから狙うことが可能で、80万円以上の予算が確保できるなら「プラス」系も見つけることができる。
 

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※記事内の情報は2021年6月11日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/ダイハツ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。