ミニ ミニ

カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2020【ハッチバック部門】

カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。

この記事では、ハッチバックの上位10モデルをピックアップ。各車種について簡単に紹介しよう。
 

 

●第1位|ミニ ミニ(2代目)

(2007年02月~2014年03月)
 

ミニ ミニ▲初代が打ち出した“ミニらしさ”を完璧に継承した2代目ミニ

初代ミニが作り上げたミニの世界観を継承した2代目ミニ。クラシックミニと呼ばれるローバー ミニのデザインアイデンティティを巧みに取り入れながら、より洗練されたプレミアムハッチバックへと進化した。

初代と全く変わっていないようにも見えるが、実は屋根以外のボディパネルをほぼ新設計という気合の入ったモデルチェンジだった。

ボディサイズは全幅1685mmで、5ナンバーサイズを堅持。スタイルも初代を踏襲した3ドアハッチバックになる。

パワートレインは、ベーシックなワンが1.4L直4、クーパーは1.6L直4、クーパーSは1.6L直4ターボで、トランスミッションはいずれも6ATと6MTが用意された。2008年9月にはハイパフォーマンスグレードとなるジョン・クーパー・ワークス(JCW)も設定された。

2021年1月現在、800台以上の中古車が流通。価格帯は20万~330万円となっている。高価格帯の中古車はJCWの限定モデルにあたるJCW GPだ。
 

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●第2位|ミニ ミニ(初代)

(2002年03月~2007年01月)
 

ミニ ミニ▲デビューから20年近くたった現在でも人気が高い初代ミニ。現行型までキープコンセプトでモデルチェンジしているため、初代でも古く見えないのが良い

BMWの新たなブランドとして華々しくデビューした初代ミニ。

ボディサイズはローバーミニ(クラシックミニ)から大幅に拡大されたが、ミニの世界観を現代に再現したことで、大きさを感じさせないかわいい雰囲気に仕上がっている。BMWの、ミニに対する尊敬の念を随所に感じることができるモデルだ。

パワートレインは、ワンが最高出力90psの1.6L直4、クーパーが最高出力116psの1.6L直4、クーパーSは最高出力163psの1.6L直4スーパーチャージャーに。

トランスミッションはワンとクーパーが5MTとCVT、クーパーSはデビュー時は6MTのみの設定で、2004年12月に6ATが追加された。

インテリアは、プレミアムコンパクトと位置付けられたミニにふさわしい内容に。大きなセンターメーターとステアリング上に付くタコメーターは、往年のミニをほうふつさせるデザインに仕上がっている。

シフトレバーやシートも丸をモチーフに、統一感のあるデザインが施された。

デビューから20年近くたった2021年1月現在でも、420台以上の中古車が流通しており、価格帯は10万~170万円。高価格帯の中古車はジョン・クーパー・ワークスのチューニングキットが装着されたクーパーSになる。
 

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●第3位|マツダ MAZDA3ファストバック(現行型)

(2019年05月~生産中)
 

マツダ MAZDA3ファストバック▲ハッチバックのファストバックとセダンが用意されるMAZDA3。「Car as Art(アートとしてのクルマ)」というマツダデザインの哲学を追求した美しいハッチバックだ

2019年5月のフルモデルチェンジで、アクセラから世界統一名称となる「MAZDA3」に車名変更。

本モデルでは、人間の歩行状態を理想の運転姿勢と定義付け、座った姿勢がその状態に近づくようシート構造やボディ構造などを連携させるスカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャーが取り入れられた。

エクステリアデザインは不要な要素を排除する“引き算の美学”で、シンプルな中にも滑らかな面構成で抑揚のある立体的な造形に。緊張感のある上品な美しさを表現した。

パワートレインは、1.5Lと2Lとガソリンエンジン、1.8Lディーゼルターボ、マイルドハイブリッドを組み合わせたマツダの新世代2Lガソリンエンジン“スカイアクティブX”の4種類が用意された。

2021年1月現在、約400台の中古車が流通していて、価格帯は190万~370万円。低価格帯は1.5Lガソリンで、2Lガソリンは210万円から、ディーゼルは250万円から、スカイアクティブXは270万円から見つかる。
 

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●第4位|フィアット 500(現行型)

(2008年03月~生産中)
 

フィアット 500▲フィアット500は多くの限定車が発売されている。それを中古車で探すのも楽しい!

映画『ルパン三世 カリオストロの城』に登場した2代目フィアット 500(チンクエチェント)をモチーフにした現行型500。

2代目がエンジンをリアに搭載したRR方式だったのに対し、現行型はエンジンがフロントにあるFFになるなど機構は全く違うが、デザインエッセンスをうまく取り入れて大ヒットした。

ボディサイズは軽自動車よりわずかに大きい全長3570×全幅1625×全高1515mmなので、狭い路地でもちゅうちょなく入っていける。

前期型にはカーナビを付けるスペースがなかったが、2018年9月の改良でスマートフォンと連携できるタッチパネルモニター付きUコネクトが採用された。

パワートレインは1.2Lと1.4Lの直4の他、2011年3月から875ccの直列2気筒ターボエンジン“ツインエア”が投入された。トランスミッションは5速のデュアロジック(AT限定免許でも運転可能な2ペダルMT)が中心で、限定車でMTモデルも登場した。

2021年1月現在、約850台の中古車が流通していて、価格帯は30万~280万円。2016年1月以降の後期型は110万円から探すことができる。
 

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●第5位|トヨタ アクア(現行型)

(2011年12月~生産中)
 

トヨタ アクア▲空力性能を高めるために思い切り傾斜させたフロントガラスが特徴。全高も低めに抑えられている

ハッチバック型のハイブリッド専用モデルとしてデビューしたアクア。

デビュー時は世界一の低燃費性能を誇るとともに、モーターアシストによる軽快な走りを味わえるモデルとして大ヒットした。

2代目プリウスに搭載された1.5Lエンジン+モーターというハイブリッドシステムをベースに、アクアに合わせて新開発されたものを搭載している。現在新車で販売される最新型は、WLTCモードで29.8km/Lという低燃費を実現している。

見た目はコンパクトだが、車内は室内長が2015mmも取られているので、大人4人でゆったり乗れる。走りを楽しみたい人のためにGRシリーズが用意されているのも特徴だ。

2021年1月現在、8000台以上の中古車が流通していて、価格帯は20万~240万円。予算100万円以内でも4000台近い中古車の中から選ぶことができる。
 

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●第6位|トヨタ プリウス(3代目)

(2009年05月~2015年11月)
 

トヨタ プリウス▲2代目から採用されたトライアングルシルエットを継承。エコカー減税の導入も手伝い、爆発的にヒットした

真横から見たときに三角形をしているトライアングルシルエットを採用した3代目プリウス。

ボディサイズは全高4460mm×全幅1745mm×全高1490mmと現行型よりひと回り小さく、5ナンバーサイズからわずかにはみ出す程度で街中でも扱いやすいモデルだった。

ハイブリッドシステムはエンジンが1.8Lに変更され、モーターも小型の高回転タイプを新規採用。これにより2.4L並の出力を出しつつ、当時世界一の燃費性能を実現した。

インテリアはセンターコンソールが宙に浮いたようなデザインを採用し、未来的な雰囲気を強調。2011年のマイナーチェンジではボディ剛性が大幅に高められたスポーツグレードのG‘sが設定された。

2012年10月の一部改良では、東日本大震災以降要望が大きくなった最大1500Wまでの電化製品を使えるAC100V電源がオプション設定された。

2021年1月現在、約5500台の中古車が流通していて、価格帯は20万~200万円。予算100万円以内でも4000台近い中古車の中から選ぶことができる。
 

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●第7位|日産 ノート(2代目)

(2012年09月~2020年11月)
 

日産 ノート(2代目)▲コンパクトなハッチバックながらLクラスセダンに匹敵する後部座席の広さが与えられたノート

ベーシックなハッチバックだった初代ノートと、プレミアムハッチバックという位置付けだったティーダを統合する形でデビューした2代目ノート。2016年11月以降、コンパクトカー販売台数No.1の座に何度も輝いた。

その人気をけん引したのが、エンジンで発電してモーターの力で走行するe-POWERの存在だ。

電気の残量を気にせずモータードライブを楽しめるe-POWERは、これまでとは違う新しい走りに興味がある人にオススメ。

また、ベーシックなノート以外にスポーティなセッティングがされたNISMO仕様もラインナップ。中でも、e-POWER NISMO Sはモーターによる強烈な加速感を味わえるモデルに仕上がっている。

2021年1月現在、約6800台の中古車が流通していて、価格帯は20万~280万円。e-POWERは70万円から探すことが可能。

 

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●第8位|トヨタ プリウス(現行型)

(2015年12月~生産中)
 

トヨタ プリウス▲ハイブリッドカーの代名詞であるプリウス。写真は2018年12月にマイナーチェンジした後期型

トヨタの新たな車づくりの指針であるTNGAの第1号車としてデビューした4代目プリウスは、低重心パッケージによる安定感のある走りと数々の先進安全機能を装備して登場した。

フロントのエンブレムはトヨタのスポーツモデルである86と同じ高さになるなど、低くどっしり構えたスタイルが印象的だ。

パワートレインは、3代目でも採用された1.8L+モーターに改良を施したもの。熱効率を高めるとともにモーターをはじめとするシステムを小型化し、エントリーグレードのEはJC08モード40.8km/Lを達成した。

また、現行型ではプリウスとして初めて4WDも設定されている。

4代目デビュー時はアバンギャルドなデザインを採用し、これには賛否両論沸き起こった。そのため、2018年12月のマイナーチェンジではおとなしめのデザインに変更されている。中古車を選ぶ際は、どちらのデザインが好みか考えよう。

2021年1月現在、約6800台の中古車が流通していて、価格帯は90万~390万円。後期型は160万円から探すことが可能だ。
 

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●第9位|ホンダ シビックタイプR(現行型)

(2017年09月~生産中)
 

ホンダ シビックタイプR ▲2020年10月のマイナーチェンジでは、フロントグリルの開口面積が拡大され、冷却性能がアップ

これまでタイプRは、ベース車両に様々なチューニングを施す形で開発されたが、現行型は最初からタイプRを見据える形でプラットフォームを開発。軽量化、低重心化、トレッド拡大などにより走行性能が大幅に高められた。

2017年4月、ドイツのニュルブルクリンク北コースで行われた走行テストでは7分43秒80という当時のFFモデル最速タイムを記録した。

タイプR専用の2L VTECターボは最高出力235kW(320ps)、最大トルク400N・mをたたき出す。トランスミッションは6MT。

シフトダウン時にエンジン回転数を自動調整するレブマッチシステムや、3種類のドライブモードから好みの走りを選べる機能を搭載するなど、現代のモデルならではの装備も奢られた。

2021年1月現在、約50台の中古車が流通していて、価格帯は420万~540万円。

人気のスポーツモデルで納車に時間がかかることもあり、新車価格より安い中古車は少ない。
 

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●第10位|ホンダ フィット(3代目)

(2013年09月~2020年01月)
 

ホンダ フィット▲小さくてもスペースユーティリティに優れたハッチバックの代名詞的存在であるフィット

2代目はキープコンセプトなデザインだったが、3代目はフロントマスクのイメージを大きく変えてシャープな印象に。だが、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを生かした広い室内空間は継承されている。

後席を座面ごと下に沈み込む構造にすることで、ハッチバックとは思えない荷室空間が出現。後席座面を跳ね上げれば、背が高い荷物を積むこともできる。

パワートレインは1.3Lと1.5Lのガソリンエンジン、1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドが用意された。

2017年6月のマイナーチェンジでは、ホンダの先進運転支援システムパッケージ“ホンダセンシング”を多くのグレードで標準装備にした。

2021年1月現在、約5600台の中古車が流通していて、価格帯は30万~230万円。ハイブリッドもガソリンモデルと同様に30万円から探すことができる。
 

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総括

免許取り立ての人のファーストカー、ファミリーのセカンドカー、子供の手が離れた人のダウンサイジングカーなど、様々な用途があるハッチバックは、比較的高年式の中古車でも手頃な価格で買うことができるのが魅力。

燃費性能も優れたモデルが多いので、車にあまりお金をかけたくない人にもオススメだ。

輸入車のハッチバックは国産車にはないコンセプチュアルなモデルも多くあり、乗っていて楽しくなる。

何よりコンパクトなハッチバックは街中での取り回しが楽! 気軽に乗れる日々の相棒としてオススメしたいボディタイプだ。
 

文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/ミニ、マツダ、フィアット、トヨタ、日産、ホンダ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL