残された時間は意外と少ない! 4L以上の大排気量エンジンを搭載した国産モデルを、総額150万円以内で狙う
2021/01/02
電動時代の到来前に大排気量エンジンを味わえるラッキーな時代
ヨーロッパや中国同様、ついに日本も脱エンジン時代とかじが切られた。国は2030年代なかばには、すべての新車をハイブリッド車か電気自動車、燃料電池車にする方向で調整中、という。つまり、純エンジン車に乗れるチャンスはあと10年程度しかないということだ。
しかし考えてみれば、こんな時代の変わり目に立ち会えるなんて幸運なことかもしれない。エンジン車と電動車、どちらも乗れる・狙えるのだから。
その幸運を実感するためにも、いずれ乗ることになる電動車はひとまず置いといて、今乗るべきはエンジン車、それもモーターと一緒に積まれることはない、大排気量エンジンではないだろうか。
しかも昨今の流行であるターボを備えていない、自然吸気の大排気量エンジンを、乗れる時代に乗っておきたい。それも、古き良き時代に思いをはせる懐古的な車ではなく、あくまでも現代の高い信頼性を備えた、言ってみれば「エンジン時代の最後の大排気量」を。
そこで今回は、4L超の自然吸気エンジンを搭載しているモデルの中から、支払総額150万円以下で狙え、比較的程度の良さも担保される今から約10年前、すなわち2010年式以降の物件がヒットする国産モデル3台を紹介しよう。
いずれもV型8気筒で、すでに搭載モデルが限られているだけに、手頃になっている今のうちに大排気量ならではの魅力をたっぷり味わっておこうではないか。
当時世界初の技術で広域にわたり出力アップと低燃費を両立
レクサス LS460(初代)
もともと海外ではレクサス LSとして販売されていたトヨタ セルシオだが、国内でもレクサスブランドが展開されたことに伴い、2006年9月のフルモデルチェンジで日本でも「レクサス LS」として販売されるようになった。
この時に用意されたエンジンは、新開発された4.6LのV型8気筒。「1UR-FSE型」と呼ばれるこのエンジンは、吸気側にモーターで作動する当時世界初の電動連続可変バルブタイミング機構(VVT-iE)が採用された。これにより、低速域から高速域まで幅広い回転域で出力の向上と低燃費を両立している。
ちなみに、こちらも当時世界初だった8速のATが組み合わされたことで、LS460の10・15モード燃費は9.1km/Lと、3代目セルシオの4.3L V型8気筒の8.9km/Lを上回る。
最高出力385ps/最大トルク500N・mというスペックで、しかも先述のように低回転から出力が向上しているのだから、回転数を上げずとも余裕の走りを味わえる。低回転域なら当然エンジン自体も静かだし、8速という多段化されたATがトントントンっとギアを変えてくれ、しかも吸遮音材などがたっぷり奢られているため、レクサスのフラッグシップにふさわしい静粛性を堪能できる。
他にも、当時世界で初めて歩行者検知と操舵回避支援を備えたプリクラッシュセーフティシステム(衝突被害軽減ブレーキシステムの一種)を装備するなど、レクサスのフラッグシップにふさわしい先進機能が用意されていた。
デビュー時の車両本体価格は770万~965万円。原稿執筆時点で見ると支払総額150万円以下で250台以上が見つかり、2010年式以降に絞っても30台以上ヒットする。一方で、2012年10月のマイナーチェンジで、現在のレクサス全車のデザインアイコンであるスピンドルグリルとなったが、総額150万円以下ではほとんどがマイナーチェンジ前のモデルとなる。
▼検索条件
レクサス LS(初代)×2010年式以降×総額150万円以下×全国優雅な走りに合わせて専用チューンされたV型8気筒を搭載
トヨタ クラウンマジェスタ(5代目)
上記のとおり、セルシオがレクサスに移ったことで、トヨタブランドのトップに君臨することになったのがクラウンマジェスタだ。2009年3月に登場した5代目は、トップ・オブ・トヨタにふさわしい質感と性能が与えられた。
搭載されたエンジンは、2WDには上記レクサスLS460と同じ4.6L V型8気筒エンジン。ただし最高出力347ps/最大トルク460N・mとLS460よりは若干抑えられるなど、後席に要人を乗せてゆるやかに走ることを想定したマジェスタ専用チューニングが施されている。こちらも8速ATが組み合わされ、10・15モード燃費は9.4km/L。
また、4WDモデルも設定されており、こちらは4.3L V8エンジン+6ATの組み合わせとなる。
後席重視は、旧型と比べて75mmホイールベースが拡大されたことや、世界初となる後席センターエアバッグ(後席左右の間にエアバッグが展開する)の全車標準装備、衝突の危険が高まるとリクライニングしている後席を引き起こす機能が採用されていることにも表れている。また、後席を2名乗車とするGタイプFパッケージもラインナップされた。
レクサス LS460同様、プリクラッシュセーフティシステムが用意された。また、全車に電子制御式エアサスペンションが装備され、カーナビと連動して徹底的に優しい乗り心地と走行安定性の両立が目指された。
デビュー時の車両本体価格は610万~790万円。原稿執筆時点で見ると支払総額150万円以下で70台近くが見つかり、2010年式以降でも40台ほどヒットした。
▼検索条件
トヨタ クラウンマジェスタ(5代目)×2010年式以降×総額150万円以下×全国日産最後!? のV型8気筒を搭載したモデル
日産 シーマ(4代目)/プレジデント(4代目)
2001年にデビューした日産のフラッグシップセダン、シーマの4代目には、3L V型6気筒ターボとともに、4.5LのV型8気筒エンジンを搭載したモデルが用意された。
日産初となるV型8気筒の直噴エンジンは、最高出力280ps/最大トルク451N・mを発揮。5速ATと組み合わされた。また、同エンジンを搭載する4WD車も用意されていた。
さらに、同年10月にはシーマの法人向け車両版となるプレジデントがデビューするが、こちらは4.5L V型8気筒エンジンのみが搭載された。
2003年にV型8気筒エンジンは直噴式からポート噴射式に改められた。この改良型エンジンは、2004年10月に登場したセドリック/グロリアの後継車であるフーガの450GT(2005年8月に追加されたモデル)にも採用されたが、その際に最高出力333ps/最大トルク455N・mに高められている。ただしシーマとプレジデントは、最後までデビュー時同様の280ps/451N・mのままだった。
シーマはフラッグシップらしく、今のアダプティブクルーズコントロールのような機能の車間自動制御システムや、世界初のレーンキープサポートシステム(車線の中央をキープするようステアリングをアシストする機能)など当時の先進機能が用意された。
また、プレジデントはシーマの先進技術に加え、後席に専用キーで開閉するボックスや100V電源、格納式テーブルなど、後席に座る要人向け機能が充実している。
V型8気筒エンジン搭載モデルのデビュー時の車両本体価格は、シーマが540万~695万円、プレジデントが800万~900万円。原稿執筆時点で見ると支払総額150万円以下ではシーマが約110台、プレジデントが10台以上となるが、2010年式以降に絞ると合わせて10台程度となる。
▼検索条件
日産 シーマ(4代目)/プレジデント(4代目)×V8搭載グレード×2010年式以降×総額150万円以内×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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