フナタン

不穏な依頼…… 。

ある日、カーセンサー編集部から電話がありましてね。カーセンサーのお気に入りリストに入ってる車から3台ピックアップしてくれって言うんですよ。

まさか、ワタクシのお気に入りリストがパンパンになっていることを知って連絡してきたのでは!? 監視社会! こわい!! ……と思っていたらそんなことはなく、日常的にカーセンサーをチェックしていることを聞きつけてのことだったようです。なんでも、カーセンサー8月号(2020年6月19日発売号)で「クルマは、買うまでが楽しい!」と題した特集を掲載しているんだとか。

ということで、車を買う予定もないのに日常的にカーセンサーをチェックしているワタクシではありますが、特に目的の車種があるわけでもなく、漠然と「安い順」だったり「年式の古い順」で検索をし、気になった車両をカーセンサーのお気に入りリストに放り込む、という極めて生産性の低い作業を定期的にこなしております。

たまりにたまったそのリストから、珠玉の3台をご紹介してしまおう! というのが今回の異例の(?)企画趣旨となります。それではご覧ください。
 

小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。

①マツダ スピアーノ

マツダ スピアーノ

まず1台目にご紹介するのは、マツダのスピアーノです。そもそもスピアーノってなんぞや? という人も多いかもしれませんが、これはスズキ アルトラパン(初代)のOEMモデルで、グリルやエンブレムが少し異なるだけで基本的にはアルトラパンということになります。

もともと普通とはちょっと違う車が好きなワタクシとしては、スピアーノという時点ですでにポイントが高いのですが、こちらの車両はなんとリフトアップがなされ、若干無骨な雰囲気となっているではありませんか!

どちらかというとかわいい系のスピアーノ(アルトラパン)ですが、こうやってリフトアップした姿もまた様になっている……というかスピアーノでリフトアップしてる人なんて少数派だと思うので、そういう意味でもお気に入りの1台となっています。

ちなみにこちらの車両は4WDではなく2WDですが、別にガチのオフロード走行をするわけでもないので、むしろ2WDの方が“らしい”とも言えるのではないでしょうか。
 

▼検索条件

マツダ スピアーノ(2002年2月~2008年11月) 生産モデル×全国

②トヨタ コロナ

トヨタ コロナ

他人とかぶらない車にビビっとくるワタクシとしては、生存台数の少ない旧車は大好物。しかし、スカイラインやフェアレディZ、セリカといった王道のスポーツモデルはあまり興味がありません。というのも、こういった人気の旧車は街中で見かけることは少なくても、旧車イベントではたくさん集まってしまうから。

ではどんな旧車を狙うかと言いますと、ズバリ実用車です。現役当時はたくさん街中を走っていて、だれも気にも留めなかったような普通の車こそ、気づけば淘汰されてすっかり姿を消してしまっているのです。もちろんスポーツカーなどでもありませんから愛好家もほとんどいなく、孤高の存在になれるというワケ。

ただし、あまりにヘンテコな車に手を出してしまうと部品の供給がさっぱりで維持できなくなってしまいますが、実用車は海外に輸出されて彼の地でガンガン走っていたりして、日本では部品はないけど海外では見つけることができる、なんてこともあるのです(できれば最初から海外にも輸出されているモデルだとベスト)。

そこでこのトヨタ コロナです。まさに普通を地で行った「車そのもの」といったルックス。国外でも生産されていたので当時のモデルにしては部品の心配も少なく、狙い目じゃないでしょうか。
 

▼検索条件

トヨタ コロナ(全年代)×全国

③BL ミニクラブマンエステート

BL ミニクラブマンエステート

今でこそヘンテコグルマおじさんと化したワタクシではありますが、若かりし頃はクラシックミニを3台乗り継ぐほどのエンスーだったりしまして、今でもクラシックミニへのあこがれは持ち続けているのです。

そんなクラシックミニは、一般的に皆さんが頭に思い浮かべる普通のスタイルのミニの他、バンやピックアップ、2ボックスセダンなど、多くのバリエーションがあったモデルでもありました。その中でも特異な存在とも言えるのが、このクラブマンシリーズです。

当時のメーカーは登場から10年ほどが経過して古くさくなったミニをモダナイズしようと、近代的なフロントマスクをもったクラブマンシリーズをリリース。しかし、結局今までの顔の方が評判がよく、途中で消えてしまった悲運のモデルです。

そしてこちらはそのクラブマンシリーズのステーションワゴン版のエステート。もはやミニを知らない人からしたらミニだとは思えないスタイルですが、昔本気で買おうとしたことがあるくらい好きなモデルなのです。もちろんスタンダードなクラシックミニも好きなので、いつか2台持ちができたら……と妄想は止まることを知りません。
 

お気に入りリスト足りません!

ということで、今回はパンパンになったお気に入りリストから3台をピックアップしてお届けいたしました。ちなみになんでそんなにが上限30台のリストがパンパンになるかというと、あまりにヘンテコな車ばかりピックアップしすぎて売約済にならず、消すに消せないという事情がありまして……。

こうなったらカーセンサーさんにお気に入りリストの拡大をお願いするか、お気に入りリストの車をすべて買えるほどの大富豪になるかの2択ということになりますが、後者は難しそうなので前者の方、よろしくお願いいたしまーす!
 

文・写真/小鮒康一(フナタン)、イラスト/日刊カーセンサー