トヨタ アリスト▲ハイパワーな直6エンジン+FRレイアウトというスポーツセダンのアリストを紹介します!

セダンが意外と人気! そこで、16系アリストはいかが?

日本ではセダンは不人気というイメージがあるようですが、実は新車販売に限ったことで、比較的若いユーザーからしてみると、セダンは決してダサい車型というわけではないようです。

実際、若いユーザーが手ごろな価格になったミドル~ラージクラスのセダンを購入するというケースは少なくなく、ミニバンやSUVに比べてスタイリッシュかつ快適、それでいて買いやすい価格帯というのも人気の秘密です

では、今のタイミングでそのあたりのセダンを狙うとしたら、どんなモデルがお買い得なのかな~と調べてみると、なんとあの名機2JZ型エンジンを搭載した16系アリストが予想以上に安価となっているではありませんか!

ということで、今回は16系アリストの中でもハイパフォーマンスなターボエンジンを搭載したV300系を中心にご紹介いたしますよ!
 

あの80スープラと同じエンジンを搭載したハイパフォーマンスセダン

トヨタ アリスト▲こちらが今回紹介するトヨタ アリストです

今回紹介する16系アリストは、アリストとしては2代目となるモデルで、1997年から2004年まで販売されていたモデルです。

初代から、クラウンやマジェスタなどのラグジュアリーセダンとは一線を画した「ハイパフォーマンス4ドアセダン」と銘打って販売されていただけあって、搭載されるエンジンは直列6気筒DOHC 3Lの2JZ型エンジン。

このエンジンは、あの80スープラが搭載していたエンジンそのもので、ツインターボの2JZ-GTE型は当時の自主規制値いっぱいの280psを叩き出していました。

そこに組み合わされるミッションは46.0kg・mもの大トルクに対応した4速オートマチックトランスミッション。ターボモデルにはステアシフトマチックを採用し、ステアリングから手を離さずにマニュアル操作ができるようになっています。
 

トヨタ スープラ▲ハイパワーを発生するツインターボの2JZエンジン
トヨタ スープラ▲同じ2JZエンジンを搭載する80スープラ
トヨタ スープラ▲高級感あふれるインテリア

駆動方式はFRで、足回りもスポーツカーに多く採用されている四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用。

さすがに1.6トンオーバーの巨体ということもあり、スープラのようなシャープなハンドリングとまではいきませんが、このクラスのセダンとしてはかなり高いレベルの走りを楽しむことができます。

そして、当然ながら高級セダンとしてのキャラクターを併せ持つアリストは、先代よりホイールベースが延長され、室内スペースやトランクスペースを拡大。逆に全長は先代よりも60mm短縮し、高級スポーツセダンとして相反する部分を上手く共存させることに成功しています。

ちなみに海外では、初代アリスト時代からレクサス GSとして販売されており、日本国内でも通算3代目となるモデルが2005年からレクサスブランドから販売されています。

しかし、レクサスGSとしてターボエンジンを搭載したグレードは存在しておらず、そういった意味でアリストは唯一無二の存在と言えそうです。
 

今、16系アリストのターボモデルはいくらくらい?

16系アリストのターボモデルはV300系のグレードとなり、最もベーシックな「V300」と、黒系の内装と17インチメッキホイール、リアスポイラーなどを標準装備とした「V300 ベルテックスエディション」の2つが基本グレード。

高級車という位置付けではありましたが、本革シートやマルチナビゲーションは標準ではなく、オプション設定となっていました。

2001年には、アリスト誕生10周年を記念した「10th Anniversary Edition」が期間限定で発売。こちらはV300をベースにベルテックスエディション相当の装備と本革シートなどを標準装備した特別仕様車です。

ということで、V300系の中古車をチェックしてみると執筆時点で70台と意外と台数は多め

さすがに最終型でも16年が経過しているだけに、10万kmオーバーの個体も多いですが、高級車ということで大切にされていたのか、5万km未満の個体も見つけることができます。

気になる価格は、ゴリゴリにチューニングされた個体を除けば、高いものでも200万円程度。ボリュームゾーンは総額100万~120万円前後といったところで、新車時は支払総額500万円近いモデルだったことを考えればかなりお買い得感が強いのではないでしょうか?

サンルーフ付きは人気が高いようで、若干価格が高めな傾向があります。本革シートも状態が良いものはプラスとなるようですが、年式を考えるとあえてのファブリックシートの方が劣化に悩まずに済むという利点もありそう。

マルチナビゲーションはさすがに古いので、社外品へ交換する……というのがネックですが、交換のノウハウも蓄積されていますし、スマホやポータブルナビで代用、という手もあるのでさほど気にしないでよいでしょう。

スポーツ走行派にはATのみのラインナップがネックかもしれませんが、こちらもスープラ用のミッションなどを用いた換装ノウハウもありますし(たまに換装済車両が掲載されることも)。

ドレスアップにもチューニングにも、もちろんフルノーマルで乗るのも、どんな方向性にもマッチするというのもアリストの美点と言えるかもしれません。
 

文/小鮒康一、写真/日刊カーセンサー、トヨタ

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トヨタ アリスト(2代目)×ターボモデル(V300)×全国
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。