日産 ノート狙いの人は要チェック! 年式で異なる先進安全装備のまとめ
2020/07/07
室内の広さと使いやすさが自慢の「最も売れているハッチバック」
2065mmという室内長がもたらす圧倒的な室内の広さ、そしてエンジンは発電に徹しバッテリーに蓄えたモーターのみの力で走行するe-POWERなどが支持され、コンパクトカー部門で3年連続(2017~2019年)販売台数1位を記録した日産 ノート。
初代ではノートとは別に、プレミアムなコンパクトカーのティーダというモデルがあった。しかし、2代目となる現行型では2つのモデルを統合してノート1本にし、その中にメダリストというプレミアムグレードを設定した。
先進安全装備が搭載されたのも2代目から。最新モデルはほとんどのグレードで、国が推奨する安全サポート車の中でも最も機能が充実している「サポカーSワイド」に指定されている。
そんなノートには、どのタイミングでどんな先進安全装備が搭載されたのか。時系列で見ていこう。
カメラを使った衝突被害軽減ブレーキシステムを設定
2013年12月~2017年8月生産モデル
エマージェンシーブレーキパッケージを設定
2012年8月に2代目へとフルモデルチェンジした現行型ノート。2013年12月に一部改良が行われたタイミングで、先進安全装備が初搭載された。
内容は、エントリーグレードとなるSとS DIG-Sを除く全グレードに、エマージェンシーブレーキパッケージを設定。
ノートは初期段階からカメラを使ったシステムを採用したことで、前方の車両や歩行者はもちろん、道路上の白線などを検知することができた。
このパッケージには、システムが必要と判断したときに緊急ブレーキを作動させて衝突回避や被害軽減を図るエマージェンシーブレーキ、車線逸脱警報(LDW)が備わり、さらにはオプションで踏み間違い衝突アシストを付けることができた。
さらに、自車を真上から見下ろしたような映像をモニターに表示するアラウンドビューモニターに、移動物検知機能(MOD)が備わっている。
原稿執筆時時点(2020年7月2日)では、2013年12月~2015年6月生産モデル全体の流通台数が1000台を超えているが、6~7割程度がエマージェンシーブレーキパッケージ装着車という状況。
2015年式の1.2X、走行距離8万km前後のものが総額40万円から見つかり、比較的手頃な価格で狙うことができる。
なお、専用のメッキパーツやシルバーグリルを装備した上級グレードのメダリストは、50台以下と流通台数が少な目のため早めのアクションが必要だろう。
先進安全装備を全グレードで標準化(一部改良)
2015年4月、日産は「2015年秋までに主要量販車に自動ブレーキを標準化する」と発表。それを受けて、7月にノートでも全グレードでエマージェンシーブレーキが標準装備となった。
そのため、この一部改良でグレード名から「エマージェンシーブレーキパッケージ」という言葉が付かなくなっている。
ただし、新車購入時にオプションでエマージェンシーブレーキレスを選択することができたため、中古車を選ぶ際には注意が必要だ。
2016年11月のマイナーチェンジでは、外観が大きく変わるとともに、シリーズハイブリッドのe-POWERを設定。これによりノートは大きく販売台数を伸ばしていく。
またこのタイミングでは、一部グレードを除きスマート・ルームミラーがオプション設定された。これは、ルームミラーに後方カメラの映像を写す機能で、後席に乗員がいたりラゲージスペースに大きな荷物を積んだ状態でも、後方視界が遮られることがないというメリットがある。
なお、エマージェンシーブレーキまわりの性能は特に変わっていない。
2015年7月~2016年10月生産モデルの流通台数は1000台を超え、エマージェンシーブレーキ搭載車も8割程度と装着率は高い。
しかし、登場初期ということでe-POWERモデルは1割程度。
e-POWER狙いなら、次に紹介する2017年9月以降モデルをオススメ。一気に台数が増え、選べる安全装備も大きく進化しているのでチェックしてほしい。
▼検索条件
日産 ノート(2代目)×2013年12月~2017年8月生産モデル×衝突被害軽減ブレーキ付き×全国インテリジェントクルーズコントロールが選べるようになった
2017年9月以降生産モデル
インテリジェントクルーズコントロールを搭載
日産は2017年1月にアメリカ・ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー2017 (CES 2017)において、新たな指針「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」を発表。
以降、多くの先進安全装備の名称にも「インテリジェント」という言葉が付けられるようになった。
2017年9月に行われたノートの一部改良では、e-POWERの一部グレード(※下記参照)にインテリジェントクルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール=ACC)、インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)を新たに搭載。
※インテリジェントクルーズコントロール搭載グレード
<標準装備>
e-POWER MEDALIST
e-POWER MEDALIST ブラックアロー
e-POWER X ブラックアロー
<オプション装備>
e-POWER X
e-POWER NISMO
また、踏み間違い衝突防止アシストがフロントカメラと連動したことで、作動速度が25km/hまで高められるとともに歩行者にも対応。
さらに、ハイビームとロービームを自動で切り替えるハイビームアシストも搭載されている。
このタイミングではまだe-POWERの上級グレードのみに装備される機能も多いので、実車確認などで欲しい装備が備わっているかをしっかり確認したい。
こちらの年式の物件も流通台数は多く、1500台ほどの掲載されている。
インテリジェントエマージェンシーブレーキは9割近くが装着しているが、インテリジェントクルーズコントロール装着車は1割ほどと装着率は低め。
上級グレード・e-POWERメダリストの中古車は、総額120万から170万円で50台ほど流通している。
踏み間違い衝突防止アシストの搭載グレードを拡充
2018年7月、e-POWERグレードにモーターアシスト方式の4WD車を設定。合わせて、e-POWER Sを除く全グレードに踏み間違い衝突防止アシストが標準装備に。
さらに、e-POWERにのみ設定されていインテリジェントクルーズコントロールとインテリジェントLIが、ガソリン車にも搭載されるようになった。
こちらの年式の中古車は2000台以上流通。そのうちガソリンモデルの台数は1/4程度で、インテリジェントクルーズコントロール装着の物件はさらに絞られる。
インテリジェントクルーズコントロール目当てなら、e-POWERモデルの方が選択肢も多くオススメだ。
▼検索条件
日産 ノート(2代目)×2017年9月~生産モデル×クルーズコントロール付き×全国なお、2017年9月以降生産モデルについて、「ニッサン インテリジェント モビリティ」機能の内容を下記にまとめたので参考にしてほしい。
●インテリジェントクルーズコントロール
他社ではアダプティブクルーズコントロール(ACC)と呼ばれる機能。30km/h以上での走行時、約30~100km/hの範囲で車速を設定。先行車を検知すると、ドライバーが設定した車速を上限として、停止~約100km/hの範囲で先行車との車間を保つように追従走行する。
●インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)/LDW(車線逸脱警報)
意図せず走行車線を逸脱しそうな場合、メーター内ディスプレイへの警告表示とブザーで注意を喚起するのがLDW。インテリジェント LIは、車線内に戻す方向に力を短時間発生させ、ドライバーが車を車線内に戻す操作を促す。
●インテリジェントエマージェンシーブレーキ
約10~80km/hの範囲で作動する衝突被害軽減ブレーキ。フロントのカメラが前方の車両や歩行者を検知して、衝突の可能性が高まるとメーター内の警告灯やブザーによりドライバーに回避操作を促す。そして、ドライバーが安全に減速できなかった場合には、ブレーキを作動させて衝突回避をアシスト。なお、歩行者に対しては約60km/h以上では作動しないので注意が必要だ。
●踏み間違い衝突防止アシスト
低速走行時にアクセルとブレーキを間違えて踏んだ場合に障害物への衝突防止や過度の加速の防止を支援する機能。フロントカメラと連動した機能になったことで、前進時は歩行者も検知してシステムが作動する(バック時は障害物のみ検知)。
●インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)
車両を真上から見たような映像をモニターに映すアラウンドビューモニターは、2007年10月に世界で初めて日産 エルグランドに装備された。現在ではその機能が進化し、周囲の動いている人や自転車などを検知して、ディスプレイ内への表示と音でドライバーに警告するようになっている。
●ハイビームアシスト
ハイビームで走行中、先行車や対向車を検知すると、自動でロービームに切り替え。前方に車両などがいなくなると再びハイビームに戻る。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット500C by DIESEL
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