BMW 3シリーズ▲【カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2019】にてセダン部門ランキングで第1位に選ばれたBMW 3シリーズ(E90型)

カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2019【セダン部門】

カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。

この記事では、セダンの上位10モデルをピックアップ。各車種について簡単に紹介する。
 

 
 

●第10位|日産 シーマ(4代目)

(2001年1月~2010年7月)
 

日産 シーマ ▲かつて“シーマ現象”と呼ばれるほどのブームを巻き起こした日産のフラッグシップセダン。中古車ではその人気が健在!

現行型のシーマはひとつ下のクラスとなるフーガの全長を150mm延長したモデルで、ヘッドライトなどフーガと共通のデザインとなっている部分も多い。その意味では、この4代目はフラッグシップらしい威厳にあふれた最後のシーマと言えるだろう。

ボディサイズは全長が約5m、2008年2月以降の後期型は5120mmにまで拡大された。搭載エンジンは3L V6ターボと4.5L V8が用意された(V6は2007年7月に廃止)。

特徴的なマルチプロジェクターキセノンヘッドランプは、従来のライトの1.7倍の明るさを発することができる世界初の技術を用いたもの。また、世界初のレーンキープサポートシステムや車間自動制御システムにより、先行車の追従走行を実現した。
 

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日産 シーマ(2001年1月~2010年7月生産モデル)×全国
 

●第9位|トヨタ クラウンマジェスタ(4代目)

(2004年7月~2009年2月)
 

トヨタ クラウンマジェスタ ▲アスリート、ロイヤル、マジェスタが統合されたことで、現行型クラウンにはマジェスタの名称は消滅
 

60年以上の歴史があるクラウンの最高峰モデルとしてマジェスタが登場したのは、バブル景気が終焉を迎えた1991年10月。クラウンよりも大きなボディにV8エンジンを搭載したマジェスタはクラウンとは異なる威風堂々とした存在感が与えられているのが特徴。

セルシオがレクサスブランドでLSとして発売されるようになってからは、マジェスタがトヨタのフラッグシップモデルとしての役割を務めていた。

4代目となる本モデルではエンジンを4.3L V8に一本化。マジェスタのアイコンである縦型テールランプは丸みを帯びたデザインになり、上品な雰囲気が高められた。フロントグリルのエンブレムはクラウンの王冠マークからトヨタのエンブレムに変更されるなど、クラウンとは独立したイメージが付けられた。

ナイトビューやレーンキープアシストなど当時最新だった安全装備が惜しみなく投入され、本木目や象眼といった高級素材も多く使われている。
 

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トヨタ クラウンマジェスタ(2004年7月~2009年2月生産モデル)×全国
 

●第8位|レクサス LS(初代)

(2006年9月~2017年9月)
 

レクサス LS ▲現行型がデビューから3年経過し徐々に中古車が増加初代の相場が大きく下落。中古車が買いやすくなったことで今回初のランクイン

国産ドライバーズセダンのトップモデルで、メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズ、アウディ A8などのプレミアムモデルのライバルとなるLS。標準モデルと全長を伸ばし後席の居住性を高めたロングボディ(グレード名にLが付く)が用意される。

内外装に贅を尽くした高級装備が奢られるのはもちろん、LS専用のプラットフォームと足回りでスポーティな走りも楽しめるように。バージョンSには専用チューニングが施されたエアサスペンションが奢られる。

2012年10月にはフルモデルチェンジに匹敵する大規模な変更が施され、外観ではレクサスのアイコンであるスピンドルグリルを採用。ドライバーの好みで乗り味を変えられるドライブモードセレクトが搭載され、さらにスポーティさを極めたFスポーツも設定された。

新車時価格は1000万円を軽く超えるグレードもあるため高根の花だったが、フルモデルチェンジから3年たち中古車相場がかなり下落。車両本体価格が200万円以下の中古車も増えている。
 

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レクサス LS(2006年9月~2017年9月生産モデル)×全国
 

●第7位|スバル レガシィB4(2代目)

(2003年6月~2009年4月)
 

トヨタ ヴォクシー ▲2018年の第8位から順位がひとつアップ。デビューから16年以上たっても注目度が高いのはさすが!

スポーティさとプレミアム性を併せ持つレガシィB4は、先代からアメリカ市場を意識してボディサイズが大きくなってしまったため、現在でもこのBL型の人気が高い。水平対向エンジン+シンメトリカルAWDというパワートレーンの組み合わせはスバルならでは。

エンジンは2L DOHCターボ、2L DOHCとSOHC、そして水平対向6気筒の4種類が用意される。スポーツ志向なら2Lターボを搭載するGT系が鉄板の選択。上質で品のある走りを楽しみたい人は流通量が少ないが6気筒モデルがオススメだ。

2006年のマイナーチェンジで上級グレードに3つのドライブモードを選択できるSI-DRIVEを搭載。さらに2008年の年次改良でスバルの先進安全装備であるアイサイトが搭載された。
 

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●第6位|レクサス IS(初代)

(2005年9月~2013年4月)
 

レクサス IS ▲昨年までレクサスは1台もベスト10に入っていなかったが、2019年は2台がランクイン。初代ISは平均価格が100万円を切りかなり買いやすくなった

日本でのレクサスブランド展開は、2005年デビューの初代ISから始まった。

BMWやメルセデス・ベンツが得意とするDセグメントのFRセダンで、3シリーズと同じようにスポーティさも高めたモデルとなっている。ISはドイツブランドに負けないプレミアム感を秘めているのが特徴だ。国産車だとレガシィB4がライバルとなる。

搭載エンジンは2.5Lと3.5LのV6で、そこに6ATが組み合わされる。グレードは標準モデルの他、スポーティさを強調したバージョンSとラグジュアリーなバージョンLが用意された。

派生モデルとしてメタルトップの開閉でオープンエアも楽しめるIS C、5L V8エンジンを搭載するIS Fも登場した。
 

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●第5位|トヨタ セルシオ(3代目)

(2000年8月~2006年5月)
 

トヨタ セルシオ ▲20年前にデビューした最終型セルシオが2018年に続き5位にランクイン。今なお400台近い中古車が流通しており、状態の良い個体も残っている

1989年に登場した初代セルシオは、その完成度の高さからヨーロッパのプレミアムブランドを震え上がらせたという逸話もある。圧倒的な静粛性、上質な乗り味、日本車の頂点に立つモデルらしいラグジュアリーなインテリアなどに憧れた人も多いだろう。

3代目は初代から続くセルシオらしさがいっそう磨かれると同時に、世界トップレベルの走りを目指してエンジン、シャシーなどが一新された。今では当たり前になったスマートキーをいち早く採用した他、2001年には新開発のエアバッグを搭載。2003年のマイナーチェンジではATが6速に変更されている。

アメリカのハイエンドオーディオブランドであるマークレビンソンのオーディオがオプションで選べるなど、オーナーの所有欲をくすぐる装備も充実。このオーディオが付いた中古車は希少価値があるため相場もやや高め。

中古車は総額50万円で買えるものも増えているが、VIPカーブームによりかなり手が加えられた中古車も多い。カスタム車を買うか、ノーマルを買うかは完全に好みによるだろう。
 

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●第4位|トヨタ クラウンアスリート(12代目)

(2003年12月~2008年1月)
 

トヨタ クラウンアスリート ▲昨年は圏外だったが、2019年に一気に4位にランクイン。平均価格が50万円を切り買いやすくなったのはもちろん、先代や現行型が派手目の顔つきになったのでシンプルなデザインを求めている人が注目している気配もある

クラウンは1999年のフルモデルチェンジから、従来のイメージを踏襲するロイヤルとスポーティさを強調したアスリートを展開。「ゼロクラウン」と呼ばれる2003年デビューの180系でもその流れを踏襲している。

アスリートは専用グリル、前後バンパー、アルミホイールなどでスポーティなデザインを演出するとともに電子制御サスペンションや、16インチベンチレーテッドディスクブレーキを採用して走りもスポーティに。

搭載エンジンは2.5L、3L、3.5Lで、先代までの直6エンジンからV6に変更されている。

クラウンはトヨタの上級モデルだが全幅は1780mmしかないので狭い日本の道でも安心して運転できるのが特徴。人気モデルだっただけに中古車流通量は400台以上あり、予算に応じて選びやすい。
 

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トヨタ クラウンアスリート(2003年12月~2008年1月生産モデル)×全国
 

●第3位|スバル WRX(初代)

(2014年8月~生産中)
 

スバル WRX ▲インプレッサから受け継がれたラリーのイメージ、扱いやすいボディサイズ、そして何より他に類を見ない高い運動性能により中古車市場でも人気が高いWRX

現行型WRXは走りを極めたWRX STIと、スポーティさに加え日常での使いやすさも高めたWRX S4が用意される。

WRX STIは搭載される水平対向エンジン“EJ20”の生産が終了したことで、新車の注文受付が終了しているため、今後は相場が上昇する可能性もある。

STIとS4は性格が大きく異なるため、購入時にどちらにするか迷うことはないと思うが、街乗り中心、家族も乗せることが多いという人にはS4がオススメ。STIよりおとなしいとはいえ最高出力221kW(300ps)、最大トルク400N・m(40.8kg-m)を発生するのでいつでも力強い走りを楽しめる。搭載されるCVTもスポーティな走りにも十分対応できる。

WRXはインプレッサ時代から、定期的に運動性能を高めた限定モデルを発売する。本モデルでもS207とS208が登場。これらは中古車市場でプレミアム相場になっているが、欲しい人は是が非でも手に入れたいだろう。
 

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●第2位|BMW 3シリーズ(F30型)

(2012年1月~2019年2月)
 

BMW 3シリーズ ▲スポーティな走りに加え、プレミアム性も一層高められた先代3シリーズ。昨年のフルモデルチェンジにより中古車相場が下がると、1位のE90型と順位が入れ替わってくる可能性もある

現在、輸入車で新車が最も売れているブランドはメルセデス・ベンツ。しかし中古車ではBMW人気が根強い。F30型3シリーズはモデルチェンジで流通量が増えたことで中古車が選びやすくなったこともあり、2018年の3位から順位をひとつあげた。

搭載エンジンは出力の異なる2Lターボ(320i、328i)、2Lディーゼルターボ(320d)、直6 3Lターボにモーターを組み合わせたハイブリッド(アクティブハイブリッド3)を用意。

2015年のマイナーチェンジでは新開発のガソリンエンジンが投入され、320i(2Lターボ)、320d(2Lディーゼルターボ)、330i(2Lターボ)、340i(3L直6ターボ)という構成に。2016年にはプラグインハイブリッドの330e、1.5L直3ターボ搭載の318iが追加された。

さらに内外装の違いでスポーツ、モダン、ラグジュアリーと区分される。もちろんMスポーツも用意。新車はもちろん中古車でもMスポーツの人気は高く、中古車相場も高めで推移している。

ボディは先代より伸びやかさを増しながらも、全幅は日本で扱いやすい1800mmに抑えられたのはさすがBMW。
 

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BMW 3シリーズ(2012年1月~2019年2月生産モデル)×全国
 

●第1位|BMW 3シリーズ(E90型)

(2005年4月~2011年12月)
 

BMW ▲E30時代からセダン部門で圧倒的な人気を誇る3シリーズ。E90型は2018年に続き、セダン部門の首位に

BMWらしいエッジの効いたデザインと質感の高い内装、そして3シリーズならではのスポーティな走りから日本でも大ヒットしたE90型3シリーズ。

前期モデルは全幅が1820mmと先代よりもワイドになったが、多くの日本人ユーザーの要望から2008年のマイナーチェンジでドアハンドル形状を変更して機械式駐車場に入れやすい1800mmにサイズダウンした。

2L直4の320i、2.5L直6の323iと325i、3L直6の330iと330xi 4WD、3L直6ターボの335iとラインナップも豊富。中古車が多くしているのは2L直4搭載モデルだ。

もともと新車時価格の高い輸入車は、国産車に比べると中古車市場での値落ちスピードは早め。さらにE90は2世代前のモデルとなったこともあり、中古車の平均価格が約55万円まで下がっている。気軽にドイツ車ならではのスポーティな走りを楽しみたい人にオススメ!
 

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BMW 3シリーズ(2005年4月~2011年12月生産モデル)×全国
 

総括

日本ではもう長いこと「セダンは不人気」といわれている。が実は全然注目されていないのではなく、ドイツのプレミアムセダンの注目が高く、国産車ではクラウンなどの一部モデルに人気が偏っているというのが実情だ。

一方で今回のランキングを見ると、面白い傾向が見えてくる。それはBMW 3シリーズ以外は輸入車がベスト10にランクインしておらず、低年式の国産高級サルーンが多くランクインしていること。

高級サルーンは新車価格が500万円以上するものも珍しくなく、中には1000万円を超えるものもある。新車で買える代物ではなかなかないが、時間がたてば中古車としてお手頃な値段で手に入れられる。

お手頃感を強く感じることができる中古車セダン。興味がある方はぜひ中古車市場をチェックしてみてほしい。
 

文/高橋 満(BRIDGE MAN)、写真/日産、BMW、トヨタ、スバル、レクサス
高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット 500C by DIESEL