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WRCを沸かせたセリカGT-FOUR。22年落ちの中古車はとにかく「可憐」だった!【伊達軍曹の中古車試乗千本ノック】
WRCを沸かせたセリカGT-FOUR。22年落ちの中古車はとにかく「可憐」だった!【伊達軍曹の中古車試乗千本ノック】
2019/11/27
▲新車の試乗記事はたくさんありますが、「あの懐かしの車は今乗るとどんな感じなのか?」というのも気になるところ。ということで、「中古車評論家」の伊達軍曹が97年式トヨタ セリカGT-FOURに試乗してみました!
WRC日本ラウンド復活を機に、当時のラリーカーが気になり始めた
2010年以来ごぶさたとなっていた世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンドが来年11月、10年ぶりに復活する。「これはめでたい!」ということで盛り上がっているラリー好きおよびラリーカー好き各位は多いかと思うが、かく言う筆者もそのひとりである。
そしてWRCが久々に日本へやってくるというと、自動的に思い出されるのが「往年のWRCを沸かせたジャパニーズラリーカー各位」のことだ。
トヨタ セリカGT-FOURを駆るカルロス・サインツが王者ランチアの牙城を切り崩し、初のドライバーズチャンピオンに輝いたのが1990年。
以降、1993年と1994年はセリカGT-FOURのトヨタがマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、翌シーズンからはスバル インプレッサと三菱 ランサーエボリューションが王座をかけてしのぎを削る数年間が続いた。
で、WRCの舞台で日本車のチームが盛り上がるということは、ラリーカーのベースとなる「市販バージョン」の市場が盛り上がるということでもあった。
前述のトヨタ セリカGT-FOURやスバル インプレッサWRX、三菱ランサーエボリューションの各世代に、多くの車好き各位は憧れた。かく言う筆者も、そのひとりだった。
だが当時はカネがなく、新車のそれは買うことができなかった。
しかし、今ならば……と思う。
遺憾ながら相変わらずカネはないが、めでたく「中古車」となった元ラリーカー(の市販バージョン)であれば、実は今日か明日にでも買えちゃうのではないか? 夢がかなっちゃうのではないか?
そのことに気づいた筆者はカーセンサー編集部の協力のもと、埼玉県三郷市の販売店に連絡をとった。1990年代中盤のWRCを沸かせたST205こと6代目トヨタ セリカGT-FOURの中古車に試乗し、その「今」を知るためである。
だがしかし……ST205がシーンを沸かせたのはすでに20年以上も前のこと。今となっては、あらためて試乗したところで幻滅するだけなのではないか? 夢は夢として、心の中だけに残しておいた方が幸せなのでは?
……そんな複雑な思いも抱えつつ、とりあえず取材班は埼玉県三郷市を目指した。
▲こちらが今回の試乗車両。……ううむ、懐かしい!
ST205はトヨタの黒歴史なのか?
三郷市の「ガレージR」にて対面したトヨタ セリカGT-FOURのST205について、まずはその「車種自体」に関してごく簡単に説明しておこう。GT-FOURについて詳しい人は、このパートは読み飛ばしちゃってください。
ST205は、T200型と呼ばれる6代目トヨタ セリカがWRCに参戦するうえでの公認取得のために作られた4WDターボ版。より正確に言うなら、公認を取得するために作られたのは2500台限定(国内向けは2100台)の「GT-FOUR WRC仕様車」というやつなのだが、まあ細かい部分は気にしないでいただけると幸いだ。
搭載エンジンは「3S-GTE」という直列4気筒の2Lターボ。ターボチャージャーの性能向上と給排気系の改良により、先代のGT-FOUR(ST185)と比べて30ps増の最高出力255psを発生するとともに、広い回転バンドで高トルクを発生する特性になっている。
そしてGT-FOUR専用となるエンジンフードはアルミ製で、ノーマル比で約8kgの軽量化に成功。ボンネット中央の大型バルジには斜格子のメッシュを入れることでスポーティなイメージを強調している。その向かって左側にある小さな穴「エアインレットダクト」は、過酷な使用条件下でのタイミングベルトの冷却性能を確保するためのものだ。
▲写真ではややわかりにくいが、FFノンターボの同世代セリカとは大きく異なる「波打った形状のボンネット」が美しいGT-FOUR。タイミングベルトを冷却するための小さな穴にもそそられる
フロントサスペンションには、旋回時にも最適にグリップさせるという「スーパーストラットサスペンション」が標準で装備され、その他ブレーキやホイールもGT-FOURの専用品となるというのが、このモデルのざっくりとした特徴である。
しかしこのST205、実際のWRCではさほど活躍できなかった。
先代にあたるST185はWRCで勝ちまくったのだが、それよりひと回り大きく・重くなったST205のワークスラリーカーはセッティングの面で少々苦しんだ。そしてチームは前述したスーパーストラットサスペンションのセッティングにも苦労したようで、WRCでの勝利は結局のところ1995年のツール・ド・コルスのみ。
その後はリストリクター(吸気量を制限する装置)に規定違反があることが発覚してしまい、その年の全ポイント剥奪とWRCへの1年間の出場停止処分を食らってしまったのが、このST205という車のワークスラリーカーだったのだ。
それゆえ、ある意味「黒歴史」を背負っているとも言えるST205なのだが、そんなのはラリー関係者やトヨタ自動車の社員が感じればいいことで、我々ユーザーには何の関係もないことである。
筆者のような部外者の記憶にあるのは、確かに勝てなかったかもしれないが、カストロールのカラーリングをまとって豪快にドリフトを決め、美しいジャンプで水たまりを派手に飛び越えていた、ST205型セリカGT-FOURのカッコいい勇姿だけだ。
バカボンパパじゃないが、それでいいのだ。
大切に扱ってきたであろう歴代オーナーの「愛」を感じる
前説が若干長くなってしまい恐縮だが、いよいよ試乗である。
ご対面したブツは、97年式で走行9.6万kmのトヨタ セリカGT-FOUR。車高が若干落とされているが、それ以外はほぼほぼノーマル状態で、車両価格は129.8万円。カーセンサーnetによれば支払総額は146.4万円とのこと。……不肖筆者でも十分買える金額である。
経年によりボディカラーの白さは若干くすんでおり、純正レザーステアリングの一部にもハゲが確認できる。
が、不思議と嫌な感じはしない。
このあたりの直感は若干オカルトなのだが(ただし実際は決してオカルトではなく、何千もの過去事例インプットを筆者の脳が演算処理したうえで、「直感」として表出させたものである)、この個体からは「決して潤沢なカネがあるわけではないが、このGT-FOURを愛し、割と大切に扱ってきた歴代オーナーの姿」が透けて見えてくる。
▲22年の歴史を感じることができる車内だが、いかにも手荒く扱われてきた結果としての「嫌なヤレ方」はしていない
▲最高出力255psを発生する「3S-GTE」2L直4ターボエンジン。とりあず調子は良さそうな気配
一発できれいに始動するエンジンを少々暖めたのち、公道に繰り出してみると、直感は「確信」に変わった。
悪くない。というかむしろ、けっこういい。
最高出力も最大トルクも比較的高い回転域で発生するタイプのエンジンで、なおかつ車両重量1390kgとまあまあ重い車であるため、出足は正直ややかったるい(2019年の基準で見れば、かもしれないが)。
だが3000rpmあたりからターボのブーストがかかり始めると、「鬼」とまでは言わないが「なかなか」の猛加速を5000rpmか6000rpm付近まで堪能することができる。
そこからのブレーキングも、ブレーキのタッチが大変よろしいため安心感がある。十分あるいは十分以上のストッピングパワーがあるのだが、カック~ンと利くわけではなく、いわゆるリニアに減速および停止できるため、駆け抜ける歓びならぬ「減速させる歓び」が感じられるのだ。
峠道をぶっ飛ばしたわけではないが、一般道を普通に走る限りにおいてはコーナリングも非常に素直なニュアンス。20年落ち以上の中古車で時おり発生する「ドアンダーステア」や「パワステポンプやステアリングラックからの異音あるいは嫌な感触」みたいなものもない。
もちろん、車両価格100万円台前半の古い中古車ゆえ「すべてが完璧!」なんてことはないが、少なくとも「好感が持てる22年落ち中古車」であることは間違いなかった。
▲速いは速いのだが、「ボディサイズも含めてすべてが程よい範囲内である」という部分にご満悦な模様
中高年にはぜひ勧めたい「甘酸っぱい選択肢」
短時間ではあるが試乗を終えての結論は、「ST205とは可憐な車である!」ということだった。
1994年、元号で言うところの平成6年にこの車がデビューしたときには「……GT-FOURもデブになったなあ」という旨の感慨をいだいた。そして同時に、若手編集者としてST205の広報車(メディアなどにメーカーが貸し出す車両)を初めて運転した際には、2Lターボエンジンがもたらす猛烈な加速に少々驚いた記憶もある。
そして「デブ」になったST205型セリカGT-FOURは実際、WRCの現場ではそのサイズと重量ゆえに苦戦した。
だが、そんなすべてはもはや昔話だ。
当時はデブだと感じた全長4420mm×全幅1750mm×全高1305mmというスリーサイズは、2019年の感覚で言うと「やや小ぶり」であり、実際試乗中の筆者は「うひょ~、小さくてかわいい車だな~」みたいなことばかり言っていた。
とはいえ、最小回転半径が5.6mとデカいため小回りはぜんぜん利かないのだが、まあそれはそれそれとして、今となっては「可憐なサイズの扱いやすい車」である。
そして加速も可憐だ。
もちろん、今現在の基準でも十分「速い!」と感じられる車ではある。だがそれは目が追いつかないほどバカっ速いわけではなく、素人である筆者にもある程度コントロールできそうな範囲内での「速さ」でしかないのだ(※もちろん「完全にコントールできる」などとは思っていない)。
それはつまり「踏める」ということであり、同時に「だから気持ちいい!」ということでもある。
それに加えてやはりWRC由来ならではの「伝説感」みたいな部分も、個人的にはデカかった。
「ブラウン管(……当時のテレビはブラウン管だったんですよ)の向こう側にいたあのGT-FOURをオレは今、運転しているのだ……!」と思うと、ついつい胸が熱くなる。涙も出てくる。
そしてこの、経年ゆえに内装等のあちこちが少々傷んでいるレジェンダリーな個体をコツコツと、自分の手で元通りに直してあげたくなってくるのだ。普段は車いじりなどほとんどしない筆者が、である。
問題は「直すにしても、年式的にもはや純正パーツが手に入りにくい」ということだが、このあたりはネットオークションなどをフル活用すれば、大変ではあるが、ギリギリなんとかなるはず。
お若い人がどう感じるかは今ひとつ不明だが、筆者と近い世代、すなわち中高年各位にはぜひオススメしたい、甘酸っぱい気分になれるステキな4WDターボであった。


文/伊達軍曹、写真/稲葉 真
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
【関連リンク】
WRCを沸かせたセリカGT-FOUR。22年落ちの中古車はとにかく「可憐」だった!【伊達軍曹の中古車試乗千本ノック】/特選車
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<h3>WRC日本ラウンド復活を機に、当時のラリーカーが気になり始めた</h3>
<p>2010年以来ごぶさたとなっていた世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンドが来年11月、10年ぶりに復活する。「これはめでたい!」ということで盛り上がっているラリー好きおよびラリーカー好き各位は多いかと思うが、かく言う筆者もそのひとりである。<br />
<br />
そしてWRCが久々に日本へやってくるというと、自動的に思い出されるのが「往年のWRCを沸かせたジャパニーズラリーカー各位」のことだ。<br />
<br />
トヨタ セリカGT-FOURを駆るカルロス・サインツが王者ランチアの牙城を切り崩し、初のドライバーズチャンピオンに輝いたのが1990年。<br />
<br />
以降、1993年と1994年はセリカGT-FOURのトヨタがマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、翌シーズンからはスバル インプレッサと三菱 ランサーエボリューションが王座をかけてしのぎを削る数年間が続いた。<br />
<br />
で、WRCの舞台で日本車のチームが盛り上がるということは、ラリーカーのベースとなる「市販バージョン」の市場が盛り上がるということでもあった。<br />
<br />
前述のトヨタ セリカGT-FOURやスバル インプレッサWRX、三菱ランサーエボリューションの各世代に、多くの車好き各位は憧れた。かく言う筆者も、そのひとりだった。<br />
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だが当時はカネがなく、新車のそれは買うことができなかった。<br />
<br />
しかし、今ならば……と思う。<br />
<br />
遺憾ながら相変わらずカネはないが、めでたく「中古車」となった元ラリーカー(の市販バージョン)であれば、実は今日か明日にでも買えちゃうのではないか? 夢がかなっちゃうのではないか?<br />
<br />
そのことに気づいた筆者はカーセンサー編集部の協力のもと、埼玉県三郷市の販売店に連絡をとった。1990年代中盤のWRCを沸かせた<b>ST205こと6代目トヨタ セリカGT-FOUR</b>の中古車に試乗し、その「今」を知るためである。<br />
<br />
だがしかし……ST205がシーンを沸かせたのはすでに20年以上も前のこと。今となっては、あらためて試乗したところで幻滅するだけなのではないか? 夢は夢として、心の中だけに残しておいた方が幸せなのでは?<br />
<br />
……そんな複雑な思いも抱えつつ、とりあえず取材班は埼玉県三郷市を目指した。<br />
<br /></p>
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<h3>ST205はトヨタの黒歴史なのか?</h3>
<p>三郷市の「ガレージR」にて対面したトヨタ セリカGT-FOURのST205について、まずはその「車種自体」に関してごく簡単に説明しておこう。GT-FOURについて詳しい人は、このパートは読み飛ばしちゃってください。<br />
<br />
ST205は、T200型と呼ばれる6代目トヨタ セリカがWRCに参戦するうえでの公認取得のために作られた4WDターボ版。より正確に言うなら、公認を取得するために作られたのは2500台限定(国内向けは2100台)の「GT-FOUR WRC仕様車」というやつなのだが、まあ細かい部分は気にしないでいただけると幸いだ。<br />
<br />
搭載エンジンは「3S-GTE」という直列4気筒の2Lターボ。ターボチャージャーの性能向上と給排気系の改良により、先代のGT-FOUR(ST185)と比べて30ps増の最高出力255psを発生するとともに、広い回転バンドで高トルクを発生する特性になっている。<br />
<br />
そしてGT-FOUR専用となるエンジンフードはアルミ製で、ノーマル比で約8kgの軽量化に成功。ボンネット中央の大型バルジには斜格子のメッシュを入れることでスポーティなイメージを強調している。その向かって左側にある小さな穴「エアインレットダクト」は、過酷な使用条件下でのタイミングベルトの冷却性能を確保するためのものだ。<br />
<br /></p>
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<p>フロントサスペンションには、旋回時にも最適にグリップさせるという「スーパーストラットサスペンション」が標準で装備され、その他ブレーキやホイールもGT-FOURの専用品となるというのが、このモデルのざっくりとした特徴である。<br />
<br />
しかしこのST205、実際のWRCではさほど活躍できなかった。<br />
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先代にあたるST185はWRCで勝ちまくったのだが、それよりひと回り大きく・重くなったST205のワークスラリーカーはセッティングの面で少々苦しんだ。そしてチームは前述したスーパーストラットサスペンションのセッティングにも苦労したようで、WRCでの勝利は結局のところ1995年のツール・ド・コルスのみ。<br />
<br />
その後はリストリクター(吸気量を制限する装置)に規定違反があることが発覚してしまい、その年の全ポイント剥奪とWRCへの1年間の出場停止処分を食らってしまったのが、このST205という車のワークスラリーカーだったのだ。<br />
<br />
それゆえ、ある意味「黒歴史」を背負っているとも言えるST205なのだが、そんなのはラリー関係者やトヨタ自動車の社員が感じればいいことで、我々ユーザーには何の関係もないことである。<br />
<br />
筆者のような部外者の記憶にあるのは、確かに勝てなかったかもしれないが、カストロールのカラーリングをまとって豪快にドリフトを決め、美しいジャンプで水たまりを派手に飛び越えていた、ST205型セリカGT-FOURのカッコいい勇姿だけだ。<br />
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バカボンパパじゃないが、それでいいのだ。<br />
<br /></p>
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<li><a href="https://www.carsensor.net/catalog/toyota/celica/F002/" target="_blank">トヨタ セリカ(1993年10月~1999年8月生産モデル)のカタログを見てみる</a></li>
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<h3>大切に扱ってきたであろう歴代オーナーの「愛」を感じる</h3>
<p>前説が若干長くなってしまい恐縮だが、いよいよ試乗である。<br />
<br />
ご対面したブツは、97年式で走行9.6万kmのトヨタ セリカGT-FOUR。車高が若干落とされているが、それ以外はほぼほぼノーマル状態で、車両価格は129.8万円。カーセンサーnetによれば支払総額は146.4万円とのこと。……不肖筆者でも十分買える金額である。<br />
<br />
経年によりボディカラーの白さは若干くすんでおり、純正レザーステアリングの一部にもハゲが確認できる。<br />
<br />
が、不思議と嫌な感じはしない。<br />
<br />
このあたりの直感は若干オカルトなのだが(ただし実際は決してオカルトではなく、何千もの過去事例インプットを筆者の脳が演算処理したうえで、「直感」として表出させたものである)、この個体からは<b>「決して潤沢なカネがあるわけではないが、このGT-FOURを愛し、割と大切に扱ってきた歴代オーナーの姿」</b>が透けて見えてくる。<br />
<br /></p>
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<p>一発できれいに始動するエンジンを少々暖めたのち、公道に繰り出してみると、直感は「確信」に変わった。<br />
<br />
悪くない。というかむしろ、けっこういい。<br />
<br />
最高出力も最大トルクも比較的高い回転域で発生するタイプのエンジンで、なおかつ車両重量1390kgとまあまあ重い車であるため、出足は正直ややかったるい(2019年の基準で見れば、かもしれないが)。<br />
<br />
だが3000rpmあたりからターボのブーストがかかり始めると、「鬼」とまでは言わないが「なかなか」の猛加速を5000rpmか6000rpm付近まで堪能することができる。<br />
<br />
そこからのブレーキングも、ブレーキのタッチが大変よろしいため安心感がある。十分あるいは十分以上のストッピングパワーがあるのだが、カック~ンと利くわけではなく、いわゆるリニアに減速および停止できるため、駆け抜ける歓びならぬ<b>「減速させる歓び」</b>が感じられるのだ。<br />
<br />
峠道をぶっ飛ばしたわけではないが、一般道を普通に走る限りにおいてはコーナリングも非常に素直なニュアンス。20年落ち以上の中古車で時おり発生する「ドアンダーステア」や「パワステポンプやステアリングラックからの異音あるいは嫌な感触」みたいなものもない。<br />
<br />
もちろん、車両価格100万円台前半の古い中古車ゆえ「すべてが完璧!」なんてことはないが、少なくとも<b>「好感が持てる22年落ち中古車」</b>であることは間違いなかった。<br />
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<div class="taC w600_img mB10"><img alt="▲トヨタ セリカ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64482/1113_010.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲速いは速いのだが、「ボディサイズも含めてすべてが程よい範囲内である」という部分にご満悦な模様</span></div>
<h3>中高年にはぜひ勧めたい「甘酸っぱい選択肢」</h3>
<p>短時間ではあるが試乗を終えての結論は、<b>「ST205とは可憐な車である!」</b>ということだった。<br />
<br />
1994年、元号で言うところの平成6年にこの車がデビューしたときには「……GT-FOURもデブになったなあ」という旨の感慨をいだいた。そして同時に、若手編集者としてST205の広報車(メディアなどにメーカーが貸し出す車両)を初めて運転した際には、2Lターボエンジンがもたらす猛烈な加速に少々驚いた記憶もある。<br />
<br />
そして「デブ」になったST205型セリカGT-FOURは実際、WRCの現場ではそのサイズと重量ゆえに苦戦した。<br />
<br />
だが、そんなすべてはもはや昔話だ。<br />
<br />
当時はデブだと感じた全長4420mm×全幅1750mm×全高1305mmというスリーサイズは、2019年の感覚で言うと「やや小ぶり」であり、実際試乗中の筆者は「うひょ~、小さくてかわいい車だな~」みたいなことばかり言っていた。<br />
<br />
とはいえ、最小回転半径が5.6mとデカいため小回りはぜんぜん利かないのだが、まあそれはそれそれとして、今となっては「可憐なサイズの扱いやすい車」である。<br />
<br />
そして加速も可憐だ。<br />
<br />
もちろん、今現在の基準でも十分「速い!」と感じられる車ではある。だがそれは目が追いつかないほどバカっ速いわけではなく、素人である筆者にもある程度コントロールできそうな範囲内での「速さ」でしかないのだ(※もちろん「完全にコントールできる」などとは思っていない)。<br />
<br />
それはつまり「踏める」ということであり、同時に「だから気持ちいい!」ということでもある。<br />
<br />
それに加えてやはりWRC由来ならではの「伝説感」みたいな部分も、個人的にはデカかった。<br />
<br />
「ブラウン管(……当時のテレビはブラウン管だったんですよ)の向こう側にいたあのGT-FOURをオレは今、運転しているのだ……!」と思うと、ついつい胸が熱くなる。涙も出てくる。<br />
<br />
そしてこの、経年ゆえに内装等のあちこちが少々傷んでいるレジェンダリーな個体をコツコツと、自分の手で元通りに直してあげたくなってくるのだ。普段は車いじりなどほとんどしない筆者が、である。<br />
<br />
問題は「直すにしても、年式的にもはや純正パーツが手に入りにくい」ということだが、このあたりはネットオークションなどをフル活用すれば、大変ではあるが、ギリギリなんとかなるはず。<br />
<br />
お若い人がどう感じるかは今ひとつ不明だが、筆者と近い世代、すなわち中高年各位にはぜひオススメしたい、甘酸っぱい気分になれるステキな4WDターボであった。<br />
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<div class="taC w600_img mB10"><img alt="Photo:稲葉 真" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64482/1113_027.jpg" width="600" /></div>
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<div class="author2019">文/伊達軍曹、写真/稲葉 真</div>
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<div class="konokiji_box_right">
<p class="katagaki">自動車ライター</p>
<p class="writername">伊達軍曹</p>
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<div class="konokiji_box_text">
<p>外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。</p>
</div>
<div class="kijiyomu">
<p><a class="iconLink arrowRight" href="https://www.carsensor.net/contents/tag/tag_2923/">この人の記事を読む</a></p>
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<h3 class="link_tit">【関連リンク】</h3>
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<li><a href="https://www.carsensor.net/shop/saitama/053102003/?BKKN=VU2492518983" target="_blank">取材にご協力いただいた販売店「ガレージR 三郷店」のページはこちら(※試乗車は売却済みの可能性もあります)</a></li>
<li><a href="https://www.carsensor.net/usedcar/search.php?STID=CS210610&CARC=TO_S091&GRDKC=TO_S091_F002_K019*TO_S091_F002_K004&fed=contnikkancs_20191120_kc20191120001yk" target="_blank">全国のトヨタ セリカ GT-FOUR(1993年10月~1999年8月生産モデル)の中古車を見てみる</a></li>
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[title] => WRCを沸かせたセリカGT-FOUR。22年落ちの中古車はとにかく「可憐」だった!【伊達軍曹の中古車試乗千本ノック】
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<div class="taC w600_img"><img alt="▲トヨタ セリカ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64482/1113_056.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲新車の試乗記事はたくさんありますが、「あの懐かしの車は今乗るとどんな感じなのか?」というのも気になるところ。ということで、「中古車評論家」の伊達軍曹が97年式トヨタ セリカGT-FOURに試乗してみました!</span></div>
<h3>WRC日本ラウンド復活を機に、当時のラリーカーが気になり始めた</h3>
<p>2010年以来ごぶさたとなっていた世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンドが来年11月、10年ぶりに復活する。「これはめでたい!」ということで盛り上がっているラリー好きおよびラリーカー好き各位は多いかと思うが、かく言う筆者もそのひとりである。<br />
<br />
そしてWRCが久々に日本へやってくるというと、自動的に思い出されるのが「往年のWRCを沸かせたジャパニーズラリーカー各位」のことだ。<br />
<br />
トヨタ セリカGT-FOURを駆るカルロス・サインツが王者ランチアの牙城を切り崩し、初のドライバーズチャンピオンに輝いたのが1990年。<br />
<br />
以降、1993年と1994年はセリカGT-FOURのトヨタがマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、翌シーズンからはスバル インプレッサと三菱 ランサーエボリューションが王座をかけてしのぎを削る数年間が続いた。<br />
<br />
で、WRCの舞台で日本車のチームが盛り上がるということは、ラリーカーのベースとなる「市販バージョン」の市場が盛り上がるということでもあった。<br />
<br />
前述のトヨタ セリカGT-FOURやスバル インプレッサWRX、三菱ランサーエボリューションの各世代に、多くの車好き各位は憧れた。かく言う筆者も、そのひとりだった。<br />
<br />
だが当時はカネがなく、新車のそれは買うことができなかった。<br />
<br />
しかし、今ならば……と思う。<br />
<br />
遺憾ながら相変わらずカネはないが、めでたく「中古車」となった元ラリーカー(の市販バージョン)であれば、実は今日か明日にでも買えちゃうのではないか? 夢がかなっちゃうのではないか?<br />
<br />
そのことに気づいた筆者はカーセンサー編集部の協力のもと、埼玉県三郷市の販売店に連絡をとった。1990年代中盤のWRCを沸かせた<b>ST205こと6代目トヨタ セリカGT-FOUR</b>の中古車に試乗し、その「今」を知るためである。<br />
<br />
だがしかし……ST205がシーンを沸かせたのはすでに20年以上も前のこと。今となっては、あらためて試乗したところで幻滅するだけなのではないか? 夢は夢として、心の中だけに残しておいた方が幸せなのでは?<br />
<br />
……そんな複雑な思いも抱えつつ、とりあえず取材班は埼玉県三郷市を目指した。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="▲トヨタ セリカ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64482/1113_025.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲こちらが今回の試乗車両。……ううむ、懐かしい!</span></div>
<h3>ST205はトヨタの黒歴史なのか?</h3>
<p>三郷市の「ガレージR」にて対面したトヨタ セリカGT-FOURのST205について、まずはその「車種自体」に関してごく簡単に説明しておこう。GT-FOURについて詳しい人は、このパートは読み飛ばしちゃってください。<br />
<br />
ST205は、T200型と呼ばれる6代目トヨタ セリカがWRCに参戦するうえでの公認取得のために作られた4WDターボ版。より正確に言うなら、公認を取得するために作られたのは2500台限定(国内向けは2100台)の「GT-FOUR WRC仕様車」というやつなのだが、まあ細かい部分は気にしないでいただけると幸いだ。<br />
<br />
搭載エンジンは「3S-GTE」という直列4気筒の2Lターボ。ターボチャージャーの性能向上と給排気系の改良により、先代のGT-FOUR(ST185)と比べて30ps増の最高出力255psを発生するとともに、広い回転バンドで高トルクを発生する特性になっている。<br />
<br />
そしてGT-FOUR専用となるエンジンフードはアルミ製で、ノーマル比で約8kgの軽量化に成功。ボンネット中央の大型バルジには斜格子のメッシュを入れることでスポーティなイメージを強調している。その向かって左側にある小さな穴「エアインレットダクト」は、過酷な使用条件下でのタイミングベルトの冷却性能を確保するためのものだ。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="▲トヨタ セリカ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64482/1113_030.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲写真ではややわかりにくいが、FFノンターボの同世代セリカとは大きく異なる「波打った形状のボンネット」が美しいGT-FOUR。タイミングベルトを冷却するための小さな穴にもそそられる</span></div>
<p>フロントサスペンションには、旋回時にも最適にグリップさせるという「スーパーストラットサスペンション」が標準で装備され、その他ブレーキやホイールもGT-FOURの専用品となるというのが、このモデルのざっくりとした特徴である。<br />
<br />
しかしこのST205、実際のWRCではさほど活躍できなかった。<br />
<br />
先代にあたるST185はWRCで勝ちまくったのだが、それよりひと回り大きく・重くなったST205のワークスラリーカーはセッティングの面で少々苦しんだ。そしてチームは前述したスーパーストラットサスペンションのセッティングにも苦労したようで、WRCでの勝利は結局のところ1995年のツール・ド・コルスのみ。<br />
<br />
その後はリストリクター(吸気量を制限する装置)に規定違反があることが発覚してしまい、その年の全ポイント剥奪とWRCへの1年間の出場停止処分を食らってしまったのが、このST205という車のワークスラリーカーだったのだ。<br />
<br />
それゆえ、ある意味「黒歴史」を背負っているとも言えるST205なのだが、そんなのはラリー関係者やトヨタ自動車の社員が感じればいいことで、我々ユーザーには何の関係もないことである。<br />
<br />
筆者のような部外者の記憶にあるのは、確かに勝てなかったかもしれないが、カストロールのカラーリングをまとって豪快にドリフトを決め、美しいジャンプで水たまりを派手に飛び越えていた、ST205型セリカGT-FOURのカッコいい勇姿だけだ。<br />
<br />
バカボンパパじゃないが、それでいいのだ。<br />
<br /></p>
<ul class="Base_Templete_Link3">
<li><a href="https://www.carsensor.net/catalog/toyota/celica/F002/" target="_blank">トヨタ セリカ(1993年10月~1999年8月生産モデル)のカタログを見てみる</a></li>
</ul>
<h3>大切に扱ってきたであろう歴代オーナーの「愛」を感じる</h3>
<p>前説が若干長くなってしまい恐縮だが、いよいよ試乗である。<br />
<br />
ご対面したブツは、97年式で走行9.6万kmのトヨタ セリカGT-FOUR。車高が若干落とされているが、それ以外はほぼほぼノーマル状態で、車両価格は129.8万円。カーセンサーnetによれば支払総額は146.4万円とのこと。……不肖筆者でも十分買える金額である。<br />
<br />
経年によりボディカラーの白さは若干くすんでおり、純正レザーステアリングの一部にもハゲが確認できる。<br />
<br />
が、不思議と嫌な感じはしない。<br />
<br />
このあたりの直感は若干オカルトなのだが(ただし実際は決してオカルトではなく、何千もの過去事例インプットを筆者の脳が演算処理したうえで、「直感」として表出させたものである)、この個体からは<b>「決して潤沢なカネがあるわけではないが、このGT-FOURを愛し、割と大切に扱ってきた歴代オーナーの姿」</b>が透けて見えてくる。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="▲トヨタ セリカ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64482/1113_040.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲22年の歴史を感じることができる車内だが、いかにも手荒く扱われてきた結果としての「嫌なヤレ方」はしていない</span></div>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="▲トヨタ セリカ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64482/1113_035.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲最高出力255psを発生する「3S-GTE」2L直4ターボエンジン。とりあず調子は良さそうな気配</span></div>
<p>一発できれいに始動するエンジンを少々暖めたのち、公道に繰り出してみると、直感は「確信」に変わった。<br />
<br />
悪くない。というかむしろ、けっこういい。<br />
<br />
最高出力も最大トルクも比較的高い回転域で発生するタイプのエンジンで、なおかつ車両重量1390kgとまあまあ重い車であるため、出足は正直ややかったるい(2019年の基準で見れば、かもしれないが)。<br />
<br />
だが3000rpmあたりからターボのブーストがかかり始めると、「鬼」とまでは言わないが「なかなか」の猛加速を5000rpmか6000rpm付近まで堪能することができる。<br />
<br />
そこからのブレーキングも、ブレーキのタッチが大変よろしいため安心感がある。十分あるいは十分以上のストッピングパワーがあるのだが、カック~ンと利くわけではなく、いわゆるリニアに減速および停止できるため、駆け抜ける歓びならぬ<b>「減速させる歓び」</b>が感じられるのだ。<br />
<br />
峠道をぶっ飛ばしたわけではないが、一般道を普通に走る限りにおいてはコーナリングも非常に素直なニュアンス。20年落ち以上の中古車で時おり発生する「ドアンダーステア」や「パワステポンプやステアリングラックからの異音あるいは嫌な感触」みたいなものもない。<br />
<br />
もちろん、車両価格100万円台前半の古い中古車ゆえ「すべてが完璧!」なんてことはないが、少なくとも<b>「好感が持てる22年落ち中古車」</b>であることは間違いなかった。<br />
</p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="▲トヨタ セリカ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64482/1113_010.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲速いは速いのだが、「ボディサイズも含めてすべてが程よい範囲内である」という部分にご満悦な模様</span></div>
<h3>中高年にはぜひ勧めたい「甘酸っぱい選択肢」</h3>
<p>短時間ではあるが試乗を終えての結論は、<b>「ST205とは可憐な車である!」</b>ということだった。<br />
<br />
1994年、元号で言うところの平成6年にこの車がデビューしたときには「……GT-FOURもデブになったなあ」という旨の感慨をいだいた。そして同時に、若手編集者としてST205の広報車(メディアなどにメーカーが貸し出す車両)を初めて運転した際には、2Lターボエンジンがもたらす猛烈な加速に少々驚いた記憶もある。<br />
<br />
そして「デブ」になったST205型セリカGT-FOURは実際、WRCの現場ではそのサイズと重量ゆえに苦戦した。<br />
<br />
だが、そんなすべてはもはや昔話だ。<br />
<br />
当時はデブだと感じた全長4420mm×全幅1750mm×全高1305mmというスリーサイズは、2019年の感覚で言うと「やや小ぶり」であり、実際試乗中の筆者は「うひょ~、小さくてかわいい車だな~」みたいなことばかり言っていた。<br />
<br />
とはいえ、最小回転半径が5.6mとデカいため小回りはぜんぜん利かないのだが、まあそれはそれそれとして、今となっては「可憐なサイズの扱いやすい車」である。<br />
<br />
そして加速も可憐だ。<br />
<br />
もちろん、今現在の基準でも十分「速い!」と感じられる車ではある。だがそれは目が追いつかないほどバカっ速いわけではなく、素人である筆者にもある程度コントロールできそうな範囲内での「速さ」でしかないのだ(※もちろん「完全にコントールできる」などとは思っていない)。<br />
<br />
それはつまり「踏める」ということであり、同時に「だから気持ちいい!」ということでもある。<br />
<br />
それに加えてやはりWRC由来ならではの「伝説感」みたいな部分も、個人的にはデカかった。<br />
<br />
「ブラウン管(……当時のテレビはブラウン管だったんですよ)の向こう側にいたあのGT-FOURをオレは今、運転しているのだ……!」と思うと、ついつい胸が熱くなる。涙も出てくる。<br />
<br />
そしてこの、経年ゆえに内装等のあちこちが少々傷んでいるレジェンダリーな個体をコツコツと、自分の手で元通りに直してあげたくなってくるのだ。普段は車いじりなどほとんどしない筆者が、である。<br />
<br />
問題は「直すにしても、年式的にもはや純正パーツが手に入りにくい」ということだが、このあたりはネットオークションなどをフル活用すれば、大変ではあるが、ギリギリなんとかなるはず。<br />
<br />
お若い人がどう感じるかは今ひとつ不明だが、筆者と近い世代、すなわち中高年各位にはぜひオススメしたい、甘酸っぱい気分になれるステキな4WDターボであった。<br />
</p>
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<div class="author2019">文/伊達軍曹、写真/稲葉 真</div>
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<p class="katagaki">自動車ライター</p>
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<p>外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。</p>
</div>
<div class="kijiyomu">
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</div>
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<!--ライター紹介パーツ終了-->
<h3 class="link_tit">【関連リンク】</h3>
<ul class="Base_Templete_Link3">
<li><a href="https://www.carsensor.net/shop/saitama/053102003/?BKKN=VU2492518983" target="_blank">取材にご協力いただいた販売店「ガレージR 三郷店」のページはこちら(※試乗車は売却済みの可能性もあります)</a></li>
<li><a href="https://www.carsensor.net/usedcar/search.php?STID=CS210610&CARC=TO_S091&GRDKC=TO_S091_F002_K019*TO_S091_F002_K004&fed=contnikkancs_20191120_kc20191120001yk" target="_blank">全国のトヨタ セリカ GT-FOUR(1993年10月~1999年8月生産モデル)の中古車を見てみる</a></li>
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[title] => 「ただのコンパクトカー?」と侮ることなかれ! ダイハツ ブーンX4は、日常に溶け込むラリーカーだ
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[description] => ダイハツ ブーンと言えば普通車登録のリッターカーとして、軽自動車だと不安だけれどあまり大きい車も運転が心配……。というユーザーや、その車両価格の安さから営業車としても重宝されているベーシックカーです。
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<div class="taC w600_img"><img alt="ダイハツ ブーン" data-credit="ダイハツ" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64498/boonx4_02.jpg" width="600" /> <span class="CP_txt">▲今回紹介するのは、一見普通のコンパクトカーに見えるダイハツ ブーンX4</span></div>
<h3>見た目は営業車? 実はカリカリのコンペティションマシンのブーンX4</h3>
<p><b>ダイハツ ブーン</b>といえば普通車登録のリッターカーとして、軽自動車だと不安だけれどあまり大きい車も運転が心配……というユーザーや、その車両価格の安さから営業車としても重宝されているベーシックカーです。<br />
<br />
そんなブーンはトヨタからはパッソという名前でも販売されており、1日に1台以上は必ず見ると言っても過言ではない、日常に溶け込んだ車です。(日ごろそこまで意識して見ることはないかもしれませんが……)<br />
<br />
今回スポットライトを当てるのは、そんなブーンの初代モデル。<br />
<br />
2004年にデビューした初代ブーンは、3気筒の1Lエンジンと、4気筒の1.3Lが用意され、組み合わされるミッションはどちらも4速ATと非常にシンプルなラインナップで、マニアックな要素は皆無と言えるでしょう。<br />
<br />
しかし、2006年3月に追加された<b>「X4(クロスフォー)」</b>というグレードだけは、そんなブーンの中で異彩を放つモデルだったのです。<br />
<br />
見た目はブーンのスポーティグレード「カスタム」と同様のバンパーを装備している程度ですが、ボンネットに大きく開けられたエアダクトが異彩を放っていることが分かりますね。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="ダイハツ ブーン" data-credit="ダイハツ" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64498/boonx4_07.jpg" width="600" /></div>
<p><br />実は、X4はモータースポーツ(特にラリーやダートトライアルなど)に参戦するユーザーをターゲットにした競技ベース車であり、いわば同時期に存在していたランサーエボリューションやインプレッサWRX STIと同じような存在。<br />
<br />
搭載されるエンジンは、<b>ベース車よりも排気量の小さい936ccの4気筒16バルブターボエンジン</b>なのですが、この排気量も理由があります。<br />
<br />
JAF公認競技に出場する際のクラス分けは排気量で行われ、ターボが付いている車両は当然出力的に有利のため、排気量に1.7をかけた数字を排気量と換算するルールがあるのです。<br />
<br />
そしてブーンX4が狙うクラスは1.6L未満のクラスであり、936ccに1.7をかけると1591cc相当と、ギリギリクラス内に入るという計算。つまり、逆算してはじき出された排気量というわけなのです。<br />
<br />
ちなみにこのブーンX4に搭載されるKJ-VET型エンジンのベースとなったのは、同社のYRVに搭載されていたK3-VET型と呼ばれる1.3Lターボエンジンなので、わざわざ排気量をダウンさせているということになりますが、それでも最高出力は133ps/13.5kgf・mと1L以下のエンジンとは思えない高出力となっています。<br />
<br />
さらに競技での使用が前提なので、<b>インタークーラーウオータースプレー</b>まで標準装備というから驚きですね。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img"><img alt="ダイハツ ブーン" data-credit="ダイハツ" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64498/boonx4_04.jpg" width="600" /> <span class="CP_txt">▲モータースポーツでの使用を前提に搭載されている、インタークーラー付きのターボエンジン</span></div>
<div class="taC w600_img"><img alt="ダイハツ ブーン" data-credit="ダイハツ" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64498/boonx4_05.jpg" width="600" /> <span class="CP_txt">▲インタークーラーに水をスプレーして吸気温度を冷やしパワーアップを図る「ウオータースプレー」も搭載!</span></div>
<div class="taC w600_img"><img alt="ダイハツ ブーン" data-credit="ダイハツ" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64498/boonx4_03.jpg" width="600" /> <span class="CP_txt">▲通常のブーンには存在しない5速MTだけがX4であることを物語る</span></div>
<p><br />また、ラリーやダートトライアルがターゲットということで、駆動方式は当然ビスカス式のフルタイム4WD。<br />
<br />
さらに、フロントには純正で機械式LSDが組み込まれています。そして、組み合わされる5速ミッションも純正状態ですでにクロスミッション化がされており、100km/h巡行で4500回転ほどというローギアード化までされているのです。<br />
<br />
一方、競技に出るときには替えられてしまうことがほとんどのシートや足回り、ブレーキなどはベース車と同等か若干強化された程度のものしか備わっていないという割り切りっぷり。<br />
<br />
つまり、購入してから変更することが大変なエンジンやミッション、駆動系には最初からスペシャルなものを組み込みながら、交換前提の部分にはお金をかけないという車両に仕上がっているというわけなのです!<br />
<br /></p>
<h3>見た目は営業車? 実はカリカリのコンペティションマシンのブーンX4</h3>
<p>なお、ブーンX4にはベースグレードとハイグレードパックという2種類のグレードが用意されていましたが、ベースグレードではキーレスやプライバシーガラスはおろか、エアコンすら用意されないガチの競技ベースグレードのため、普段乗りで検討している人は注意が必要です。<br />
<br />
また、当然ながらモータースポーツで酷使された個体も存在しているので、長く乗りたいと考えている人はロールケージなどの競技用部品が付いている、もしくは付いていた形跡がないかもチェックしたいところ。<br />
<br />
そんなブーンX4は、ランエボやインプレッサのように台数が売れた車種ではないのでタマ数は少なめ。それでも執筆時点(2019年11月21日)で10台以上の在庫を見つけることができました。<br />
<br />
価格帯は総額100万円前後がボリュームゾーンとなっていますが、その内容は競技用のカスタマイズが施されたものからフルノーマルのものまで様々。<br />
<br />
そのため、価格だけで判断せずに、自分がどんな使い方をして、どんな仕様が欲しいのかをしっかり決めてから選ぶようにしましょう。<br />
<br /></p>
<div class="author2019">文/小鮒康一(フナタン)、写真/ダイハツ</div>
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<h4>▼検索条件</h4>
ダイハツ ブーン(初代)×X4×全国</div>
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<p class="katagaki">自動車ライター</p>
<p class="writername">小鮒康一(フナタン)</p>
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<div class="konokiji_box_text">
<p>スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。</p>
</div>
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[description] => 2020年の11月、世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンドが10年ぶりに復活する。そのニュースを聞いた瞬間から気になっていたのが1990年代の国産車、具体的には三菱ランサーエボリューションとスバル インプレッサWRX、そしてトヨタ セリカGT-FOURについてだった。
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<div class="taC w600_img"><img alt="三菱 ランサーエボリューション" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64484/1113_143.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲新車の試乗記事はたくさんありますが、「あの懐かしの車は今乗るとどんな感じなのか?」というのも気になるところ。ということで、「中古車評論家」の伊達軍曹がWRC日本ラウンド復活を記念して(?)懐かしの「ランエボIV」に試乗してみました。ちなみに写真上のポーズはピースサインではなく「2+2で4(IV)!」ということらしいです!</span></div>
<h3>WRCを彩った三強の一角、ランサーエボリューション</h3>
<p>2020年の11月、世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンドが10年ぶりに復活する。そのニュースを聞いた瞬間から気になっていたのが1990年代の国産車、具体的には三菱 ランサーエボリューションとスバル インプレッサWRX、そしてトヨタ セリカGT-FOURについてだった。<br />
<br />
1990年代初頭から半ば頃にかけては、この3車のグループAカー(市販車の形状を完全に残したうえで、規定で許される範囲内の改造を施した競技用車両)がWRCの超トップレベルで暴れまくった黄金期だった。<br />
<br />
だが、そういった黄金的グループAカーのベースとなった市販車の新車や中古車は当時、まだ青年と言える年齢だった筆者にとっては高額で、まったくもって手が出なかった。<br />
<br />
しかし、見事に中年となった今、さすがにほんの少々のカネなら持っている。そしてそれら「伝説の市販車」も見事に中古車となったことで、まあまあお安い相場になっている。<br />
<br />
……今なら買えるのではないだろうか? いや今こそ、自分はアレを買うべきなのではないか?<br />
<br />
そのような存念のもと過日、筆者は97年式トヨタ セリカGT-FOURの試乗を行い、「うむ、なかなか良いではないか!」との結論を出すに至った。<br />
<br /></p>
<ul class="Base_Templete_Link3">
<li><a href="https://www.carsensor.net/contents/market/category_1491/_64482.html" target="_blank">セリカGT-FOUR試乗の様子を見てみる</a></li>
</ul>
<p><br />ならば、お次は<b>「ランエボ」</b>である。<br />
<br />
ランエボこと<b>三菱 ランサーエボリューション。</b>三菱 ランサーという小ぶりなセダンに2Lターボの強力なエンジンとフルタイム4WD機構をぶち込んだ、WRCで勝つために生まれた一連のシリーズである。<br />
<br />
その初代は、4代目三菱 ランサーをベースとして92年に誕生。94年に登場した通称エボIIのワークスラリーカーは徐々にWRCの舞台で頭角を現し、1995年のスウェディッシュラリーでWRC初勝利を飾る。<br />
<br />
そして、1995年にはさらにEVOLUTION(進化)した通称ランエボIIIが登場し、そのワークスマシンはトミ・マキネン選手のドライブによって爆勝街道を進み、1996年シーズンのドライバーズチャンピオンとなる。<br />
<br />
そして、ベースとなる「普通のランサー」のフルモデルチェンジに伴って1996年8月に発売となったのが今回の試乗車、<b>三菱 ランサーエボリューションIV。</b>通称「ランエボIV」である。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="三菱 ランサーエボリューション" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64484/1113_108.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲こちらが今回の試乗車両である97年式三菱 ランサーエボリューションIV。……ううむ、カッコいい!</span></div>
<h3>今となってはなんとも小ぶり。そして乗り心地は意外と快適!</h3>
<p>試乗車両の「中古車としてのスペック」は下記のとおりだ。<br />
<br />
<b>●年式&車名:97年式三菱 ランサーエボリューションIV<br />
●車両本体価格:158万円<br />
●その他要件:検R03年9月/走行6.8万km/スティールシルバー/修復歴なし/記録簿付</b><br />
<br />
そして「車としてのスペック」は、おおむね下記のとおりだとまとめられよう。<br />
<br />
<b>●エンジン:2L直4DOHCターボ<br />
●馬力等:最高出力280ps/6500rpm 最大トルク36.0kg-m/3000rpm<br />
●寸法:全長4330mm x 全幅1690mm x 全高1415mm<br />
●車両重量:1350kg<br />
●特記事項:AYC(アクティブ・ヨー・コントロール )をGSRに採用<br />
●WRCでの戦績:1997年シーズンの初戦から1998年シーズン第4戦までの計18戦にワークスグループAカーが出場し、うち6戦で優勝。1997年シーズンはランエボIVに乗るトミ・マキネン選手がドライバーズチャンピオンに。</b><br />
<br />
輝かしい戦績であり、当時の自主規制値いっぱいであった<b>「280ps」</b>というワードにもグッとくるが、今となっては特筆すべきはスリーサイズだろう。<br />
<br />
「全長4330mm」というのは現行型ホンダ フリードプラスよりほんの少々長い程度であり、「全幅1690mm」に至っては、コンパクトカーである現行型ホンダ フィットより5mm狭い数値だ。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="三菱 ランサーエボリューション" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64484/1113_126.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲「エボIV」に搭載される2L直4ターボエンジン。最高出力は当時の自主規制値いっぱいの280psで、ツインスクロールターボを採用。エンジン内のピストンは「鍛造」です</span></div>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="三菱 ランサーエボリューション" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64484/1113_111.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲グループA規定ではボディ形状を変更することができなかったため、フロント部分は市販車の状態でこのように穴ぼこだらけ。この穴は伊達や酔狂ではなく、エンジンをしっかり冷やすためのもの</span></div>
<p>「……昔のセダンってのは小さかったんだなぁ」などとブツブツ言いながら車内に乗り込むと、確かに小ぶりである。ボディの四隅に「運転席から手が届く」ということは実際にはないが、「まるで手が届くかのよう」な感触は確実にある。<br />
<br />
この部分をどう評価するかは人それぞれだろうが、筆者としてはこの「手のひらサイズ感」はとても好ましいものに思えた。また単純に「懐かしい!」というのもある。そういえば、ほんのちょっと前まではほとんどの車がこんな感じだったのだ。<br />
<br />
シートは純正のレカロ製バケットシート。年式相応のややくたびれたビジュアルではあるが、コシはまだまだ十分。また「さすがはレカロ」といったところか、身体にぴたりとフィットする感覚は非常に楽ちんであり、見た目ほどの「スパルタンな感じ」はない。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="三菱 ランサーエボリューション" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64484/1113_123.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲さすがに運転席シートの手前側は乗り降りをが繰り返されたことで若干ヤレているが、その他はおおむね良好なコンディションで、座り心地も十分しっかりしている純正のレカロ製バケットシート</span></div>
<p>助手席にはカメラマン氏が乗り、後席には推定身長177cmのカーセンサー編集部員K氏が座る。やや長身のK氏だけあって足元スペースは窮屈そうだが、本人いわく「や、ぜんぜん大丈夫っすよ。快適っす」とのこと。うむ、昔は180cm級の人間だってこのぐらいの後席に座っていたのだから、快適かどうかは知らないが、「大丈夫」であることだけは間違いないだろう。<br />
<br />
エンジンを始動させ、ほんの少々の暖機ののち、幹線道路へと滑り出る。まずはユルユルと、身体と車をなじませるように走らせたわけだが、低中速域での乗り心地は予想に反して「快適」である。<br />
<br />
や、もちろんそれは「現行型トヨタ クラウンのように快適」という意味ではないわけだが、段差などを越える際にもキツい突き上げ感のようなものはほとんど感じられない。それでいて「ショックアブソーバーが終わってるからフワフワで怖い」というわけでもない。<br />
<br />
このぐらいならおそらくギャルも納得であり、燃費のことさえ無視すればファミリーカーとして使うのも十分アリと感じられた。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="三菱 ランサーエボリューション" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64484/1113_131.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲リアシートは175cm以上の人間が座る際は足を少々広げて座ることになるが、それでも「極端に狭く感じる」ということはないニュアンス。ファミリーカーとして普通に使えるかも?</span></div>
<h3>思わず声が出るほど鋭い加速。そして抜群の安定感</h3>
<p>では、車と身体がある程度なじんできた頃合いを見計らい、少々だがアクセルを「踏む」ことにしよう。<br />
<br />
こ、これは……。<br />
<br />
<b>速い。鬼のように速い。</b><br />
<br />
もちろん、(今となっては)たかが280psであるため、目と反射神経がおっつかないほど速いわけでは決してない。だがスポーツカーというものに慣れていない人が助手席に乗っていたとしたら、彼または彼女にとって「人生初体験」ぐらいのジェット機的怒涛の加速感を、この22年落ち中古車は味あわせるだろう。<br />
<br />
正直、ランエボIVといえばもはや年次的にはロートルであり、経年による出力の低下などもあるはずなので、「まぁ今となってはかったるい加速にしか感じられないのだろうな」と、試乗前には予想していた。<br />
<br />
だが、予想は良い方向に裏切られた。<br />
<br />
このジェット機感は、約20年前に若手編集者だった筆者が運転した新車(広報車)のランエボIVのそれとほぼ同じであった。また2019年のハイパワー車に慣れ、スレてしまった現在の筆者に対しても<b>「うおっ、速くて安定してて気持ちいいじゃん!!!」</b>と叫ばせるだけのものが、2019年のランエボIVにはあった。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="三菱 ランサーエボリューション" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_64484/1113_093.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲エンジンとシャシーのあまりの気持ち良さに、思わず絶叫するテスター氏</span></div>
<p>聞けばこの中古車、外装の磨きと内装のクリーニングは済んでいるものの、エンジンやら足回りやらの整備はまだ行っていない段階だとのこと。<br />
<br />
その段階で、これほどパワフルかつスムーズきわまりない動きと感触を各部が生み出すということは、おそらくだが歴代オーナーにかなりしっかりケアされてきた個体なのだろう。<br />
<br />
峠道を走ったわけではないのでコーナリングについては未知数だが、この感触であれば、おそらくワインディングに持ち込んでも「かなりやってくれる」ことはほぼ間違いと推測できる。<br />
<br />
三菱 ランサーエボリューションの中古車に関しては、第1世代の最後のやつ(ランエボIII)と第2世代の最後のやつ(ランエボVIまたはVIのトミー・マキネンエディション)が人気で、ランエボIVの人気はさほどでもないと聞いている。<br />
<br />
マニアックな視点で「ランエボとはなんぞや?」みたいなことを突き詰めていくなら、確かにそうなのだろう。筆者も三菱車マニアであったなら、ランエボ6.5ことトミー・マキネンエディションを買いたいと思うはずだ。<br />
<br />
しかし、決してその筋のマニアではなく、<b>「でも懐かしい気持ちになれる伝説の車で、なおかつ小ぶりで気持ちよく走れる何かが欲しい」</b>と考えるのであれば……。<br />
<br />
この素性よろしきランエボIVはかなりの注目株なのではないかと、筆者は思う。<br />
<br /></p>
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<div class="author2019">文/伊達軍曹、写真/稲葉 真</div>
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<p class="katagaki">自動車ライター</p>
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<p>外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。</p>
</div>
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</div>
</div>
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<!--ライター紹介パーツ終了-->
<h3 class="link_tit">【関連リンク】</h3>
<ul class="Base_Templete_Link3">
<li><a href="https://www.carsensor.net/shop/tokyo/305447004/?BKKN=VU2371095754" target="_blank">取材にご協力いただいた販売店「レーヴ インターナショナル」のページはこちら(※試乗車は売却済みの可能性もあります)</a></li>
<li><a href="https://www.carsensor.net/usedcar/search.php?STID=CS210610&CARC=MI_S022&GRDKC=MI_S022_F002_K019*MI_S022_F002_K004&fed=contnikkancs_20191120_kc20191120002yk" target="_blank">全国の三菱 ランサーエボリューションIVの中古車を見てみる</a></li>
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