▲イギリスの高級車メーカーベントレーのフラッグシップモデルのミュルザンヌ。全長は5.5m以上、全高1.5m以上、全幅はほぼ2mと超がつく大型車。セダンなので当然3列シートではないが、大型ゆえ車内は広々しているし、使われている素材はどれも一流のもので、まさにゴージャスな空間だ▲イギリスの高級車メーカーベントレーのフラッグシップモデルのミュルザンヌ。全長は5.5m以上、全高1.5m以上、全幅はほぼ2mと超がつく大型車。セダンなので当然3列シートではないが、大型ゆえ車内は広々しているし、使われている素材はどれも一流のもので、まさにゴージャスな空間だ

世界の富裕層が乗るセレブカーも中古車なら新車時の半額以下!?

少子化、つまり子供が少ないのに相変わらずミニバンは売れている。

中でもトヨタのアルファード/ヴェルファイアは根強い人気だ。

たとえ3列目のシートを使わなくても、広い車内押し出し感の強いマスクが人気の要因だろう。

しかし、ここでひとつ提案したい。

どうせ子供は1人か2人だから3列目をほとんど使わない、というのであれば車内の高さはないがゆったりとした後席があり、押し出し感が強くまばゆいほどゴージャス。

おまけに新車時から1000万、いや2000万円以上値落ちした超絶セレブカーを考えてみるのはどうだろう?

2000万円といえば、土地さえあれば家を建てられる金額だ。

それだけおトクになって、かつ煌びやかで迫力あるスタイルの車をファミリーカーにすれば、「とうちゃん(あるいはかあちゃん)やったね!」と子供たちに尊敬されるのは間違いなし!? ではないだろうか。

オススメするのは日本の皇室やイギリスをはじめとした、世界のロイヤルファミリーも乗るセレブブランドのトップグレード。

ロールスロイスベントレーマイバッハの花形スターたちだ。

たとえ2000万円値落ちしていても、いずれも各ブランドの威信をかけ、熟練職人の手作業も加えて最上級の品質&性能を実現している。

幼い頃からこうした「本物」に触れさせておくのも、教育のひとつと言えるかもしれない。

一方で、かつてはこうしたセレブカーの運転席はつまらないというのが定番だったが、車の性能が向上し、スーパースポーツカー並みのパワーをもつようになると、ドライバーにとってもがぜん楽しい車になっている。

では具体的にどんな車なのか。早速見ていこう。

「まぼろし~♪」な超高級車は魔法の絨毯
ロールスロイス ファントム

▲6.75LのV型12気筒に6速ATの組みあわせ。2013年のマイナーチェンジ(シリーズII)で8速ATになった。デビュー時の車両本体価格は4100万円▲6.75LのV型12気筒に6速ATの組みあわせ。2013年のマイナーチェンジ(シリーズII)で8速ATになった。デビュー時の車両本体価格は4100万円
▲着座位置は前席でも十分高く、見下ろすように運転できるが、後席はフロントよりさらに18mmも高くなっている。足元は毛足の長いラムウールのカーペットが敷かれる▲着座位置は前席でも十分高く、見下ろすように運転できるが、後席はフロントよりさらに18mmも高くなっている。足元は毛足の長いラムウールのカーペットが敷かれる

何しろ車名が「幻=ファントム」である。それだけ希有な存在なのだ。

かつて王室や富裕層から、人気のロールスロイスの中でも、さらに「もっと高くていいから一番いいヤツもってきて!」という声に応えるべく開発された最上級モデルだけに与えられた名前が「ファントム」だった。

今回紹介するファントムは、同社がBMW傘下となって初めて製作されたモデルだ。

BMWとしてはロールスロイスのような高級ブランド(=それを買いたい富裕層)があれば、金に糸目を付けずに技術を投入できるとばかりに、持ち得るすべての最上級技術をたっぷり詰め込んだ。

最大トルクは720N・mもあり、そのほとんどをわずか1000回転という低速域で発揮するV12気筒エンジンの喧噪は車内には届かず、路面は本当に凸凹があるのかと思えるほど。

乗った人が思わず「魔法の絨毯のようだ」と評する乗り心地は、そのたまものだろうし、限られた人々のみしか味わうことができない。

しかし、中古車ならば……例えば現行執筆時点で、2007年式&4.5万kmが新車時から約3000万円値落ちとなる総額1200万円ちょっとで買えるのだ。

▼検索条件

ロールスロイス ファントム(2003年10月~2017年12月生産モデル)×全国

世界で1台だけ、という仕様も選べるセレブカー
ベントレー ミュルザンヌ

▲ベントレーはかつてル・マン24時間レースで名をはせたモータースポーツの名門ブランド。そのル・マンの舞台となるサルト・サーキットの「ミュルザンヌストレート」が車名の由来だ。デビュー時の車両本体価格は3380万円▲ベントレーはかつてル・マン24時間レースで名をはせたモータースポーツの名門ブランド。そのル・マンの舞台となるサルト・サーキットの「ミュルザンヌストレート」が車名の由来だ。デビュー時の車両本体価格は3380万円
▲木目を左右対称に揃えたウッドパネルや、手仕事で磨き上げたステンレスパーツなど、イギリスのクラフトマンシップの粋を集めたインテリア▲木目を左右対称に揃えたウッドパネルや、手仕事で磨き上げたステンレスパーツなど、イギリスのクラフトマンシップの粋を集めたインテリア

ロールスロイスを手に入れたBMW同様、ベントレーを手に入れたフォルクスワーゲンも自社ブランドでは販売しにくかった超高級セレブカーを開発した。

それがミュルザンヌだ。

第2次世界大戦前の1931年に、ロールスロイス傘下となったベントレー。

初代ミュルザンヌは、1980年にロールスロイスのシルバースピリットの兄弟車として誕生した。

その後も紆余曲折あって1998年にベントレーは、フォルクスワーゲン傘下に収まる。

そして2010年に現行型ミュルザンヌがデビューした。

かつてのロールスロイス時代と同様のV型8気筒エンジンにはツインターボが備わり、最高出力は512ps、最大トルクは1020N・m(!)にまで高められた。

この巨艦のボディ色は全114色から選べるというのもすごいが、内装もシートだけで24色+オーダー可と、世界に1台のミュルザンヌにできるようになっている。

原稿執筆時点で、2014年式の走行距離2万km未満が総額約1600万円で見つかるなど、少走行車を新車時の半額以下から見つけることができる。

▼検索条件

ベントレー ミュルザンヌ(2010年3月登場モデル)×全国

インテリアは職人によるテーラーメード仕上げ
マイバッハ

▲ショートホイールベースのグレード名が57(全長が約5700mmであることに由来)、ロングホイールベースが63「同約6200mmに由来)。2005年にはメルセデスAMGと開発した6LのV12を積む57Sと62Sも用意された▲ショートホイールベースのグレード名が57(全長が約5700mmであることに由来)、ロングホイールベースが63「同約6200mmに由来)。2005年にはメルセデスAMGと開発した6LのV12を積む57Sと62Sも用意された
▲デビュー時の新車時価格は57で3900万円だが、内装のカスタマイズの種類が豊富で、オーダー次第では車両本体価格と同じくらいになることも。ちなみに2010年に発売されたオープンリムジンの「ランドレー」は1億4200万円!▲デビュー時の新車時価格は57で3900万円だが、内装のカスタマイズの種類が豊富で、オーダー次第では車両本体価格と同じくらいになることも。ちなみに2010年に発売されたオープンリムジンの「ランドレー」は1億4200万円!

ダイムラー・クライスラー(当時)が復活させたブランドがマイバッハだ。

カール・ベンツとほぼ同時期にガソリンエンジンを発明したのが、ゴットリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハのコンビ。

その後マイバッハはダイムラーと別れて自分の会社を設立し、高級車を生産した。

1952年にダイムラー・ベンツ(当時)はマイバッハを傘下に収めた。そして2002年に同社の最高峰ブランドとして、その名を復活させたのだ。

エンジンは5.5LのV型12気筒ツインターボ。これに5速ATが組み合わされる。

また、飛び石がホイールハウスではねる音にまで対処するなど、防音素材を224ヵ所に用いて最高峰にふさわしい動力性能&静粛性を備えた。

しかし、この車の一番の見どころは内装だ。

「どこまでもオーナーのこだわりに従って仕上げる、いわゆるテーラーメイドの車作り」にこだわり、専用工場で最高級の自然素材をふんだんに使って職人が1台1台仕上げていた。

現行執筆時点で見ると、走行距離が8万km前後の中古車なら、総額850万円前後で手に入れることができる。

新車時の車両本体価格で比べたら、約3000万円落ちだ。

▼検索条件

マイバッハ マイバッハ(2002年9月~2014年3月生産モデル)×全国

2000万~3000万円値落ちとはいえ、確かに高い買い物だ。

しかし、これだけ値落ちしているというおトク感や、超絶セレブカーをファミリーカーにするという特別感は他の車を買っても、恐らく一生味わえないはず。

宝くじを買ってからでも遅くはないので、検討してみてはいかがだろう。

文/ぴえいる、写真/ロールスロイス、ベントレー、ダイムラー

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。