▲街で見かける機会の多いMINIのなかでも、コンバーチブルは比較的珍しいうえ、プレミアムな雰囲気を醸し出すことができます。この「さりげない上質感」こそが「クルマの着こなし」を格上げするもうひとつのポイント。コンバースのスニーカーやエルメスのアクセサリーの、不変の美しさと内に秘めたラグジュアリーにも、同じことが言えます。※写真のアイテムは、すべてスタッフの私物です ▲街で見かける機会の多いMINIの中でも、コンバーチブルは比較的珍しいうえ、プレミアムな雰囲気を醸し出すことができます。この「さりげない上質感」こそが「車の着こなし」を格上げするもうひとつのポイント。コンバースのスニーカーやエルメスのアクセサリーの、不変の美しさと内に秘めたラグジュアリーにも、同じことが言えます。※写真のアイテムは、すべてスタッフの私物です
 

車には疎いけど、手軽でおしゃれで好感度の上がる1台を選びたいというあなたに、その極意を伝授するこの企画。前回は、「清潔感」がポイントであることを解説しましたが、加えてもうひとつ、「さりげない上質感」の重要性を、オススメの輸入車5台とともにお話したいと思います!


「普通に見えてどこか違う」秘密とは?

あなたの周りに車好きな人がいたとして、実際に見せてもらうと「あ~、似合ってるよね」とか、「〇〇さんの雰囲気にぴったり」ということ、わりと多いはず。それは、自分のスタイルが確立されているからなんですよね。

一番上の写真をよ~く見てください。

愛らしいMINIコンバーチブルのミニカーの後ろにあるスニーカーは、男女問わず幅広い世代に人気のコンバース オールスター(ローカット)ですが、実は上質な素材を用いた「MADE IN JAPANモデル」なのです。

そして手前のブレスレットは、エルメスのシェーヌ ダンクル。船の錨(いかり)をモチーフにしたデザインは80年以上の歴史を誇り、カジュアルからドレススタイルまで対応する応用範囲の広いシルバーアクセサリーです。

これらのアイテムに共通するのは、普遍的な美しさと、内に秘めたラグジュアリー。一見普通に見えてどこか違う優雅な雰囲気は、装いを格上げする重要なポイントです。
 

「単なる地味」にならないテクニック

車にも同じことが言えます。シンプルで飽きのこないデザイン、そして実用に則したサイズを乗りこなすことで生まれる「清潔感」は好感度をアゲる重要な要素であることは前回お話しましたが、一歩間違えると「単なる地味」に陥る危険性があります。

そうならないために、日ごろのお手入れは欠かせません。汚れたら必ず洗車をして、劣化しやすい樹脂製のモールやクロームパーツ(輸入車のメッキモールは白サビに侵されやすいです)も定期的に磨きましょう。

そして室内には余計なものを置かず、香りは無香性に留めること。細部にも目を配ることで生まれる、きちんとした身だしなみは、閉ざされた空間で同じ時間を過ごす大切な人に、きっと伝わります。

こうしたポイントを大前提として、好感度をさらにアゲる車の選択肢が、ベーシックなデザインに漂う「さりげない上質感」なのです。

「さりげない上質感」を手に入れるなら輸入車を!

ベーシックであることに加え、「さりげない上質感」も備えた車を選ぶなら、断然輸入車。国産車との差別化を図るために、プレミアムな価値を備えたものが多いことはみなさんご存じでしょう。

さらに、同じモデルでも、より高性能なもの、あるいはオープンカーを選べば個性はいっそう際立ち、ほどよい希少性も手伝って、ライフスタイルに奥行きが生まれます。

古い年式だと維持するのが大変になりますが、ここで紹介した5台は、いずれも大きなリスクを抱える不安が少なく、ビギナーでも安心です。中古車は色や装備の違い、前オーナーの使い方で印象が随分と変わるものですが、だからこそ探しがいがあり、手に入れたあとは自分のスタイルにフィットさせる楽しさが待っています。

こだわりの1台を探し当て、おしゃれに着こなしましょう!
 

さりげない上質感で好感度の高い5台はコチラ

▲ゴルフGTIは初代から設定されていた由緒正しき高性能モデル。より車格の大きいドイツ車にも負けない確かな走りで、ゴルフシリーズ随一の人気モデルとなっています。一見馴染みのあるゴルフに見えて、実は高性能モデルというキャラクターは、人と同じものに乗りたくないけど目立ちすぎるのは嫌、というユーザーの夢を叶えてくれることでしょう。▲ゴルフGTIは初代から設定されていた由緒正しき高性能モデル。より車格の大きいドイツ車にも負けない確かな走りで、ゴルフシリーズ随一の人気モデルとなっています。一見馴染みのあるゴルフに見えて、実は高性能モデルというキャラクターは、人と同じものに乗りたくないけど目立ちすぎるのは嫌、というユーザーの夢をかなえてくれることでしょう。

■フォルクスワーゲン ゴルフGTI 現行型
(2013年~)

フォルクスワーゲンは「10年乗っても飽きない」ことを前提に、クリーンで清潔感のあるデザインと、先進的で不足のない装備をもつ車作りで知られています。

特に基幹モデルであるゴルフは1974年の誕生以来、コンパクトながら機能的な室内空間と飽きのこないデザイン、そして高速道路を長時間走っても疲労の少ないしっかりとした走行性能を守りながら改良を重ねてきました。

代々、そのフォルムは大きく変わっていませんが、2012年に登場した現行型はプレスラインが美しく、すでに登場から6年が経過したにも関わらず、古びた印象は皆無。人気モデルゆえに中古車流通量は豊富ですが、バリエーションが多いために中古車価格帯は50万~300万円と幅広くなっています。

丈夫な車なので低年式でも不安が少なく、ベーシックモデルでも不足感はありませんが、ゴルフの「さりげない上質感」を体感するなら、高性能モデルのGTIがオススメです。

アクセルペダルをじんわりと踏んだときからわかる力強さは頼もしく、かといってスポーツカーのように乗り心地を犠牲にしていないのが、この車のいいところ。そして、フロントフェイスに入ったGTI専用の赤いピンストライプが、さりげない上質感を主張し、室内も同じく伝統のチェック柄シートが高性能モデルであることを洒脱に主張します。

普段使いはもちろん、高速道路を使ったロングドライブも好きなという人にぴったりなこの車。総予算200万~250万円で、「10年満足できる」こと確実です!
 

▲MINIは内外装の色の選択肢やアクセサリーが豊富に揃うため、中古車の仕様もさまざま。むしろファッションと割り切って、数ある中古車のなかから色とアクセサリーで絞り込んじゃいましょう。また、現行型の相場はまだ高めなので(下は200万円強から)、初代や2代目から理想の1台を探すのが現実的です。▲MINIは内外装の色の選択肢やアクセサリーが豊富に揃うため、中古車の仕様も様々。むしろファッションと割り切って、数ある中古車の中から色とアクセサリーで絞り込んじゃいましょう。また、現行型の相場はまだ高めなので(下は200万円強から)、初代や2代目から理想の1台を探すのが現実的です。この写真は2代目です

■MINI コンバーチブル
(全世代)

20世紀における小型車の金字塔としてその名を残すローバー ミニ(オールドミニ)。BMWグループがブランドを継承し、プレミアムなコンパクトカーとして再出発した新世代MINIは、アイコニックなデザインをポップに再構築し、走る楽しさをわかりやすく表現したことで、今やオールドミニをしのぐ人気ぶりです。

ボディタイプは多岐に及び、漠然とMINIが欲しい人はきっと迷ってしまうことでしょう。ファミリーの場合は室内が広いクラブマン(ややロングボディのモデル)やクロスオーバー(SUV)に絞り込めますが、1~2名使いのユーザーにオススメしたいのが、贅沢なオープンボディのコンバーチブル。

基本の3ドアをベースに作られたこのモデルは、MINIらしいかわいさがあり、幌を開けたときのスタイルも申し分なし。何よりも、大柄なオープンカーのように嫌味がないので、幌を開けて走っても恥ずかしくないのです。まさに「さりげない上質感」のなせる技といえるでしょう。後席はそれほど広くありませんが、少人数での街乗りを前提としたユーザーなら、不満はないと思います。

しかも、MINIはモデルチェンジを重ねても大きくその印象を変えておらず、カーマニア以外にはどの代に乗っていても同じに見えるのもポイント。なので、初代のコンバーチブルなら総予算70万円前後で手に入れることも夢ではありません。

ただし、室内のコンソールパネル中央に鎮座する、アイコニックな丸いメーターには、現行型(2013年~)からナビをはじめとするモニターがビルトインされています。つまり、それより古いモデルにカーナビを装着する場合、ビルトインできないというわけです。細かい部分ではありますが、丸を基調にプレミアムな空間としてデザインされた車なので、こだわる方はご注意ください。

現行型の相場はまだ高めなので(下は200万円強から)、初代や2代目から理想の1台を探すのが現実的です。
 

▲フィアット500はボディカラーが豊富で、しかもカラフルな色からペールトーンまで似合う無敵ぶり。そのうえ500Cなら幌の色がアクセントになって、かわいさが引き立ちます。車のキャラクターからして荒く乗られた個体は少ないので、程度に固執することなく、自分のスタイルに合った色で絞り込みましょう!▲フィアット 500はボディカラーが豊富で、しかもカラフルな色から淡いペールトーンまで似合う無敵ぶり。そのうえ500Cなら幌の色がアクセントになって、かわいさが引き立ちます。車のキャラクターからして荒く乗られた個体は少ないので、程度に固執することなく、自分のスタイルに合った色で絞り込みましょう!

■フィアット 500C 現行型
(2007年~)

MINIと並び、小型欧州車の傑作として知られるフィアットの旧500。その愛らしいスタイリングを現代によみがえらせた現行500は、発売から11年を経た現在も色褪せることなく、高い人気を誇っています。旧500を含め、デザインがいかに完成されていたかを示す好例です。

エンジンは1.2リッター、1.4リッターの4気筒に加え、「ツインエア」と呼ばれる875ccの2気筒もあり、後者はバイクのような振動と音でトコトコと走ってくれて、愛着がわきます。なお、ATはMTをベースとした2ペダル式の「デュアロジック」で(AT免許で運転可能)、滑らかに走らせるのは少々コツが必要。すぐ慣れますが、気になる方はツインエアエンジンも含め、ぜひ試乗で確かめてください。

ロングセラーモデルにつき、中古車価格帯は50万~200万円と幅が広いですが、こちらもMINI同様、色で選ぶくらいの意識で探してもまったく問題ありません。

オススメはやはりオープンボディの500Cです。この車の場合、オープンにするとボディ左右上方の柱が残る形で直上から後ろにかけて開き、たたまれた幌は蛇腹状になります。そのスタイルはまるで古典的なオープンカーのように優雅で、「さりげない上質感」をいっそう強調できるのです。標準ボディと比べても価格はおよそ20万円高に収まっているので、割高感が少ないのも魅力です。

後席は狭く、フル乗車でのロングドライブは多少の我慢が必要ですが、外観同様、ポップなデザインの室内は気分を明るくしてくれるうえ、幌を開ければ開放感がプラスされます。グループでおしゃべりしながら海を見に行く。そんなイメージがぴったりの車です。
 

▲3列シートを伝統とするディスカバリーは、週末の冒険で役立つこと確実。新車当時、700万円以上したことを考えれば、流通量が少ないとはいえ、お得感があります。エンジンは4リッター、4.4リッターがあり、いずれも低速から力強く上質ですが、車重があるために燃費はよくありません。ランニングコストを考慮した購入計画を立てましょう。▲3列シートを伝統とするディスカバリーは、週末の冒険で役立つこと確実。新車当時、700万円以上したことを考えれば、流通量が少ないとはいえ、お得感があります。エンジンは4リッター、4.4リッターがあり、いずれも低速から力強く上質ですが、車重があるために燃費はよくありません。ランニングコストを考慮した購入計画を立てましょう。

■ランドローバー ディスカバリー3
(2005~2009年)

4WD専業ブランドとして確かなクロスカントリー性能を備えたモデルを揃えるランドローバー。中でもディスカバリーは、プレミアムSUVのレンジローバーを下敷きに、若い世代でも手の届きやすい車として開発されました。ただし、それも昔のこと。

レンジローバーが世代を重ねるごとに高みを目指すのに合わせて、ディスカバリーも今やプレミアムカーの領域に入っています。カジュアルな印象を色濃く残す初代や2代目の中古車は安くなっていますが、程度良好車が海外に流出したために流通量は少なく、運よく見つかっても低年式ゆえ維持費がかかります。そこでオススメなのがディスカバリー3。

実はこの代からプレミアム化が始まったのですが、販売期間が2000年代ということもあり、流通量は少な目ながら価格は120万~300万円と、こなれてきています。また、メカニズムも旧世代から一新されたため、維持費の不安が少ないというメリットも。

インテリジェンス漂うスクエアなスタイリングは街を走っていても威圧感がなく、「さりげない上質感」を醸し出すにはちょうどいい安配といえるでしょう。3列シートを備え、ぬかるみや砂利道をものともしない圧倒的な走破性は、キャンプやフェスを愛するユーザーにとって、実用性とファッション性を両立させる魅力的な存在。そのキャラクターゆえ走行距離を重ねている車が少なくありませんが、あまり神経質にならずに探しましょう。
 

▲TTは現行型もカッコいいですが、丸をモチーフにした、初代のミニマルなスタイリングはいまだに色褪せることがなく、清潔感も感じられます。自動車史に残る名デザインを我が者にする快感は、そう味わえるものではありません。気負わず、それでいてクルマのイメージを損なわないよう、シンプルで良質な素材を用いた装いで運転席に座り、さりげない上質感をアピールしましょう!▲TTは現行型もカッコいいですが、丸をモチーフにした、初代のミニマルなスタイリングはいまだに色褪せることがなく、清潔感も感じられます。自動車史に残る名デザインを我が者にする快感は、そう味わえるものではありません。気負わず、それでいて車のイメージを損なわないよう、シンプルで良質な素材を用いた装いで運転席に座り、さりげない上質感をアピールしましょう!

■アウディ TT 初代
(1998~2006年)

モーターショーなどで披露されるコンセプトカーは、程度の差こそあれ現実的な問題(コストや実用性など)に目をつぶり、デザインや技術の理想をいち早く立体化することを念頭に作られています。ただ、中にはほぼそのままの形で市販され、その後のブランドイメージをけん引していく車もあります。

アウディの初代TTもそうでした。1995年に披露されたスタディモデル(コンセプトカー)は、シームレスで流れるようなスタイリングが評判を呼び、大きく形を変えることなく98年に発売。2000年以降のアウディ車に見られる、知的で無駄のないデザインを切り開いた名車です。

中身はフォルクスワーゲン ゴルフなので、とても乗りやすいのですが、天井が大きく傾斜しているために後席の居住性は十分とはいえず、1~2人使いが現実的。でも、そんなデメリットさえ帳消しにする、のちの世代以上に先鋭的なスタイリングは、並み居るスポーツカーがイカついデザインになっている昨今、「さりげない上質感」を味わえる貴重な存在です。

エンジンは1.8リッターと3.2リッターがあり、グレードによって2WDと4WDがありますが、雰囲気を楽しむのなら、あまりスペックにこだわる必要はありません。中古車価格帯も50万~100万円とこなれているので、グレードよりも走行距離、そしてなるべく高年式を選び、少しでも長く乗ってあげましょう。

デザインがすべてと言ってもいいTTが似合うシーンは都会です。週末のお出かけが好きなシニアや20~30代のカップルにぜひ!
 

text/櫻井香
photo/見城 了、フィアット・クライスラー、BMW、フォルクスワーゲン、ジャガーランドローバー、アウディ

▼検索条件

ゴルフGTI×現行型×総額250万円以内

▼検索条件

MINIコンバーチブル×全世代×支払総額あり

▼検索条件

500C×現行型×支払総額あり

▼検索条件

ディスカバリー3×総額300万円以内

▼検索条件

TT×初代×総額100万円以下