▲一見ごく普通なのに、カタログなどをよく読んでみると、実はメーカーの愛と情熱とド根性が詰まったかなりの上質装備が付いているグレードがたまにあります。そんな1台を狙ってみてはどうでしょう! ▲一見ごく普通なのに、カタログなどをよく読んでみると、実はメーカーの愛と情熱とド根性が詰まったかなりの上質装備が付いているグレードがたまにあります。そんな1台を狙ってみてはどうでしょう!

手に触れるモノ、身に着けるモノはやはり「上質」な方がいい

「特にお金持ちというわけではないのだけど、カバンや財布、メガネなどの人目に付くアイテムだけはハイブランドのモノを愛用している」という人って、けっこういらっしゃると思います。

そういった人はしばしば「身の丈に合ってない高級ブランド品で見栄張りやがって」みたいに非難されたりもしますが、言いたい奴には言わせとけばいいんです。

筆者も財布だけはイタリアの某ハイブランド製を使っていますが、レザーの質感が本当に素晴らしいですし、たまに人から「おっ、いい財布使ってるね!」なんて気づかれると、正直うれしいものです。いいモノって、やっぱりいいですよね。

で、そういった嗜好をお持ちの方は車を選ぶ際にも、ぜひぜひ「装備」の質感やクオリティにこだわってみると、かなりステキなカーライフが送れるのではないかと思う次第です。

あくまで例えばですが、どうせ乗るなら普通の布シートではなく本革シートが付いているモデルで、なおかつベーシックな革ではなく「こだわりの上級レザー」が使われているようなグレードを選んでみる……とかです。

まぁ、その路線を本気で突き詰めるなら英国のロールスロイスとかを買うのがいちばんなのですが(何せすべての装備類が世界最高峰レベルですから)、筆者を含む普通の人間はロールスロイスなんて買えません。あくまでも「普通に買えそうな範囲内」で、グッとくるこだわりの上質装備が付いた車を次章以降、探してみたいと思います。

▲こちらはマツダCX-3という小型SUVですが、写真のグレードのレザーシートは実はかなり上等な、普通なら大柄な高級車に使われる革素材です。詳細は後述しますが、こんな感じの車を見つけてみようではありませんか! ▲こちらはマツダCX-3という小型SUVですが、写真のグレードのレザーシートは実はかなり上等な、普通なら大柄な高級車に使われる革素材です。詳細は後述しますが、こんな感じの車を見つけてみようではありませんか!

グッとくる上質装備が「ほぼ全部盛り」なのは17年式以降のハリアーか?

おおむね現実的な価格帯でありながら、かなりグッとくるこだわりの上質装備が詰まっている車種の最右翼は、おそらく2017年式以降の現行トヨタ ハリアーなのではないかと思います。

▲こちらが2013年12月デビューの現行トヨタ ハリアー。ミドルサイズの大人気SUVで、現行モデルは3世代目にあたります。これの「メタル アンド レザーパッケージ」ってやつがとってもイイんですよ ▲こちらが2013年12月デビューの現行トヨタ ハリアー。ミドルサイズの大人気SUVで、現行モデルは3世代目にあたります。これの「メタル アンド レザーパッケージ」ってやつがとってもイイんですよ
▲現行ハリアー プレミアム“メタル アンド レザーパッケージ”のインテリア。この写真だけだとイマイチ伝わらないと思いますので、以下、文章にてその素晴らしさを補足説明いたします ▲現行ハリアー プレミアム“メタル アンド レザーパッケージ”のインテリア。この写真だけだとイマイチ伝わらないと思いますので、以下、文章にてその素晴らしさを補足説明いたします

内装の質感にはもともと定評があった現行ハリアーですが、2017年6月のマイナーチェンジで登場した「メタル アンド レザーパッケージ」(中間グレードの「プレミアム」と上級グレードの「プログレス」で選択可能)はかなりのモノです。

以下、その注目すべきポイントを列記してみましょう。

【シート】
・素材はナッパレザー(要は最高級素材。強じんで柔らかな、原皮の表情が残っているレザーのこと)
・運転席・助手席ともベンチレーションシート(背もたれと座面に冷風が通る仕組み)
・運転席は8ウェイパワーシート
・助手席も4ウェイパワーシート
・運転席のランバーサポート(腰椎を支えることで自然な運転姿勢をサポートする機能)も4ウェイ方式

【ドア内側のトリム】
・本物のステッチが入った合成皮革(現行アルファードとかでも、ドアトリムのステッチは本物ではなくフェイクなんです)

【その他】
・ドアミラー足元照明(ドアミラーの下部から光が差し、足元を照らす)
・イルミネーテッドエントリーシステム(ドアロック解除などに連動して室内照明が点灯)


現行ハリアーという車自体がなかなかステキなのですが、それに加えてこういった「こだわりの装備」にも一部のユーザーはグッときて、密かにほくそ笑むでしょう。そして人を乗せたときに「これステキだね!」なんてホメられるのも、ちょっとした快感です。

▲こちらの写真は「ドアミラー足元照明」の様子。高額な輸入車にはしばしば付いている装備ですが、「この価格帯のSUVに付いている」というのがうれしいポイントです。ちなみに「エンブレムマーク付き」となるのは最上位グレードの「プログレス」のみですが ▲こちらの写真は「ドアミラー足元照明」の様子。高額な輸入車にはしばしば付いている装備ですが、「この価格帯のSUVに付いている」というのがうれしいポイントです。ちなみに「エンブレムマーク付き」となるのは最上位グレードの「プログレス」のみですが

もうちょい手頃な予算でいくならCX-3の特別仕様車で

ただし現行トヨタ ハリアーの「メタル アンド レザーパッケージ」はまだまだ新しい車であるため、中古車相場も決してお安くはありません。具体的には総額350万~450万円といったところ。「もうひと声安いほうが……」という場合もあるかもしれません。

であるならば、例えばマツダCX-3の「XD Noble Brown」なんてどうでしょうか? 2016年11月に登場した特別仕様車ですが、実質的にはCX-3の最上級グレードです。

▲2015年2月に登場したコンパクトSUV「マツダ CX-3」に、2回目のマイナーチェンジに合わせて追加された「XD Noble Brown」という特別仕様車 ▲2015年2月に登場したコンパクトSUV「マツダ CX-3」に、2回目のマイナーチェンジに合わせて追加された「XD Noble Brown」という特別仕様車
▲シートの素材は「ナッパレザー」。ちなみにナッパレザーというのは「アメリカ・カリフォルニアのNapa地域でなめされていた革」というのがもともとの語源ですが、現在は「柔軟で強じんなフルグレインレザー(原皮の表情が残っているレザー)」全般がナッパレザーと呼ばれています ▲シートの素材は「ナッパレザー」。ちなみにナッパレザーというのは「アメリカ・カリフォルニアのNapa地域でなめされていた革」というのがもともとの語源ですが、現在は「柔軟で強じんなフルグレインレザー(原皮の表情が残っているレザー)」全般がナッパレザーと呼ばれています

新しいボディ色である「マシーングレープレミアムメタリック」に合わせたハバナブラウンのレザーシートは、こちらも最上級の天然ナッパレザー。同じくハバナブラウンのフロントドアトリムなどと合わせ、小型車でありながら超絶おしゃれな車内空間を実現させています。

それでいて中古車相場は総額220万~280万円ぐらいと、まずまずお手頃。コンパクトカーであることに抵抗がないならかなりオススメです。

またシート関係では、これは「知られざる装備」というよりは「かなり有名な装備」ですが、日産 ティアナの「助手席パワーオットマン」にも注目したいところです。

▲こちらが現行型の日産 ティアナ。「モダンリビング」や「おもてなし」など歴代モデルのコンセプトはそのままに、走行性能にもこだわって2014年2月に登場しました ▲こちらが現行型の日産 ティアナ。「モダンリビング」や「おもてなし」など歴代モデルのコンセプトはそのままに、走行性能にもこだわって2014年2月に登場しました
▲で、これがその「助手席パワーオットマン」。助手席シート脇にあるスイッチで作動させます ▲で、これがその「助手席パワーオットマン」。助手席シート脇にあるスイッチで作動させます

運転中のオーナーはさすがにこれの恩恵を受けることはできませんが、助手席の人には大ウケ間違いなし。現行ティアナではXEを除く全グレードに標準装備です。

その他、中古車相場はまだ激高ですが現行ホンダ レジェンドのレザーシートにおける「リアルステッチソフトパッド」 もかなりグッときますし(なにせ機械縫いではなく人の手によるミシン縫いなので、ステッチの質感が本当にステキなんです)、初代アウディTTの車内にある「アルミ削り出しの車載オーディオカバー」 も、見てるだけで思わずうっとりしてしまう逸品です。

▲現行型ホンダ レジェンドの本革シートは「リアルステッチソフトパッド」というものを使用。立体成形後、人の手によりミシンで縫製加工されています。プレミアムな革製品に用いられることが多い「斜めのステッチ」が入っていて、手の込んだ仕立てであることがわかります ▲現行型ホンダ レジェンドの本革シートは「リアルステッチソフトパッド」というものを使用。立体成形後、人の手によりミシンで縫製加工されています。プレミアムな革製品に用いられることが多い「斜めのステッチ」が入っていて、手の込んだ仕立てであることがわかります
▲こちらは初代アウディ TTのインテリア。センターのエアコン吹き出し口の下にある「TT」と彫られているアルミ製の車載オーディオカバーが最高なんです。これ、お手軽な成形モノではなく「削り出し」なので、かなり存在感があります ▲こちらは初代アウディ TTのインテリア。センターのエアコン吹き出し口の下にある「TT」と彫られているアルミ製の車載オーディオカバーが最高なんです。これ、お手軽な成形モノではなく「削り出し」なので、かなり存在感があります

今回取り上げた車種以外にも、まだまだ「知られざるこだわりの上質装備」を備えた車はたくさんあるかと思います。「ただの車」ではなく「そういった車」を選べば、何と言いますか「金持ち喧嘩せず」みたいな落ち着いた心持ちで安全運転ができると思いますし、場合によっては「ちょっとした優越感」みたいなものも感じられることでしょう。

ぜひ、あなたの内面を喜ばせるステキな1台を探してみてください。

text/編集部
photo/日産、マツダ、トヨタ、ホンダ