▲今年10月で発売から19年の現行型ジムニー。欲しかったけど買えなかったという方には、今こそチェックしていただきたいです!▲今年10月で発売から19年の現行型ジムニー。欲しかったけど買えなかったという方には、今こそチェックしていただきたいです!

ブレない“らしさ”で人気の軽SUV

コンパクトな四駆が欲しい、軽が良いけど雪国だから走破性を重視したい、無骨なデザインのSUVが欲しい……。そんなニーズに応えてきたのが、スズキの軽SUV ジムニー。

軽自動車規格に収まりながらも、ラフロードまで走破できる素晴らしい性能を持った本格SUVです。コンパクトといっても4人乗車でき、荷物もそれなりに積載可能。税金は軽価格で済むのに、いざというシーンでは心強い味方になってくれます。無骨なデザインに抵抗がなければ、このサイズ感は女性にも嬉しいポイントですし、考えれば考えるほど合理的なマシンですよね。

そんなジムニーも、初代誕生からもうすぐ30年。これだけ聞けば「なかなか伝統あるモデルね」くらいの印象ですが、特出すべきは“とにかく変わらない”ことです。

というのも、現在生産されている現行型は、フルモデルチェンジしてから今年でなんと19年目に突入する超ご長寿モデル。多くのメーカーが、長くても3~5年周期でビッグマイナーチェンジやモデルチェンジをしている中、ジムニーは仕様変更や特別仕様車の追加のみで、佇まいはずっと変わらないままなんです。流行に左右されずブレないキャラクターは、多くのファンを魅了してきました。それがゆえ、でしょうか……。

大変悩ましいことに、中古車相場もブレないんです。

▲カクカクボディのリアにスペアタイヤを背負う。いかにもオフロードなスタイルは、流行に惑わされないザ・王道SUV ▲カクカクボディのリアにスペアタイヤを背負う。いかにもオフロードなスタイルは、流行に惑わされないザ・王道SUV
▲使い勝手こそ「もの凄く良い」とまではいきませんが、不満は感じないインテリア。シンプルで古風な雰囲気ですが、助手席の下には収納スペースもあったりと、スズキらしい心配りも ▲使い勝手こそ「もの凄く良い」とまではいきませんが、不満は感じないインテリア。シンプルで古風な雰囲気ですが、助手席の下には収納スペースもあったりと、スズキらしい心配りも

えっ、10年前のモデルが、そんな値段……!?

例えば、今から10年前に生産された2006年式のベーシックグレード「XC」の価格を見てみましょう。

2016年8月上旬現在、全国に存在する(カーセンサーnet調べ)14台の物件中2台が100万円オーバー。さらに5台が70万円以上と、軽自動車としてはなかなかの高値。147.2万円~という新車価格と比較しても、良くて半額というところでしょうか。ちなみに、同じスズキの軽自動車でもワゴンRの場合、10年前のモデルに50万円以上の物件は存在しません。

これは、中古車にありがちな「昔の希少なモデルだから」とか「珍しいモデルだから」という理由ではなく(もちろん特別仕様車などにはそういった理由のモデルもアリ)極度にモデルチェンジが少なく、見た目が変わらないがゆえ、古いモデルの価値が落ちにくいというのが要因でしょう。

また、軽SUVという、人気の四駆車の中でもかなり競合が限られる分野に君臨しているということもあると思います。とにかくこの『中古車なのに決して安くない』お値段は、長らく多くの人の悩みでもありました。

まさに、スタイルだけでなく価格も“ブレない”モデル。このままSUV人気にさらにあおられ、いくら待ったって現行型で買い得なモデルなんて出てこないんだ……。多くの方がそう思っていたことでしょう。

しかしそれが今……ブレそうな動きを見せているんです。

増加中の低走行車がカギ

現行型ジムニーの相場グラフを見ていただくと、ここ最近、流通台数が増加しているのが分かります。

実はこの増加物件の中でも特に厚みをもち出したのが、走行距離1万km以下の超低走行車。全体の約20%をこの好条件物件が占めるまでに至っています。「とにかく程度の良いジムニーが欲しかったんだ!」という方には、この“ほぼ新車層”が満足に選べる量揃ってきたという意味で、美味しい時期に差し掛かったと言えるでしょう。

▲現行型ジムニーの相場グラフ ▲現行型ジムニーの相場グラフ

しかし今回筆者がオススメしたいのは、この“ほぼ新車層”ではなく“そこそこ良いコンディション層”。具体的にいえば「走行距離3~4万kmくらいで修復歴ナシ」あたりの物件です。ジムニー狙いの皆さんには、特にココをチェックしていただきたい。

というのも、低走行の“ほぼ新車層”が増加している割にモデル全体がそこまで値上がりしていないな……と違和感を覚え、物件単位で調べてみたのですが、この“そこそこ良いコンディション層”の旨味が増していることに気がついたのです。例えば、走行距離4万km以下の物件でも、本体価格100万円を切る個体が130台以上も!(2016年8月上旬現在)これはもう十分な量ではないですか。

また、「100万円を切るっていっても、90万円台とかは厳しい……」なんて方も、来年中と噂されているフルモデルチェンジが本当であれば、相場が近い将来大きく動くかもしれませんので、ぜひチェックしていただきたい。まぁ、あくまで噂ですから確証はありませんが、噂で終わったとしても誕生20年目という節目前。物件数がこのまま増加傾向を保てば、お値打ち物件はどんどん増えてくるはずです。

どうでしょう。現行型ジムニー狙い勢の皆さん、一緒にウォッチしてみませんか?

▼検索条件

スズキ ジムニー(現行型)× 総額表示 × 走行距離4万km以下 × 修復歴ナシ 
text/編集部
photo/編集部、スズキ