第161回 エンジンルームをチェック中、ボンネットに挟まれた!
カテゴリー: 展示場でのトラブル
タグ:
2012/10/30
Q. エンジンルームをチェックしていたら、ボンネットに体を挟まれた。ケガの治療費を払ってもらうことはできる?
ボンネットを開けてエンジンルームをチェックしていたら、急に閉まって体を挟まれました。店員さんには声をかけていなかったのですが、ケガの治療費を払ってもらうことはできますか?
A. ボンネットを自分で勝手に開けたり、自分の操作ミスによってボンネットに挟まれた場合は、治療費は請求できないでしょう
今回のケースのポイントは、ボンネットは開いていたのか、倒れた原因はなにかの2点です。もしボンネットが閉まっていたとしたら、ボンネットを支える機構が故障して危険だから開けていない可能性もあります。それを勝手に開けてケガをしたとしたなら、治療費を請求することは難しいでしょう。
では、ボンネットが開いた状態で展示してあればどうでしょう。これは「ご自由にご覧ください」という意思表示と取れます。この場合は販売店には善管注意義務が発生するので、急に閉じてケガをした責任を問える可能性があります。治療費はもちろんのこと、ケガが原因で仕事を休んだりしたら休業補償を受けられるでしょう。
ただし、これもボンネットを支える機構が壊れていることが前提です。もしも自分のミスでケガをした場合は、やはり治療費の請求は難しいと考えられます。
ここがポイント!
展示場で車を見るときには、必ず店員さんに一声かけること。そのときに注意事項を提示されなかったら、販売店の管理体制を問うことができる可能性があります。
■使える法律用語■
善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)
行為者の職業や社会的地位に応じて通常期待されている注意義務のこと。専門家やプロは、取引において一般的・客観的に要求される平均的な注意をする必要がある日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
第161回 エンジンルームをチェック中、ボンネットに挟まれた! /渋滞ができる法律相談所