Q. 試乗中の物損事故、修理代は全額負担になりますか?

試乗中に物損事故を起こしてしまいました。隣には店員さんも同乗していたのですが、修理代はすべて支払う必要がありますか?

A. 法律上は賠償責任はあるが、必ずしも全額ではない
販売店がこのような場合に備えた保険に加入をしている場合も

法律上は、事故を起こした本人に支払いの義務があります。ただし、隣に店員さんが乗っていたということは、その店員さんの監督下にあったとも考えられますし、事故を未然に防げた可能性もあります。その場合は、過失相殺により、販売店側にも過失割合に応じた負担が発生します。

また、販売店によっては、商品である自動車について、保管・輸送中などの過程での事故をカバーする保険に加入している場合があります。過失割合にもよりますが、この場合は、保険から修理費が支払われる可能性が高いでしょう。

ただし、中古車の場合は自賠責保険にしか加入していないケースも考えられます。自賠責保険に入っているのだから・・・、と考えるかもしれませんが、自賠責保険は対人賠償のみで物損は対象になりません。試乗の際には細心の注意を払うようにしてください。

ここがポイント!

過失割合に応じた賠償責任が発生。物損事故には自賠責保険は使えない。
試乗前に、販売店の保険加入の状態を確認して、安全運転を心がけましょう。
運転に自信がない場合は、店員さんに運転をお願いして助手席に乗せてもらう判断も。

■使える法律用語■

過失相殺(かしつそうさい)
民法第722条第2項。事故や損害について、被害者側にも過失がある場合には、加害者の損害賠償額を決める際に、被害者側の過失の程度に応じ過失割合に相当する額が免除される。