スズキ スイフト ▲完全再現した次期スイフト像。恒例の黒いAピラーに加えてルーフが別色に塗装されるツートーン仕様も引き続き用意されるだろう

キビキビした走りを予感させる凝縮感は継承

次期スイフトの開発が佳境を迎えている。エクステリアを分析したところ、随所にチャレンジングな要素が織り込まれて目新しさが醸し出されるようだ。

フロントには3次元ヘッドランプと、大きく口を開けたラジエターグリル一体のエアインテークが継承される。中でも目を引くのはヘッドランプで、立体的な形状に設計されてノーズ先端でインパクトを放つ。

ノーズは前方に突き出しており、カモノハシの愛称で親しまれた新幹線700系を思い浮かべそうなほどスランとしている。フード開口線は曲線で構成されていてノーズ上面をグルリと半周する。

Aピラーにはお馴染みのブラックアウト処理が施されてウインドウがラップラウンドした印象を踏襲。なお、国内仕様はフェンダーなど一部の外板パネルが作り分けられて5ナンバー幅に収まる全幅に抑えられる公算が大きい。
 

スズキ スイフト▲海外向けスイフトスポーツに先行搭載されている1.4Lエンジンには電動VVTが採用されている。国内仕様への搭載が待ち遠しい

2モーター式HEV廃止でマイルド方式に集約か

エンジンは最新の1.2Lに置き換えられる。各シリンダーに2個のインジェクターが配される構造をそのままに、効率アップを狙って噴射システムの制御が見直される。

さらには電動VVT(可変バルブタイミング機構)、可変式オイルポンプ、電子制御の冷却システムなどが起用される見込みだ。

時流に合わせてマイルドHEVは拡大展開される可能性が高い。スターター兼ジェネレーターや、小型リチウムイオン電池で構成されるシステムは重量が7㎏以下に抑えられる。バッテリー容量も拡大されるかもしれない。

現行ソリオと同じく、スイフトからも2モーター式のストロングHEVは姿を消すかもしれない。これは、コンパクトカーの購入者の多くが秀でた環境性能よりも手頃な価格を優先する傾向が強いためだ。

スズキは燃費と価格のバランスが優れているマイルドHEVで大半のニーズが満たせるとみている模様。スズキが定めているマイルドHEVとストロングHEVの価格差は約20万円で、コンパクトカー購入者にとってこの差は小さくない。

次期5代目スイフトは早ければ2022年末、遅くても23年夏には発表されるだろう。また、高性能版のスイフトスポーツは最大で1年ほど遅れて刷新される。

スイフトスポーツにもスターター兼ジェネレーターが用いられて48VマイルドHEVに仕立てられる。1.4Lターボの軽快な走りはそのままに、環境性能にも磨きがかけられるだろう。
 

スズキ スイフト▲2016年12月デビューの現行4代目スイフト。軽量プラットフォームとマイルドハイブリッドを身に付けて登場し、翌17年には公称燃費32.0㎞/Lの2モーター式HEVも加わった
※2022年9月21日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

 

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2023年6月
■全長×全幅×全高:3870×1695×1500(mm)
■搭載エンジン:1.2L 直4+モーター 他
 

文/マガジンX編集部
写真/マガジンX編集部、スズキ