インディをはじめ、数々のレースで活躍するプロレーシングドライバー・ロジャー安川氏が、北米でしか販売されていない魅力的な車を日本のみなさんに紹介します。

運動性能を高め、スポーティに生まれ変わった

日産 マキシマ フロントスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫 日産 マキシマ リアスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑プラットフォームには走りに好評のあるDプラットフォームを採用。ブーメラン形のフロントランプが特徴的で、「4ドアスポーツカー」を主張するモデル
去年フルモデルチェンジが行われ、日産が「4ドアスポーツカー」と主張する、2009年モデルの日産 マキシマ。今回で7代目となるこのモデルには、北米で販売されているアルティマやムラーノと共用するDプラットフォームが採用されました。同じくDプラットフォームである日本のティアナは、同じ排気量と駆動方式(FF)です。サイズを比べると、ティアナより全長で9mm、全高で7mm小さくなっていますが、全幅で64mm大きくなっています。
ライバル車は北米版のトヨタ カムリやホンダ アコードになります。先代モデルよりもホイールベースが48mm短くなり、全高は13mm低く、全幅は38mm広がったサイズは、まさに運動性能を高めるためのものと言えます。さらにデザインも先代モデルは丸みがあってつかみどころがなかったのに対し、全体的によりシャープに変更されています。ヘッドライトは、Z34でも採用されたブーメラン形になっていて、アグレッシブな印象を受けます。

日産 マキシマ インパネ|ロジャー安川の米国自動車浪漫 日産 マキシマ 後部座席|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑車内はゆったりしていて後部座席も快適。シートの革の質感やインテリアのデザインもグッド!! インフィニティとほぼ同じクォリティーと考えると、かなりお買い得です
今回試乗したスポーツパッケージには19インチホイールとリアスポイラーが装備され、ドライブを“その気”にさせるよう誘い込んでくるような内容になっています。さらにテクノロジーパッケージを装備すると3万7415ドル(約370万円)と、このクラスの車にしては少し割高な感じもしますが、パフォーマンス的には十分満足のいく内容となっています。
インテリアに関しては、インフィニティのG(スカイライン)セダンやM(フーガ)を思い出させるデザインになっていて、内装のクォリティに関しては競合するモデルのカムリやアコードと比較すると上質に見えます。センターコンソールのパーツにはカーボンルックスの素材が採用されていてレーシーな雰囲気を演出しています。シートのホールド感も高く、コーナリング中に身体をしっかり押さえ込んでくれます。

日産 マキシマ エンジン|ロジャー安川の米国自動車浪漫 日産 マキシマ 走り|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑VQ35DEエンジンからはお馴染みの重低音が利いたエグゾーストサウンドが楽しめます。CVTのマニュアルモードは物凄くスムーズにシフトしてくれ、パドルシフトを使うことでスポーツ走行も可能に
VQ35DEエンジンからは、290psのパワーが発揮され、このクラスのセダンにしては十分なパワーを備えていると言えます。ミッションはティアナ同様にマニュアルモード付きCVTで、パドルシフトを備えたモデルもあります。
個人的にはルックスも走りも、日本で販売されているティアナより、マキシマのほうが断然いいと感じます。明らかにファミリィタイプな高級セダンから、スポーティなエグゼクティブタイプのセダンに変身した2009年モデルのマキシマ。ぜひ、統一モデルとして世界中で販売してほしいと思います。

主要諸元のグレード:MAXIMA 3.5 SV with Sport & Technology Package 駆動方式:FF トランスミッション:マニュアルモード付きCVT 
全長×全幅×全高:4841mmX1859mmX1468mm ホイールベース:2776mm 車両重量:1623kg 乗車定員:5名 エンジン種類:DOHC V型 6気筒 
総排気量:3.5L 最高出力:290ps/6400rpm 最大トルク:36.1kg-m/4400rpm 10・15モード燃費(km/L):- 
ガソリン種類/容量:無鉛プレミアム/76L 車両本体価格:3万7415ドル(約370万円)

(Tester/ロジャー安川 Photo/竹内英士)