カーセンサーで見かける「謎用語」を解説! あなたはいくつ知っている??
2025/05/26

カーセンサーで見かける謎の用語たち、これってどういう意味!?
中古車をさがしているとき、車名やグレード名のあとにいくつかの単語が並べられていることを見かけることがあるハズ。
実はこれ、その車両に備わっている装備を表しており、一目でおおよその装備内容がわかるように中古車販売店側が入力してくれているものなのです。
もちろん各車両の詳細な装備については、その物件のリンクをポチっと押せば確認できるようになってはいます。しかし、星の数ほどある中古車を1台1台ポチっとしていてはいくら時間があっても足りませんから、一瞬で判別ができるようになっているのは非常にありがたいところでしょう。
ただ、この部分に入力できる文字数には限りがあるため、省略して掲載されていることもしばしば。そのため、よく見かける略語だけどイマイチ意味がわからないという人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、カーセンサーで(買いもしないのに)日常的に物件を見漁っている筆者が、これらの謎用語たちを解説していきます。
謎用語1|スマキー/インテリキー
スマキーやインテリキーと略されることが多いこの装備。“キー”と付いているからカギにまつわることだというのはおわかりになるかと思いますが、スマキーは「スマートキー」、インテリキーは「インテリジェントキー」の略となります。
といっても見た目が非常にスマートでエレガントなキーというワケでも、知能を有していて対話ができるキーというワケでもなく、そのキーを持っているだけでドアの解錠や施錠ができ、プッシュスタートでエンジンをかけることができるキーの総称となっています。
近年では軽自動車でも上級グレードなどでは標準装備となる車種が増えてきましたが、ひと昔前の車種では高級車のみに備わる装備であったため、そのような年式の車両の説明に記載されることが多い用語です。

謎用語2|ACC/追従クルコン/クルコン
ACというとエアーコンディショナー、つまりエアコンの略であり、エアコンが上級装備だった昭和のころはアピールポイントとして堂々と記載されることが多くありましたが、現在はエアコンが付いていない車はほぼないため、見かける機会もグッと減りました。
ではACCとは何かというと「アダプティブクルーズコントロール」の頭文字をとったもので、「追従クルコン」も同様の意味をもっています。
これは車両に備わるレーダーやレーザー、カメラといったハイテク装備を用いて前走車との距離や速度差を感知し、設定した範囲の速度内で加減速をしてくれるというクルーズコントロールの上位版。完全に車まかせにするのはNGですが、ある程度は車側で速度をコントロールしてくれるのでアクセルやブレーキの操作が不要となるため、長距離運転の疲労軽減にも寄与してくれるのです。
なお、単に「クルーズコントロール」と記載されている場合は、単に設定した速度をキープするだけのクルーズコントロールとなるため、遅い前走車がいた場合はそのまま突っ込んでしまうので、必ずどのタイプのクルーズコントロールであるかのチェックは必須です。

謎用語3|Bカメ
さすがに「Bカメ」くらいはわかりますよね~と思ったら、車に興味のない知人が「ブレーキカメラ?」とか言い出したので、念のためにお伝えしておくと、これは「バックカメラ」を意味しています。
バックカメラとはギアをリバース(後退)に入れると後ろの状況をナビ画面やルームミラーに映し出してくれるもので、後退時の安全に大きく寄与してくれるもの。ただカメラの映す範囲には限界があるので、必ず目視も併用しながら後退するようにしましょう。

謎用語4|電スラ/Pスラ/PS
ファミリーに大人気のミニバンに備わるスライドドアですが、意外と操作するのは力が必要で、女性やお子さん、年輩の方などはしっかり締めるのに難儀するもの。そんなときに心強いのが、「電スラ/Pスラ/PS」で、電動スライドドアやパワースライドドアを指しているのです。
なお、古の車にはパワーステアリングが備わっていないことも珍しくなかったため、パワーステアリング装着車のことを「PS」と表記することもありましたが、現代の車でPSとあればまず間違いなくパワースライドドアを指しています。

謎用語5|レンタアップ/リースアップ
〇〇アップ、と聞くとなんだかオトクな感覚がありますが、レンタアップやリースアップはメリットとデメリットを兼ね備えたものとなっています。
このレンタアップとはレンタカー上がり、リースアップとはリース上がりを指しており、過去にレンタカーやリース車両として使用されてきたことを示しているのです。
レンタカーやリース車両は定期的な法定点検はキッチリとされているため、安心感の高いものと言えそうですが、その一方で不特定多数の人が乗るということで敬遠されることもあって敬遠される要因ともなっています。そのため、レンタカー歴のある車両については記載義務が定められているほど。
一方で、レンタアップ車は相場よりも若干安めとなることが多くなりますが、低走行高年式であればあえて狙うという人もいるようです。

謎用語6|ブレサポ/スマアシ/エマブレ
自動車用語にカタカナ4文字多すぎ説を唱えたくなりますが、これらはそれぞれ「ブレーキサポート(スズキ)」、「スマートアシスト(ダイハツ)、「エマージェンシーブレーキ(日産)」の略であり、衝突被害軽減ブレーキのことを指しています。
細かな性能などについての説明は省きますが、どれも衝突の危険性が高まったときに車側でブレーキをかけて衝突の回避、もしくは衝突時の被害を軽減するというもの。
現在販売中の新車の乗用車はすでに装着が義務付けられている装備となりますが、ちょっと前まではグレードごとの設定であったりオプション設定であったりしたので、安全を求めるなら要チェックな項目と言えるでしょう。

謎用語7|AW
AWと聞いて初代MR2を脳裏に思い浮かべるのはかなりのマニアの人であり(わからない人はスルーしてください……)、中古車でAWと記載がされていた場合は、アルミホイール(Aluminum Wheel)のことを指しています。
最近ではほとんどの乗用車にアルミホイールが標準で装着されるようになってきているため、AWという表記単体では見ることは少なくなりましたが、「19AW」のように数字との組み合わせの場合は、“19インチのアルミホイールを装着している”ことを指していて、インチアップなどのドレスアップがなされている車両でよく見かける表現となっています。

謎用語8|DA
車内でのエンターテインメントの要といえば、カーオーディオやナビゲーションシステムですが、近年はDAと呼ばれるものが増えてきています。
ダ?? いえいえ、これは「ディスプレイオーディオ」の略で、いわば大型の画面が付いたオーディオ機器といったもの。そのため、見た目はナビに近いものとなっていますが、ナビとの大きな違いはDA単体ではナビとして使うことができないという点です。
メーカー純正のDAではナビ用のソフトやSDカードなどを追加購入することでナビ機能をプラスすることもできますが、市販のDAの場合はスマートフォンと接続することで、スマホ内にあるナビアプリをDA側に表示させてナビとして使うことができるようになっています。
スマホに慣れている人であれば利便性の高いものとなっていますが、そうでない人は「ナビだと思ったらDAだった」というようなことがないようにチェックしたいところです。

謎用語9|電格
電格と書かれるとなんだか品格がありそうな雰囲気も漂いますが、実はなんということはない「電動格納ドアミラー」の略となっています。
日本車では一部の商用車を除いてほとんど備わっている装備ではありますが、アメリカなどの一部の地域ではあまり普及していない装備となっており、正規輸入車のみに装着されていたりもするため、輸入車などでは記載されることがある用語なのです。

謎用語10|Pシート
ここまでしっかり読んできた人であれば、Pという文字が電動/パワーという意味であることはすでにご存じのハズ。つまりPシートとは電動シート/パワーシートのことを指しています。
高級車に採用されることが多いPシートは、モーターで座席の位置や背もたれの角度を調節するため、一気に大きく動かしたいときには不向きとなりますが、手動タイプよりも細かな調整ができるため、より乗員にフィットした着座位置を実現することができるというメリットがあります。
一方で、故障したときは一般ユーザーレベルでは対処のしようがないという面も併せもっているため、敬遠する人も一定数いる装備となっています。

今回はカーセンサーで見かける用語・略語をいくつかピックアップしてご紹介しました。みなさんはいくつわかりましたか?
もし「こんな用語はどんな意味!?」というわからないものがあった場合、ご一報いただければもしかしたら第2弾、第3弾と続くかもしれません……!

自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、シビックタイプRに17系クラウンなど雑多な車種を所有中。