グッドイヤー▲今回は、カーセンサー編集部としては珍しいタイヤの試乗会へ。GOOD YEARの新型タイヤの試乗の模様をお届けする

メガーヌとステルヴィオに新型タイヤを履いてインプレッション

F1グランプリで30年以上タイヤを供給し続け、通算368勝もの勝利を積み重ねたタイヤメーカー「GOOD YEAR」が、ハイパフォーマンスタイヤ『EAGLEシリーズ』の新商品を発表した。神奈川県箱根町で新商品を試すことができるということで、タイヤの良し悪しなど普段はあまり気にしていない編集部員2名が試乗会に参加してきた。
 

グッドイヤー ▲今回の主役はタイヤだ

我々が試乗したのは「EAGLE F1 SUPERSPORT×ルノー メガーヌR.S.」と「EAGLE F1 ASYMMETRIC 3 SUV×アルファ ロメオ ステルヴィオ」の2パターン。

箱根ターンパイクや伊豆スカイラインなど、ワインディング中心の一部荒れた路面もある一般道での試乗となった。
 

車が変わったと思えるくらい実は重要なパーツがタイヤだ!

そもそも、タイヤの性能差について体感的に理解し、こだわって選んでいる人はそれほど多いとは思えない。

なぜなら、タイヤを購入する頻度は年間1万km未満ほどの走行しかしない人で数年に1回くらい。そして、多くの人にとって買い替え時の選定基準は「性能差」よりも「価格差」だろう。多少知識のある人で「諸元に表記された性能と価格のバランス」を気にする程度かもしれない。

でも、新品のタイヤに交換した直後の乗り心地や静粛性、ハンドリングなどの変化については多くの人が経験しているはず。経年劣化や摩耗していた古いタイヤと新品のタイヤの差だけでも、もはや車が変わったんじゃないか、というくらいの大きな変化を感じることができるからだ。

言い換えれば、高性能なタイヤを装着すれば、マイカーの走行フィーリングもガラリと変わるということ。つまり、タイヤこそオーナーのセレクト次第で装着後数年間のマイカーの乗り味を左右してしまう、非常に重要なパーツと言えるのだ。
 

高性能FFスポーツ×EAGLE F1 SUPERSPORT

グッドイヤー ▲EAGLE F1 SUPERSPORTを試した試乗車はルノー メガーヌR.S.。前後とも19インチの245/35というサイズ
大脇
大脇

メガーヌはFFなのに信じられないスピードでグイグイ曲がっていくコーナーリングマシン。こういったタイプの車を好む人は、タイヤのハンドリング性能とかにはこだわりが強そうだね。しかもかなりパワーがある車だからグリップ性能も無視はできない。

大平
大平

このタイヤは「パワーショルダーテクノロジー」と呼ばれる大型のショルダーブロック構造を採用しているみたいです。あと、タイヤの側面にあたるサイドウォールと呼ばれる部分の剛性を強化しているみたいなので、タイヤの外側に負荷がかかるコーナーリング時のカッチリ感やグリップ感は高いと思いますよ。

大脇
大脇

確かに外側のブロックパターンが大きいね。車好きがよく言う「キビキビ感」みたいなステアリング操作に対する応答性も高そうだ。これは高速安定性とかにも貢献しているんだろうか。

大平
大平

当然貢献しているんじゃないかと思いますよ。加えて、高速走行中は遠心力でタイヤが膨らもうとするんですけど、膨らんでしまうと路面との接地面が減るのでグリップ力を発揮できなくなります。このタイヤは高速域でのトレッド変形、つまりその膨らみを抑圧するテクノロジーが採用されているようです。

大脇
大脇

じゃあ、サーキット走行とかも楽しむようなスポーツカー好きなユーザーの評価も高そうだね。実際に走らせてみようか。

グッドイヤー ▲ドライ条件でのコーナーリングの安定性は想像以上に高い。流す程度のスピードでもスポーツカーのポテンシャルをしっかりと引き出すことができる性能を感じることができた
大平
大平

助手席から感じられるのは、静粛性の高さとモッチリというのかな、ねっとりと路面に食いついているという印象ですけど、どうです?

大脇
大脇

そうね、モッチリっていう表現はよくわかるね。もともとこの車のサスペンションは普通の車に比べれば、少し固めにセッティングされているはずなんだけど、路面のちょっとした凹凸を踏んだときに車体に伝わる振動が柔らかい感じがする。

大平
大平

乗り心地良いですもんね。こういう走りを楽しめるモデルも普段は市街地を走ることの方が多いから、偏平率の高いタイヤでも静粛性やクッション性が高いことはありがたいですね。

大脇
大脇

コーナーリング中は、確かな接地感やグリップしているという安心感がステアリングから腕に伝わってくる。まだまだ踏めるという余裕も感じるね。さっき言っていた新採用の技術の恩恵なんだろうか。いいタイヤだと感じるよ。では、運転を代わろう。後ろにも乗ってみたい。

グッドイヤー
大平
大平

メガーヌ、アクセルをうかつに踏むとものすごい加速をしますね!! でも、ホイールスピンもせずグッと食いついている感じがわかりますよ。上りのFFはトラクションがヌケがちですが、ステアリングの舵角に対する応答性も高いままというのは、車の性能もあるのかもしれませんがタイヤの影響もあるでしょうね。

大脇
大脇

気のせいかリアの乗り心地も悪くないね。ロードノイズもさほど気にならないな。

大平
大平

社用車のRX-8に履かせてサーキット走らせたら一気に数秒くらいタイム伸びちゃうんじゃないでしょうか(笑)。

SUV×EAGLE F1 ASYMMETRIC 3 SUV

グッドイヤー ▲EAGLE F1 ASYMMETRIC 3 SUVを試した試乗車はアルファ ロメオ ステルヴィオ。前後とも20インチの255/45というサイズ
大平
大平

このタイヤは同じEAGLEシリーズのSUV用ですね。しかもウルトラハイパフォーマンスというコンフォート性能よりもスポーツ性能に寄せた最も運動性能の高いタイヤです。SUVといっても今はスポーツカー顔負けのハイスペックモデルがあるので、そういったモデル用ですね。

大脇
大脇

試乗経験のあるSUVの中では、ステルヴィオの走りのキビキビ感はめちゃくちゃ高い。悪く言えばSUVでこの反応の鋭さは危ないんじゃないか?と思えるくらい。でもその車名の由来も考えると、クイックイッと回頭するこういうSUVは好きだな。

大平
大平

本当だ! すごいクイックですね。でも、このタイヤがステルヴィオの特徴をさらに強調しているという感じがします。偏平率45というサイズもあるかもしれませんが、コーナーでぐにゃりという感覚は皆無ですね。

グッドイヤー
大脇
大脇

一般的にSUVは車重がある。また、昨今はハイブリッドやEVといったさらに重量が増したモデルも増えてきている。当然SUVなら荷物をたくさん積んで人も乗せて使うことが多い。そうなると減速や停止するためのグリップ力が甘いタイヤは怖いよね。

大平
大平

ですね。さらに路面が濡れているときなどは、タイヤの性能しか頼れません。今日はドライ環境なので試せませんが、このタイヤのウエット性能はものすごく高いようです。ちなみに、タイトなS字が続く下りのワインディングの試乗では、ブレーキを踏んだ分だけきっちり減速するグリップ力が感じられました。ブレーキを少し残しながらのコーナー侵入とかは気持ちが良いくらいでしたよ。

グッドイヤー
大脇
大脇

普段乗っている自分の車に装着して試せていたら、今履いている型落ちモデルのタイヤとの差がバッチリわかるんだろうなぁ。

大平
大平

サーキット練習用の社用車の次なるタイヤはEAGLEシリーズにしてみますか! 絶対にタイム上がりますよ!

最新タイヤで絶版モデルも乗り心地が生まれ変わる!

グッドイヤー ▲撮影用に展示されていたR34型の日産 スカイラインGT-R

試乗会会場にはEAGLE F1 SUPERSPORTを履いたスカイラインGT-R(R34型)も展示されていた。絶版モデルとはいえ、今でも一級品の性能を有する人気の高性能スポーツカー。試乗はできなかったが、EAGLE F1 SUPERSPORTの性能も加わることで、テンションが上がる走りを楽しめるに違いない!

普段、タイヤの性能については無頓着な編集部員でも、タイヤの性能進化を感じることができた。それくらいタイヤというのは重要なパーツなのだ、と言うことができる。

中古車選びの際には、ぜひ履いているタイヤにも注目してみよう。タイヤの減り具合や製造年に加え、ブランド名や商品名もチェックしてみてほしい。

そして、タイヤの履き替え時が、選んだタイヤで車を買い替えたと思えるくらいの感覚を得ることができる絶好のチャンス。値段も大事だが、性能面にも目を向けてみることで、充実した楽しいカーライフを送ることができる。
 

文/編集部、写真/奥隅圭之