三菱 コルト ▲新生コルトはコンポーネントや外板パネルをルノー ルーテシアと共有しながら独自のフロントマスクを身につけて、ダイナミックシールドを連想させる表情に仕上がるはずだ。だが、ヨーロッパ専売にとどまり、日本では発売されないだろう

RVRは国内廃止の可能性も

ジャンルごとにリーダーとフォロワーを定めて得意分野でチカラを発揮していく方式を推し進める日産、三菱、ルノーアライアンス。しかし、三菱の存在感はというとコルトのブランドは復活するも、その実態はOEMモデルによる補完である。

三菱は事業の取捨選択を進め、アジア地域に軸足を置くことを決めた。一方で、ヨーロッパ事業は縮小し、2023年に現地で発表する新型車2モデルをルノー製、つまりOEMモデルに切り替える旨を公表した。ひとつは次期ASX(日本名RVR)、もうひとつはコンパクト2BOXだ。

RVRは、2010年に発売されてから12年が経過しているロングセラー。世界的にSUV人気が高まっている昨今、世代交代で商品力を高めればもっとポテンシャルを発揮できるはずだ。

しかし、三菱は独自開発を見送りルノーからOEM供給を受ける方針を決めた。わざわざヨーロッパから日本に輸入販売してもコストが合わないため、国内でのRVRブランドは現行モデルをもって終わる可能性も出てきた。

三菱 コルト▲「日独まじめなコンパクト」をキーワードに掲げて2002年にリリースされたコルト。ワンモーションフォルム、仕様が自由に選べるシステムが売りだった

ルノー ルーテシアがベースのコルト

三菱は欧州でコンパクト2BOXとしてミラージュを販売しているが、こちらも2012年にリリースされてから10年が経過した。

タイで生産されて日本や欧州、北米など各地に輸出されている同車は新興国需要を中心に見据えて開発されたため、成熟市場でのニーズを十分に満たせなかった側面もある。

2BOXに関してはモデルチェンジという形態ではなく、別のモデルをラインナップすることで補完する。

ベースとなるのはルノー ルーテシアのようだ。フロントマスクには、ダイナミックシールドをアレンジしたメッキモールが装着されることで独自の顔つきが作り出される。

逆に、ボンネットフードやドアなど外板パネルはベース車から流用される可能性が高い。もちろん、搭載エンジンなどのコンポーネントもルーテシアと共用される。

名称にはコルトが用いられるようだ。残念ながら日本では発売されず、国内ユーザーはミラージュの刷新を待つしかないようだが、2年以内に実現する可能性は低い。

※2022年5月26日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2023年
■全長×全幅×全高:4075×1725×1470(mm)
■搭載エンジン:1.3L 直4+ターボ 他
 

text/マガジンX編集部、photo/マガジンX編集部、三菱自動車