テリー伊藤が自動車史に残る美しいSUV”レンジローバーイヴォーク”を絶賛!「これこそまさにアートです!」
カテゴリー: クルマ
タグ: ランドローバー / SUV / クロスオーバーSUV / レンジローバーイヴォーク / EDGEが効いている / テリー伊藤 / 高橋満
2022/05/28
ランドローバーがこの車を作ったことがすごい!
今回は、「ブルーオート」で出合ったランドローバー レンジローバーイヴォークについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。
~語り:テリー伊藤~
今回紹介するレンジローバーイヴォーク。それもこの2ドアモデルを僕は自動車史に残る名車だと思っています。
イヴォーク以前のSUVは、いわゆるクロカン系の無骨なイメージでした。
1990年代後半から都会的なクロスオーバーは数多く登場していました。でもそれらはどこか従来のSUVがもつ無骨なイメージを引きずっていたと思います。
ところが、イヴォークはそこと完全に決別し、オリジナリティに富んだ美しさを手に入れたのです。
しかも、このスタイルをランドローバー社が生み出したのがすごい!
砂漠のロールスロイスと評されるレンジローバーを作り、絶対的な権威をもった保守的なメーカーが、果敢にチャレンジする。東京モーターショーで日本初公開されたイヴォークを見て、僕は本当に驚きました。
同じように自動車史に残る名車として僕がよく名前を挙げるモデルが、いすゞ ビークロスです。あの未来からやってきたようなデザインを見たときも腰を抜かしそうになりました。
「すごい車を作ったねえ!」
僕はデザイナーの中村史郎さんを最大限賞賛しました。ところが、ドアを開けて運転席に乗り込んだ瞬間、別の意味で驚きましたよ。だってインテリアがビッグホーンのままなのですから。
イヴォークは、インテリアもエクステリアに負けないくらいモダンなイメージです。
イヴォークを見て世界の自動車メーカーは「この手があったか!」と気づきました。その後、同じ路線のSUVが次々に登場。現在、その頂点に君臨するのがランボルギーニ ウルスでしょう。
イヴォークの何が美しいかというと、2ドアが映えるシルエットが与えられたことです。2016年にはコンバーチブルまで登場しました。
横から見たとき、サイドウインドウが薄いのもいい。昔からカーデザインはサイドウインドウが薄ければ薄いほど“不良”なんです。
高貴なブランドがこんな車を作るなんて、実はレンジローバーってかなりぶっ飛んでいる。これはもはやアートです!
とはいえ、2ドアやコンバーチブルはそこまで売れなかったのでしょうね。フルモデルチェンジ後は4ドアのみになってしまいました。
だからこそ初代の2ドアには価値がある。中古車相場も下がる気配がありません。
きっと10年後には希少性の高さから今以上に高く評価されるでしょう。そうなる前に手に入れておきたいですね。
テリー伊藤ならこう乗る!
なんで2ドアのイヴォークは結果が出せなかったのか。きっと、あまりにも美しすぎたからではないでしょうか。
1980~90年代、若者は週末になるとボディコンや派手な色のダブルのスーツを着てディスコに足を運びました。当然ダンスフロアでは男女ともナンパにいそしむのですが、なぜか一番いいオンナ、一番いいオトコは誰からも声がかからないもの。みんな「あんな素敵な人に声をかけても相手にしてもらえるわけがない……」と尻込みしてしまうのですね。
きっと、イヴォークの2ドアも同じ心理だと思います。
「僕なんかじゃこんなにカッコいい車を乗りこなせない……」
そんなの乗ってみなければわからないですよね。そして、勇気を出して乗ればだんだんと様になってくるのに。
僕が初代イヴォークに乗るなら、迷わず2ドアを選びます。4ドアもいいのですが、2ドアと比べてしまうと“若い頃はカッコよかったのに、40歳を過ぎて普通のおじさんになってしまった”感があるのですよね。
そして、「どうだ、こっちの方がいいだろう」というオーラを思い切り出しながら街を走ります。
今、SUVはアースカラーにオールペンして、車高を少し上げて黒いホイールを履かせるスタイルが流行しています。
これは、ファッションに例えるとダボダボのパンツを履いたカジュアルなスタイルです。それも悪くないけれど、やっぱり女性ならタイトスカートにハイヒール、男性なら細身のスーツに先が尖った革靴がカッコいい。それを多くの人に気づいてもらいたい。
ドライブは海沿いのオシャレなイタリアンレストラン。それも隠れ家的なお店がいいですね。タイトスカートとハイヒールが似合う素敵な女性が運転するイヴォークの助手席に座っていられたら最高です。
ランドローバー レンジローバーイヴォーク(初代)
レンジローバーのエントリーモデルとして2012年に日本導入されたイヴォーク。2008年のデトロイトモーターショーで公開されたコンセプトモデル、LRXを製品化したコンパクトプレミアムSUVで、コンセプトカーのイメージほぼそのままの形で発売された。デビュー時は2枚ドアと4枚ドアがラインナップされ、2016年にはソフトトップを備えるコンバーチブルも設定された。搭載エンジンは2L直4ターボで、トランスミッションは6AT。2013年11月に9ATに変更されている。
演出家
テリー伊藤
1949年、東京・築地生まれ。早稲田実業高等部を経て日本大学経済学部を卒業。現在、慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科に在籍。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「ねるとん紅鯨団」「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。現在は演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。最新刊「出禁の男 テリー伊藤伝」(イーストプレス)が発売中。また、TOKYO MXでテリーさんと土屋圭市さんが車のあれこれを語る新番組「テリー土屋のくるまの話」(毎週月曜26:35~)が放送中。YouTube公式チャンネル『テリー伊藤のお笑いバックドロップ』も配信中。