スズキ スイフトスポーツ ▲つり上がったヘッドランプとブラックアウト仕上げのAピラーによってスイフトらしさが保たれるだろう次期スイフトスポーツ

すでに海外向けには電動デバイスを搭載

スズキ登録車の代表選手といってもよいスイフト。2016年に標準車が翌17年に高性能版の「スイスポ」こと、スイフトスポーツが登場して4年以上経過した。

当然ながら次期モデルの開発はスタートしている。ここではスイフトスポーツに焦点を当てて内容を予想したい。

現行スイスポで、1.4Lターボが起用されて注目を集めたことは記憶に新しいだろう。実は欧州では、2020年から電動VVT採用のユニットに置き換わっている。

わざわざエンジンが変更されたのは、ユーロ6(欧州排出ガス規制)に対応するためだ。48Vのマイルドハイブリッド機構が組み合わされて、システム出力は129ps/24.0㎏-mをマークしている。

当然、ターボチャージャーも継承。システム全体の重量が15㎏増に抑えられている点もチェックポイントだ。結果的にカタログ燃費は6%向上している。

スズキ スイフトスポーツ▲すでにヨーロッパ仕様は48VマイルドHEV化が済んでおり、1.4Lターボは吸気側に電動VVTを有するユニットに切り替わっている

マイルドハイブリッドユニットの導入は?

ヨーロッパにマイルドハイブリッドユニットが投入されてから1年以上が経過した現在も日本仕様に搭載されていないため、現行モデルでの国内導入は計画されていないかもしれない。

ただし、スズキも電動化に取り組む必要に迫られていることは例外ではなく、次期モデルで実用化される可能性は高い。

掲載した外観イラストは予想の範囲を出ないが、つり目を連想させるヘッドランプ、ウインドウガラスがキャビンをグルっと取り巻いているかのように見えるブラックアウト仕上げのAピラー、小気味よさを感じさせる短い前後オーバーハングは、アイデンティティとして受け継がれるだろう。

ここまではスズキの手によって真っ当に開発されて、スイフトらしさが受け継がれることを予想してきた。だが、次期スイスポの開発プロジェクトに一枚かめないか? と狙っている存在がいる。

スズキ スイフトスポーツ▲新シャシーによって70㎏の軽量化を達成し、1.4Lターボが搭載された現行スイフトスポーツ。ワイドフェンダー採用によって3ナンバー化。安全面では車線逸脱抑制機能がスズキ車で初採用された

トヨタが1.4Lターボを開発

トヨタが、1.4Lターボでレースに参戦することを発表した。開発の理由はいくつか考えられるがまず、GRヤリスが焦点を当てているラリーのレギュレーション。

現在の1.6Lにターボ係数の1.7を適用すると排気量2.7Lに換算される。すると、WRXなど排気量2.5L以上のトップクラスに振り分けられる。ひとつ下のクラスで有利に戦う前提で逆算すると、1.4Lであればターボ係数を適用しても2.4Lを下回ってプライベーターの需要増加にも期待ができる。

そこで、浮上したのが、新ユニットをGRヤリスや他のスポーツモデルに広めたとしても減価償却は進められない。

そこでトヨタは「仲間づくり」と称して関係を結んできた各社に売り込む、いわば行商も検討している模様だ。

すでに、1.4Lターボを商品化しているスズキも標的になるだろう。まさに、スイスポにいかがですか? と言わんばかりに打診されるかもしれない。

スズキは、1.4Lターボ+マイルドハイブリッドを仕立てたばかり。こんな話を持ち込まれても「ありがた迷惑」だろう。次期スイスポが変な方向に進まないといいのだが。

※2022年1月19日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2022年以降
■全長×全幅×全高:3900×1735×1500(mm)
■搭載エンジン:1.4L 直4+ターボ

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、スズキ