フィアット 500▲1957年に登場した名車の復活モデルとなる3ドアハッチバック。初代のテイストを損なわないようにデザインされたという、丸みを帯びたかわいらしいフォルムやプレスライン、丸型ヘッドランプなどのモチーフを生かしつつ、現代的にアレンジされたスタイリングをもつ
 

こんにちは、カーライフ・エッセイストの吉田由美です!

カーセンサーの本でも連載している企画「勝手にハッピーバースデー」。

この企画では、発売したタイミングをその車の誕生日と見立てて、○年後に○歳おめでとう! と勝手にお祝いをしていきます。
 

フィアット 500(現行型)を勝手にハッピーバースデー!

今月お祝いするのは、”イタリアの国民車”と呼ばれているフィアット 500です。  

この車を「チンクエチェント」と呼ぶ人もいます。

知ってる人にとっては何の違和感もない呼び名ですが、知らない人にとってはそもそも「?」。

うふふ。それはですね。イタリア語でチンクエチェントというのは500の意味なのです。

省略して“チンク”と呼ぶ人もいますが、ニックネームで呼ばれるほど、多くの人に愛されている、ということでしょう。

まあ、これだけキュートなデザインですから、愛されて当然ですけどね(笑)。

そして、 今回ご紹介するのは欧州では2007年に発売され、日本では2008年に発売された現行型フィアット 500。

次期型はEVになると、一昨年、アナウンスがありました。

時代とはいえ、なんとなく寂しい気がします。

さて、現行型フィアット 500の日本発表会での話に戻ります!

会場は東京都千代田区九段にあるイタリア文化会館でした。 

初めて行った場所でしたが、会場には満開の桜の木。

しかも、そこに生えているものではなく、このイベントのために用意されたものだったとか。

なぜそれが印象的だったかというと、車の発売は3月ですが、発表会が行われたのは2月。

リアルに咲く桜にはまだ少し早いですから。

季節を先取りした会場には日本一有名な先代フィアット 500オーナー(?)ルパン三世!……の生みの親、モンキー・パンチ氏が登場。

この時、ルパン三世の登場40周年を記念した新作ビデオ「GREEN vs RED」の予告編が上映されたのです。

もしや、劇中に2代目フィアット 500が登場か? と思われましたが、やっぱり相変わらず初代のまま。

ちょっと残念。期待してしまいました(笑) 。

あれから14年。

現在もまだ、現行型として販売されていますが、なによりその魅力は古さを感じさせない伝統的なフォルム。

小動物系のルックスは確かに年齢や性別を超えて、誰もが「カワイイ」と思ってしまうすご腕デザイン。

フィアット 500のデザインを見ていくと、細かい部分のデザインや素材の使い方で魅力的な車になっています。

まずは、エクステリアから。
 

フィアット 500

ヘッドライトやリアライトには、まつ毛のようなデザインが施されています。
 

フィアット 500

そして、インテリアも抜群にキュート。

シートの素材は、つるっとした無地のファブリック生地。

赤と白のツートーンコンビネーションで、背もたれと座面は赤で、背中部分から上が白。

派手になりそうな組み合わせですが、まるで白い襟のブラウスを着ているようで、清楚に見えます。 
 

フィアット 500

インパネはボディカラーと同色の白。この素材も、艶感のあるFRP。
 

フィアット 500

スイッチ系にはクリアガラス加工や、ドアノブにクロームを採用し、全体のデザインのアクセントとなるポイント使い。
 

フィアット 500

こういうこだわりが、小さくても引け目を感じさせないポイント。
 

フィアット 500

メーターが1眼の目盛りタイプだったり、エアコンのスイッチもダイヤルタイプ。

フィアット 500

一見、チープに見えてしまうところを、センスとして納得させてしまうのは、さすがのデザイン力です。

細かいこだわりはデザインだけでなく、利便性にも表れてます。

前席後ろ部分に収納があったり、後席にフックがあったりと、さりげない気遣いもされています。
 

フィアット 500
フィアット 500

しかし、こういう部分に気づく人は少ないかもしれません。

なぜなら、見た目よりは車内は広いものの、2ドアなので大人4人だとちょっと乗り降りがツライかも。

なので、後部座席に人が乗る機会が少ない……

でも、見た目より車内は広いです(笑)。

数年間、この「フィアット 500」で、横浜から厚木まで大人4人(男性2人×女性2人)で出かけたことがあります。

“快適な広さ”ではないですが、片寄せてワイワイ言いながらドライブした感じは、それはそれで楽しかったです。
 

フィアット 500

当時、私はそれを「昭和のちゃぶ台を囲む楽しさ」とどこかに寄稿した記憶がありますが、まさにそんな感じ。

どこかレトロを感じられる素敵なイタリアの車、フィアット 500です。

こんなにキュートなら、あなたの心が盗まれても仕方ないでしょ!

14歳ハッピーバースデー!
 

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フィアット 500(現行型)×全国
文/吉田由美、写真/柳田由人
吉田由美

カーライフ・エッセイスト

吉田由美

短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクターを経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。車回りのエトセトラについて独自の視点で、自動車雑誌を中心にTV、ラジオ、WEB、イベントなどで広く活動中。様々な車を紹介するYouTube「吉田由美ちゃんねる」も好評配信中!

フィアット 500

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