ドリフトやSUPER GTで活躍する織戸 学さん「料理が好きで遊びにも行かずキッチンに立ってる」
カテゴリー: クルマ
タグ: トヨタ / スープラ / スペシャリストのTea Time / 河西啓介
2021/11/24
車で我々に夢を提供してくれている様々なスペシャリストたち。連載「スペシャリストのTea Time」は、そんなスペシャリストたちの休憩中に、一緒にお茶をしながらお話を伺うゆるふわ企画。
今回は、ドリフト競技やSUPER GTで活躍するレーシングドライバーの織戸 学さんとの“Tea Time”。
語り
織戸 学
おりど・まなぶ/1968年12月3日、千葉県生まれ。MAX ORIDOのニックネームで、世代を問わず多くのファンから愛されている。1990年にドリコンGP初代総合チャンピオンになり、本格的にモータースポーツを始め、1997年と2009年にはSUPER GT 300クラスでシリーズチャンピオンを獲得。今年度もaprよりTOYOTA GR SPORT PRIUS PHVにて参戦中!
趣味とトレーニングを兼ねて「大人のSUP部」を結成
意外って言われるけど、僕は家に居るのが好きなんだ。自宅で料理を作ったり、飲んだりするのが楽しみでね。確かに以前は仕事や遊びでぜんぜん家に帰らなかったこともあったけど(笑)。
年齢を重ねて落ち着いたのか、もちろんコロナの影響もあるかな、今はなるべく家に居るようにしてる。夜出かけることがなくなったら、めちゃくちゃラクだなってことに気づいたよ。
家に居るときはなるべく自分で料理するし、キッチンに居るのが好きなんだよね。作るのはパスタとか簡単なものだけど、手作りの料理を家族と食べてるときが幸せだね。そのうちキッチンをリフォームして調理道具なんかにもこだわりたいな。
最近始めた趣味はサップ(Stand Up Paddleboard/SUP)だね。高校生の頃サーフィンをやってたんだけど、また海のスポーツやりたいなと思ってたところに「SUPやろうよ」って誘われて。
じゃ体幹のトレーニングも兼ねてやろうと、さっそく仲間と「大人のSUP部」ってのを結成したんだ。日の出前の湘南に行って、2時間ぐらい楽しんで、9時ぐらいには帰ってきちゃう感じ。
これまで趣味といえば車かバイクしかなかったから、すごく楽しい! 今度は川下りができるSUPを買おうかなあ、なんて考えてるところ。
年を重ねて変わった車との付き合い方
ここのところ車やバイクと接する時間も増えたね。車はAE86を2台、先代86、80スープラ2台、90スープラ、ポルシェ 911……と全部で12、3台あるから、それぞれ動かすだけでも大変なんだよ(笑)。
家でゴハンを食べたあと1人でふらっと走りたくなって、そんなに遠くには行かないけど、行き先決めず高速をぐるっと回ったりもする。昔はレース以外で車に乗りたいと思うことはあまりなかったけど、今はそういうのが楽しいね。
2年ぐらい前から、仲間とツーリングやオフ会なんかも企画してる。正直、前は人を集めてなんかやるって、大変だしあまり興味がなかったけど、いちど90スープラだけのツーリングをやってみたらすごく楽しかった。
僕らが若い頃は夜な夜な車仲間と集まって、それが楽しみで仕事してたようなもんだったけど、この年になってそれに近い感覚を思い出したかな。いまは車種関係なく、車好きや僕のファンの人たちと集まってる。
この前も100台ぐらいで阿蘇の山を走って、広い駐車場に集まってワイワイやって。それだけなんだけど最高に楽しかったね。これは仕事じゃなくて完全に趣味(笑)。
これからもぶっちぎりで車の楽しさを作っていく
車好き仲間はやっぱり同世代の40、50代が多いけど、その子供たちにあたる10代、20代にも車に興味を持つ子が増えてる気がする。
よく“若者の車離れ”っていうけど、恐らく興味があっても買えないんだよね。僕らが若い頃って、200万円ぐらい出すとハチロクとかシルビアとか、ちょっといい車が新車で買えたよね。中古ならもっと安かった。
それに対して今は新車の価格は高いし、旧車もずいぶん高騰しちゃって、「高すぎて現実的に無理」というのがあるんだろうね。
そこは僕にはどうしようもできないけど、車で遊べる環境や場所を提供できれば乗りたくなるし、車好きも増えるだろうとは思うから、みんなで集まったり走ったりできる場所を作りたいなと。いろいろ相談したり計画したり、本気で考えているよ。
僕ら世代は車をさんざん楽しんできたけど、これからもぶっちぎりで楽しんでいくつもりだからね(笑)。若い子もそのスリップストリームに入って、付いてきてほしいね!
インタビュアー
河西啓介
1967年生まれ。自動車やバイク雑誌の編集長を務めたのち、現在も編集/ライターとして多くの媒体に携わっている。また、「モーターライフスタイリスト」としてラジオやテレビ、イベントなどで活躍。アラフィフの男たちが「武道館ライブを目指す」という目標を掲げ結成されたバンド「ROAD to BUDOKAN」のボーカルを担当。