マツダMX-30(田代哲也)

講師紹介

松本英雄

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。

田代哲也

マンガ家

田代哲也

マンガ家・イラストレーター。1987年『週刊少年ジャンプ・サマースペシャル』(集英社)でデビュー。少年マンガ誌、青年マンガ誌、スポーツ雑誌などジャンルを問わず執筆。絵本『田んぼの昆虫たんけん隊』『水泳大好き!トラ』(星の環会)。2004年より東放学園高等専修学校、東放学園映画専門学校で講師を務める。スズキの車を5台乗り継ぎ、現在の愛車はエスクード。

マツダMX-30(田代哲也)
マツダMX-30(田代哲也)
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マツダ MX-30 EVモデル(初代) × 全国

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重要ワード(マンガ内※)解説

※1 魂動(こどう)デザイン
肉食獣が獲物に飛びかかる直前に力を蓄えたときの姿にヒントを得たというマツダのデザインテーマ。2012年2月に登場した初代CX-5で初採用され、2016年12月登場の2代目CX-5(写真)で次のステージへと進化した。

マツダMX-30▲魂動デザインでマツダ車は世界的な評価を得て、数々の賞を受賞している

※2 路線変更
MX-30のデザインコンセプトは、魂動デザインの解釈を広げた“ヒューマンモダン”。装飾的なラインを極力排除したシンプルな立体構成で親しみやすい表情を表現したという。ボディラインを減らす“引き算の美学”に基づくデザインはメルセデス・ベンツも採用している。

※3 観音開きの後席ドア
フリースタイルドアと名付けられた観音開きのドアは、外側にドアノブがなく、前席のドアを開けると、ドアの内側に開閉用のレバーが出てくる。マツダは2003年4月にデビューしたRX-8で初採用。この方式のドアは現行型だとBMW i3も採用している。

※4 乗り降りが楽
フリースタイルドアは車体中央にある柱(Bピラー)をドアに内蔵しているので、ドアを開けたときの後部座席へのアクセススペースはかなり広め。ただ、フリースタイルドアを開けるためには前席ドアを開ける必要があるため、一般的な4ドアと勝手は異なる。

※5 256km
100%充電した状態で走行可能な距離。同じSUVスタイルの国産EVであれば、日産の新型アリアが430~610kmを実現している。一方、シティコミューターと割り切ったモデルも増え、使い方や充電環境に合わせて選ぶ必要がある。航続距離にはバッテリー性能が大きく影響する。

※6 G-ベクタリングコントロール
ハンドルの切り始めでエンジンの駆動トルクをコントロールして四輪への接地荷重を最適化。これによりスムーズなコーナリングを実現する技術。現在はハンドルを戻すときにわずかにブレーキをかけて姿勢を安定化するG-ベクタリングコントロールプラスに進化。

マツダMX-30▲G-ベクタリングコントロールのすごさは、利いていることにドライバーが気づかないほど自然なコントロールを実現したことにある

※7 エンジン車にも搭載してみた
G-ベクタリングコントロールは2016年7月のアクセラのマイナーチェンジで初採用。そしてG-ベクタリングコントロールプラスは2018年10月に行われたCX-5の一部改良で初搭載された。MX-30のマイルドハイブリッドはG-ベクタリングコントロールプラスが搭載される。

※8 良質なシートや内装
インテリアは明るい配色で広がり感を演出。ドアトリムにはペットボトルをリサイクルした繊維素材、センターコンソールのトレイには木の表皮を収穫して作られた環境負荷の少ないコルクが用いられた。

ホンダプレリュード▲マツダは1920年に東洋コルク工業として創業した。このデザインはそんなマツダの歴史を連想させるもの

※9 ロータリーエンジン
一般的なレシプロエンジンはピストンの往復運動を回転運動に変換して車を走らせる。ロータリーエンジンはピストンの代わりに三角形のローターを爆発で回転させる仕組み。

スズキセルボ▲マツダは1967年に登場したコスモスポーツにロータリーエンジンを初搭載した

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イラスト・マンガ/田代哲也、文/高橋満(BRIDGE MAN)、監修/松本英雄、写真/マツダ
※この記事は情報誌カーセンサー2021年10月号掲載の記事をWeb用に再編成したものです。