この車に乗るなら……という視点で人気車が持つ魅力に注目するカーセンサー(雑誌)の連載。今回はトヨタ ヴォクシーをクローズアップ!

▲今年4~9月の乗用車(軽自動車・輸入車を除く)の新車登録台数で9位にランクインしているヴォクシー(日本自動車販売協会連合会のランキングより)。家族で乗るのはもちろん、1人で乗ってもサマになるかっこよさも人気の秘密だろう▲今年4~9月の乗用車(軽自動車・輸入車を除く)の新車登録台数で9位にランクインしているヴォクシー(日本自動車販売協会連合会のランキングより)。家族で乗るのはもちろん、1人で乗ってもサマになるかっこよさも人気の秘密だろう

豊富な選択肢から選ぶ鍵は、普段使いでどう乗るか

ミニバンはSUVと並んで近頃最も選択肢が多いカテゴリーだ。趣味として選ぶわけではないので家計を圧迫するほど頑張って買う類いのものではなく、予算内でサイズが合うもの、という選び方になるだろう。ヴォクシーが日本で最も売れているミニバンなのは、国内ではまだまだサイズの上限としているユーザーが多い5ナンバーサイズ、すなわち全幅1700㎜未満に収まる大きさを保っているからだろう。

予算とサイズに制限がないのならトヨタアルファード/ヴェルファイアは3列目までゆったりと乗ることができ、動力性能も高い。加えて周囲に“押し出し”が利く顔を望むならぴったりだ。多人数乗車は必要だが典型的ミニバンはイヤという人に向けてマツダはCX-8で3列シートのSUVという提案をした。走行安定性はかなり高いはずだ。

ガチンコのライバルはこれまで同様日産 セレナだ。強みはプロパイロットという自動運転技術。ドライバーに運転の責任があるのは変わらないが、渋滞時や高速走行時には基本的にステアリングに手を添えているだけでOKなのは一度体験したら戻れないほどの“楽”さ。ここはヴォクシーに対する明確なアドバンテージだ。

この他、価格的にかぶる輸入車にはVW ゴルフトゥーランが、よりコンパクトなサイズだとホンダ フリードも人気。要は高い頻度で何人乗せ、どれくらい荷物を積むかだ。

ヴォクシーに魅力を感じた方へ、オススメの中古車はこちら

人気車のライバルはもちろん新車だけではない。中古車にまで視野を広げれば選択肢は無限大に広がる。とはいえ、膨大な車種の中から選ぶのは困難な作業だ。そこで、塩見さんと編集部員がオススメの中古車をセレクト。お得に手に入るこんなモデルはいかがだろうか(※中古車価格帯、モデル流通量はともに10月19日時点のカーセンサーを参照)

プジョー 307SW(初代)

▲ミニバンに抵抗あるなら、ワゴンタイプの307SWがオススメ ▲ミニバンに抵抗あるなら、ワゴンタイプの307SWがオススメ

多人数乗車が可能なミニバンのようなワゴン
多人数乗車を必要とするなら、ワンボックスタイプのミニバンにかなうカテゴリーはない。ただし車選びに運転の楽しさという要素を盛り込むならミニバンの高い全高を削って、スペースと走行安定性のバランスを取るしかない。307SWは欧州市場がミニバンの便利さの軍門に下る直前のモデルであり、事実上のミニバンなのだが「いえ、これはミニバンなんかではなくたまたま多人数乗車が可能なワゴンのような存在です!」という意地を感じさせるスタイリングをまとっている。一線を越えたくない人にこれはアリだ。(塩見)
【中古車価格帯】30万~80万円
【モデル流通量】約30台

スバル エクシーガ(初代)

▲同じくワゴンタイプで7人乗りというパターンだが、こちらは走行安定性の高さが一番の強みだ ▲同じくワゴンタイプで7人乗りというパターンだが、こちらは走行安定性の高さが一番の強みだ

7人乗りのレガシィ!? 走行性の高さは健在!
上の307SW同様、ミニバンという一線を越えたくない人向けの日本車代表がエクシーガだ。307SW以上に「いいえ、ミニバンではありません!」という決意表明が見て取れるワゴンボディが印象的。レガシィツーリングワゴンをベースにパッケージングを見直して7人乗りを可能としている。この車の強みは、なんと言ってもレガシィ譲りの4WD技術による全天候下での走行安定性の高さ。雨の高速道路を7人乗りでトロトロと……だったらミニバンでもよいが、バビューンと走らせて時間を稼ぐならこういうモデルが必要となってくる。(塩見)
【中古車価格帯】40万~230万円
【モデル流通量】約320台

日産 ダットサン(2代目)

▲個性と荷室の広さを求めるなら、ピックアップトラックもあり!? ▲個性と荷室の広さを求めるなら、ピックアップトラックもあり!?

人も荷物も多く運びたい! でも箱形はちょっと嫌な方へ
ミニバンやステーションワゴンは、広々としていて人が快適に移動でき、荷物もたくさん積める魅力的な車だ。ただ人気のボディタイプだけあって、街中で見ない日はないほど。もし、「人と違う車が欲しい!」と思うならピックアップトラックを選択肢に加えてみてはどうだろうか。トラックと聞くと、2人乗りのイメージが強いかもしれないが、通称「Wキャブ」と呼ばれる、キャビンを2つ持つタイプがある。5人乗りの車種も多いが、ダットサンはベンチタイプのシート設定があり、前3人+後ろ3人の6人乗車が可能だ。そのうえ、約1400㎜四方の荷台にはたくさんの荷物が積める。アメリカンな見た目も、人と違った車を求める人にぴったりだ。(編集部・大平)
【中古車価格帯】60万~230万円
【モデル流通量】約40台

三菱 アウトランダー(現行型)

▲常に7人乗車がマストというわけでなければSUVも選択肢に。子供の友達からもかっこいいパパと思われるかも ▲常に7人乗車がマストというわけでなければSUVも選択肢に。子供の友達からもかっこいいパパと思われるかも

子供からも人気者になれる!? 7人乗り×SUVも選択肢に
かっこよくて多人数乗車が可能な車というとミニバンが真っ先に浮かぶが、意外とそれ以外にも選択肢はたくさんある。例えば、アウトランダーは7人乗車が可能で、走破性の高さも兼ね備えている。そして、何よりかっこいい! 所帯じみたイメージは皆無なスタイリッシュなSUVだ。こんな車で子供の送迎をすれば、子供の友達からも一目置かれそう(たぶん)。ただし、ガソリン車のみなので、燃費は16㎞/Lとヴォクシーのハイブリッド車には劣る。もし燃費の良さが重要項目で、かつ3列シートをあきらめられるのなら、PHEVモデルを選択肢に入れるのもあり。その場合、予算は250万円ほどに上げておこう。(編集部・溝上)
【中古車価格帯】160万~350万円
【モデル流通量】約90台


【解説した人】塩見智
1972年、岡山県生まれ。自動車雑誌編集部を経てフリーランスライターへ。年を重ねるにつれ、派手でパワフルな車よりも実用的で経済的な車に関心を抱くように。

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(現行型)

▼検索条件

プジョー 307SW(初代)

▼検索条件

スバル エクシーガ(初代)

▼検索条件

日産 ダットサン(2代目)

▼検索条件

三菱 アウトランダー(現行型)
text/塩見智、編集部
photo/篠原晃一、プジョー、スバル、日産、三菱