▲新生活が始まる4月は中古車を買う絶好のタイミング。ゴールデンウイークは新しい車で遊びたい! という人は早めに買う車を探しましょう ▲新生活が始まる4月は中古車を買う絶好のタイミング。ゴールデンウイークは新しい車で遊びたい! という人は早めに買う車を探しましょう

なぜ4月が中古車を買うベストタイミングなのか?

春が訪れ、新生活が始まる4月。年度末の慌ただしさを乗り切りホッとしている人も多いかと思います。
「忙しさもひと段落したし、そろそろ前から考えていた車の買い替えに本気で取り組もう」
「新生活がスタートしてみたら、やっぱり車が必要だ」
そう考えてカーセンサーを見ている人もいるはず。 実は4月は中古車をお得な条件で買えるチャンスがたくさんある月なんです。

中古車は距離や年式、色、その他、車両状態など同じ車が2つとないため、欲しいと思ったものを買うのがベスト。そのため「今は損……」というタイミングはないと言ってもいいでしょう。ただ、他の月に比べると値段が下がる傾向にあるお得なタイミングは存在します。それが流通量が多くて、お客さんが他の月より少ないタイミングです。4月はまさにこれらが重なる時期なのです。その理由を解き明かしていきましょう。

4月がお得な理由1「繁忙期が終わり客足がひと段落する」

日本では4月~翌年3月までを“年度”という形で区分しています。そのため、3月末を決算時期にしている会社が多数あります。販売店は決算セールを開催し、またお客さんも年度内に大きな出費を済ませようと2月ごろから車の購入を検討します。そのため、新車/中古車ともに2月~3月が最も売れる時期になります。

新車が2月~3月に一番売れるということは、この時期に車検時期を迎える車が多数あるということ。車検は車の買い替えを考える最も大きな要因です。そのため2月~3月に車の買い替えを考える人はさらに増えます。さらに4月から新生活が始まるため、その準備で3月中に車を手に入れようという人もいます。

多くの人が3月中に車を買い替えるため、逆に4月は買い替えを考える人が減り、中古車相場が下がりやすくなるのです。

4月がお得な理由2「中古車流通量が急増する」

中古車販売店は2月~3月の最需要期に備えて早めに販売車両を用意するため1月~2月上旬は全体的に中古車流通量が多くなります。3月にはそれらがどんどん売れていくため流通量が少なめになります。

しかし3月中に車を買い替える人が多いということは、4月にその人たちが手放した“下取り車”“買い取り車”が中古車として流通し始めます。再び中古車流通量が増えることで需要と供給のバランスが崩れ、中古車相場が下がりやすくなります。

4月がお得な理由3「登録済み未使用車やデモカーアップの低走行中古車が増える」

高年式で走行距離数10kmなのに新車より安い価格で市場に出てくる登録済み未使用車。登録済み未使用車が生まれるのには様々な理由がありますが、多く発生する時期のひとつが4月です。

2017年式(平成29年式)の登録済み未使用車が増えると、それより前の年式のものは車検残期間が短くなるなどの理由から2017年式のものより安くないとメリットがありません。そのため2016年式の中古車相場が下がってくるのです。

人気モデル、法人登録の多いモデル、軽自動車が狙い目!

では4月にはどんな車が買いやすくなるのでしょうか。3月の決算で買い替えが進むのは法人需要の多いモデルと商用モデルです。また3月に車検を迎えるのは、新車がたくさん売れているモデルほど数が多くなります。そして登録済み未使用車がたくさんあるのは軽自動車やコンパクトカーですが、ミニバンや輸入車などでも見つかります。

相場はいろいろな要素が複合して変動するものなので、一概にこれだけが理由でということを言及することは難しいものです。しかし、何年も中古車相場を見てきた筆者が、今まで挙げたお得な理由を踏まえ、この時期、お得に買える中古車の代表モデルを紹介しましょう。


まずは、人気モデルのため相場が下がっているものの中からピックアップした2車種紹介します。

トヨタ アルファード(2代目)

車両本体価格:120万~400万円
流通量:約1500台

▲現行型アルファードはまだ車両本体価格300万円以上します。2代目は車両本体価格150万円未満の中古車も増えてきました! ▲現行型アルファードはまだ車両本体価格300万円以上します。2代目は車両本体価格150万円未満の中古車も増えてきました!


家族が多いファミリーだけでなく、乗り心地の良さや装備の豪華さから法人需要も高いアルファード。相場が値上がりしやすい最需要期の1月~3月でも大きく値落ちしていましたが、4月以降もこの勢いは続くはずです。その中でも注目は2011年9月以降の後期型。流通量は増加傾向にありますが、高級感が増した後期型は人気が高いのですぐになくなってしまうかも!

ホンダ フィット(2代目)

車両本体価格:10万~130万円
流通量:約2780台

▲2010年のマイナーチェンジでハイブリッドモデルもラインナップに加わったフィット。ハイブリッドはまた車両本体価格50万円以下の中古車は少なめですが、ガソリン車はかなり買いやすくなっています ▲2010年のマイナーチェンジでハイブリッドモデルもラインナップに加わったフィット。ハイブリッドはまた車両本体価格50万円以下の中古車は少なめですが、ガソリン車はかなり買いやすくなっています


前期型は車両本体価格50万円の中古車も数多く流通していますが、これはすでに相場の底値を打った感があります。これから注目なのは2010年10月以降の後期型。現在は車両本体価格50万円以下のものはわずかですが、3月末から流通量が増え始めているので、相場が下落してくる可能性大!


続いて、法人需要が高いモデルから2車種を紹介します。

トヨタ クラウンロイヤル(現行型)

車両本体価格:210万~490万円
流通量:約210台

▲スポーティなアスリートとコンフォートな雰囲気のロイヤルという2系統が用意されるクラウンシリーズ。中古車相場はロイヤルの方が安めになっています ▲スポーティなアスリートとコンフォートな雰囲気のロイヤルという2系統が用意されるクラウンシリーズ。中古車相場はロイヤルの方が安めになっています


法人需要の高いモデルの代表格といえば上級セダン。2012年にデビューした現行型クラウンロイヤルは昨年末から横ばい状態だった平均価格が3月末に大きく下がりました。現行型クラウンアスリートはまだ横ばい状態が続いているため、クラウンシリーズをお得に買いたいならロイヤルに注目です! 車両本体価格200万円未満の中古車が出てくるのも遠い未来ではないでしょう。

トヨタ ハイエースバン(現行型)

車両本体価格:210万~700万円
流通量:約2060台

▲現場のトランスポーターとしてだけでなく、アウトドア仕様のベースモデルとしても人気が高いハイエースバン。カスタムされた中古車も数多く流通しています ▲現場のトランスポーターとしてだけでなく、アウトドア仕様のベースモデルとしても人気が高いハイエースバン。カスタムされた中古車も数多く流通しています


ビジネスシーンで圧倒的な支持を得ているハイエースバン。商用車は会社によっては中古車を複数台まとめて買うケースもあるため、毎年2月~3月にかけて需要が急激に高まり平均価格が大きく上昇します。その波は3月下旬ごろには落ち着き、4月になると平均価格が一気に下がり始めます。今年はまだ値落ちが始まったばかりですが、これからの時期はよりお得に買えるようになっていくでしょう。


最後に、軽自動車からピックアップした1台を紹介します。

スズキ アルトラパン(現行型)

車両本体価格:90万~160万円
流通量:約930台

▲丸みを帯びたデザインで女性から絶大な支持を受けているアルトラパン。約540台ある2016年式の中古車の価格が、2017年式の登録済み未使用車が増えることによってどう動くか注目です ▲丸みを帯びたデザインで女性から絶大な支持を受けているアルトラパン。約540台ある2016年式の中古車の価格が、2017年式の登録済み未使用車が増えることによってどう動くか注目です


新車の販売台数が多い軽自動車やハッチバックは登録済み未使用車の数も高級車より多め。登録済み未使用車は新車に近い状態のものを新車より安く買いたい人にぜひとも注目してもらいたい中古車です。2015年6月にデビューした3代目アルトラパン。2017年式の登録済み未使用車も出始めています。2016年式の見使用車が約540台あるため、2017年式もこれから年末までに同じくらい出てくるかもしれませんね。そうなったときにまだ約2年間車検が残っている2016年式の価格にどう影響を及ぼすか楽しみです。

ここで挙げた5モデル以外にも、お買い得な中古車が多数出現する時期。今まで忙しくて中古車探しができなかった人も、予算的に難しいと車の買い替えを諦めていた人も、カーセンサーを物色しておいしい中古車を探してみてください。

text/高橋 満(BRIDGE MAN)
photo/トヨタ、ホンダ、スズキ