▲6代目もひと目でワゴンRと認識できるシルエットは踏襲しながら、ディテールで真新しさが醸しだされるだろう。新世代シャシーと改良版Sエネチャージで燃費&走りも向上される ▲6代目もひと目でワゴンRと認識できるシルエットは踏襲しながら、ディテールで真新しさが醸しだされるだろう。新世代シャシーと改良版Sエネチャージで燃費&走りも向上される

新世代シャシーの採用を急ぎ、4年半で世代交代か

スズキは創立100年を迎える2020年までに、2015年からの5年に渡り、20車種を投入していく計画だ。その内訳は、Aセグメントが6車種、BおよびCセグメントとSUVが9モデル。そして軽自動車が5モデルだ。ここでは、軽自動車の中心となるであろうワゴンRのフルモデルチェンジに焦点をあてていきたい。

軽自動車5車種の口火を切ったのは、2015年6月に登場したラパンだが、次は何か。スクープ班は6代目ワゴンRが濃厚ではないかとにらんでいる。1993年に初代がリリースされて以来、歴代ワゴンRは5年サイクルで刷新されてきた。しかし、先代にあたる4代目は、2008年から2012年の4年間でモデルライフに幕が下ろされた。

理由はというと、ひとつは市場での競争激化が挙げられるだろう。ダイハツとの熾烈な販売競争、心機一転で軽自動車づくりに力を注ぎ始めて頭角を現したホンダの追い上げなど、ワゴンRもブランド力に頼って、いつまでもあぐらをかいていられる状況ではなくなりつつある。

もうひとつは技術革新。現行モデルは、減速エネルギーを回生して電気に変えるエネチャージ、アイドリングストップ時にも冷風が吹き出すエコクールを取り入れて、注目を集めた。結果的にムーヴを引き離したことは言うまでもない。
 

▲現行モデルは、エネチャージなどの最新技術を搭載し燃費性能を向上。ライバルであるダイハツ ムーヴを引き離した ▲現行モデルは、エネチャージなどの最新技術を搭載し燃費性能を向上。ライバルであるダイハツ ムーヴを引き離した

現行モデル成功の流れを受け、スズキは今回もワゴンRを5年以下で、世代交代させる可能性が出てきた。というのも、今まさに大規模な技術革新を進めているからだ。現行アルトで初採用されて、ラパンにも使われている新開発の軽量プラットフォームは、剛性アップを遂げて部品点数削減を実現。おかげで、採用モデルは100kg以上の劇的なダイエットを成し遂げ、燃費改善にも成功した。

スズキとしては、一刻も早く軽量プラットフォームを採用する車を増やし、減価償却を進めながら生産性アップも図りたいはず。よって、生産台数の多いワゴンRのモデルチェンジが急がれるのでは?とスクープ班は予想している。

プラットフォームだけではない。NAエンジンと相性のいいAGS(2ペダルMT)、車を真上から見ているかのように確認できる全方位モニター、スマホと連携させられるナビ、歩行者を認識するデュアルカメラブレーキサポートなど、すでに他のモデルで実用化されているアイテムも採用されるだろう。

明るい話題の多い技術面に対し、デザイナーは苦労している可能性が高い。ユーザーの間で、ワゴンRのイメージは完全にでき上がっており、それを大きく変えるのはリスクが大きすぎるからだ。現に、歴代モデルを振り返ると、どの世代も短いノーズと背高ボディの組み合わせで構成されてきた。

当然、これが大きく覆されることはなく、シルエットには「らしさ」が残るだろう。そのため、ランプ類やウインドウグラフィックスといったディテールで真新しさを演出。ヘッドランプとグリルは連続したデザインにまとめられてワイド感を強調か。また、スズキが最近こだわっている、ブラックアウト仕上げのAピラーが採用される可能性もある。
 

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2016年以降
■全長×全幅×全高:3395×1475×1650(mm)
■搭載エンジン:660cc 直3
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、スズキ