昔の日本車はサイドミラーがフェンダーに付いていた。その理由とは……
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2015/03/23
規制緩和を求める外国からの声で、サイドミラーのドア装着が認められた
自車の後方や側後方の安全を確認する安全装備といえばサイドミラー。前席のドアに付いていますが、ひと昔前の日本車は前輪を覆うフロントフェンダーに取り付けられていたのを覚えている人も多いでしょう。
一方、外国の車に目を向けると、1950年代のアメリカではサイドミラーはドア、あるいはドアの少し前あたりに付いているものが多く、フロントフェンダーに付いているものは日本車がほとんど。それはなぜかって、知っていますか?
実は日本では当時、道路運送車両法によってボンネットがある車は、少ない視線移動で後方を確認しやすいようサイドミラーをフロントフェンダーに付けることが義務付けられていたのです。しかしアメリカやヨーロッパの車はサイドミラーがドアにあるため、日本へ参入するにあたり大きな障壁となっていました。
当然、外国メーカー各社からは「後方を確認するという目的を果たすのだから認めてほしい」という強い要望がありました。またデザイン面から日本国内でもサイドミラーをドアに付けることを認めてほしいという声が上がり、ユーザーの中にはドアにサイドミラーを付ける“違法改造”をする人が現れるほどでした。
そして1983年3月、ついに規制緩和が実現します。1983年5月に追加グレードとしてターボモデルを発売した日産 パルサーエクサが国産車として初めてサイドミラーをドアに採用。これ以降、日本車でもドアにサイドミラーを付けるのが主流となっていきます。
さらに1984年10月には、フルモデルチェンジして5代目となった日産 C32型ローレルに世界初の電動格納式ドアミラーが装備されます。駐車場が狭く車の脇を通るときなどにミラーを体や荷物を引っ掛けてしまう可能性がある日本では電動格納ミラーが急速に普及。今では多くの輸入車にも装備されるようになったのでした。