【オンリーワンを探せ】ジウジアーロが手掛けた、初代マツダルーチェ
2014/05/19
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2014年5月14日に発見したのは「マツダルーチェ」です。1966年にデビューした初代ルーチェは、マツダにとって初の高級車。デザインはマツダがイタリアのベルトーネに発注したもので、名自動車デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが手掛けました。
当時は新興メーカーだったマツダ初めての高級車
1960年、R360クーペでマツダは四輪車市場に参入し、62年にキャロル、64年にファミリア、66年にルーチェを投入しました。この頃、“ピラミッドビジョン”と名付けられたラインナップにおけるヒエラルキー構築が経営目標に掲げられていたようです。
特徴的なのは、Aピラー、Bピラー、Cピラーが直線基調のルーフラインで結ばれていること。アルファベットのAの下半分のようなカタチをしているので「Aライン」と呼ばれていました。デザイナーってホント、この手の謳い文句が上手ですね(笑)。
デビュー当時、ルーチェは1.5L車(後に1.8Lモデルを追加)で唯一の6名乗り仕様車で、それゆえ“上級車”と認知されていました。「大柄のボディ」とカタログでは謳われていますが、ボディサイズは全長4370mm、全幅1630mmと昨今のコンパクトセダンよりもひと回り小さいほどです。
当該中古車、写真を見るかぎり、45年前の車両とは思えないほど内外装がキレイです。歴代オーナーはどのように保管してきたのか、参考までに話を伺いたいくらい経年劣化を感じさせません。
今となっては超個性派の初代ルーチェ。ゆったり、のんびりと、車で非日常を味わいたい方にオススメです。どこに出かけても、どんな人を乗せても、遊園地のアトラクションに乗るようなワクワク感があると思います。時空を超えて現代にやってきたかのようなその姿は、乗っているだけで周囲から“車趣味人”として一目置かれそうでもあります。
この手のネオクラシックカーは、もはや中古車相場がなく「車両と価格に納得できたら買い」の世界です。個人的には178万円でこれほどインパクトのある車を手に入れられるなら、安い買い物だと感じる次第です。
「つくづく、あるところにはあるんだなぁ……」と感じさせてくれる掘り出し物です。やっぱり中古車市場は面白いですね!
Text/古賀貴司(自動車王国)