【オンリーワンを探せ】0→100km/h加速6.3秒の大型高級サルーン
カテゴリー: クルマ
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2013/02/26
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2013年2月25日に発見したのは「アウディ S8」です。M・ベンツの「AMG」、BMWの「M」に匹敵するメーカー純正スポーツモデルで、アウディでは「S」シリーズ(後にRSも追加)が本格始動した頃のモノです。とはいっても、当該車両は2003年式の最終モデル。旧々型モデルで1台しか流通していないということは、この頃のアウディは日本市場では発展途上だったといえるのかもしれません。まぁ、S8の導入が2001年からだった、ということも理由のひとつと解釈できますが……。
S8は映画「RONIN」で長いカーチェイスシーンに登場し、世界にその優れた走りを印象づけました。全長5mを超える威風堂々としたスタイルでクワトロシステム(4WD)を搭載しながら、車重はこのクラスとして“軽い”部類の1850㎏に抑えられています。馬力は360psで、最近の高級サルーンに搭載している高出力エンジンに比べると、もはや驚かないでしょう。しかし、「アウディ・スペース・フレーム」というアルミボディの恩恵を受けていて、なんとパワーウェイトレシオは5.13kg/ps! 当時の日産スカイラインGT-R Vスペック(R34型)やホンダNSXタイプT(絶版)といった国産スポーツカーの代名詞的存在よりも優秀でした。
メーカー公表値の0→100㎞/hは6.3秒。とても10年前の高級サルーンとは思えない機敏さで、アルミサスペンションの効果もあって、ハンドリングもボディからは想像できないほど軽快です。
そんなS8の車両価格が……。たったの66万円なんです! 1150万円だった新車時価格からすれば、もはや消費税分くらいの値段です(笑)。この価格で0→100km/h加速6.3秒の車なんてほぼ皆無。ましてや高級サルーンのカテゴリーでは、言わずもがなでしょう。見栄え(特に見た目の迫力や力強さ)、走り(特に加速力)、高級感(内装のゴージャス度、メーカーのブランド力、車両ラインナップにおけるモデルの位置づけ)をトータルで考えたコストパフォーマンスを重視しているボクですが、このS8は現在の中古車市場における最強のコストパフォーマーの1台だと思います。
特に予算を多め、例えば200万円くらいでセダンを探している方にオススメします。134万円分のリフレッシュをしたら、もん絶するほど素晴らしい状態になるでしょう。リフレッシュ前提の中古車選びもイイと思いますよ!
Text/古賀貴司(自動車王国)