第200回 ポルシェ 911(旧型) 【おいしい中古車】
カテゴリー: クルマ
タグ:
2011/12/02
■誰もが知り、誰もが憧れるスーパーカー
旬で狙い目な中古車をご紹介し続けて約4年。今回でいよいよ200回を数えることになりました。これもひとえに中古車フリークの皆様のおかげでして、深く御礼申し上げます。さて、記念すべき200回目は、誰もが憧れるスポーツカー、ポルシェ911です。通称「ナロー」と呼ばれた911の登場からすでに50年近くがたっていますが、最大の特徴でもあるリアエンジン、リアドライブ(RR)というレイアウトは今も不変。水冷エンジンとなった今でも、その伝統は守り続けられています。
空冷エンジンとなる前モデルに比べ、ボディサイズが大きくなり、迫力の増したエクステリア。ヘッドライトは、伝統の丸目から異なる形状へ変化した(左右)
今回ご紹介するのは水冷となった最初の911で、996型と呼ばれるモデルです。実はこの996型、ポルシェファンからの支持は決して高くありません。水冷になったことで、911の“味”が薄れたというのが大きな理由です。
確かに空冷時代の911を知る人にとってはそのとおりでしょう。しかし、一般的なスポーツカーに比べれば、996型であっても、はるかに濃い味をもっているのは間違いのないところです。それでいて、動力性能や安全性、さらには居住性もアップしているのだから、996型に魅力がないとは言わせません。
そんな996型が登場したのは、1998年4月のこと。排気量は3.4Lと先代より200cc小さくなりましたが、逆に出力は15psアップ。300psを絞り出します。今となれば驚くほどでもない数値ですが、13年も前の車ですからね。しかも車重は1300kg台ときたら、運転して面白くないわけがありません。
それがいわゆる“前期型”と呼ばれるモデルで、2001年9月のマイナーチェンジを境に、“後期型”となります。マイナーチェンジというと、国産車の場合は顔つきがちょっと変わるといった、お色直し程度の変更が多いのですが、911はフェイスリフトどころか、排気量も変わるビッグマイナーチェンジとなっています。
後期型は排気量が200ccアップして3.7Lとなり、バイオカムプラスも採用。これにより最高出力が20ps向上し320psに。そのほか、フロントマスクにも手が入れられ、初期型とは大きく異なる意匠となっています。
インテリアにはラグジュアリーな雰囲気が漂う(左) メーターの中央部にはタコメーターが鎮座(中) 水平対向6気筒の水冷エンジンは、3.4Lで300psを発揮(右)
■“いつか”ではなく“今すぐ”乗れる存在に
さて、996型の911ですが、911のアイデンティティの一つに、丸目のヘッドライトがあります。しかし、丸目ではない996型のヘッドライトは、涙目と呼ばれるなどあまり人気がありません。そこに先述した空冷時代の911に比べて味の薄さも加わり、911としては破格の価格で売られているのです。正直言って、996型の前モデルとなる993型どころか、その前の964型より安いくらいです。具体的に見てみると、最安値の中古車は168万円。国産の1.8Lクラスの価格です。なかには198万円で修復歴なし、走行8.1万kmといった中古車も存在します。
このように、誰もが憧れる存在である911が、現実的な価格で売られているのです。空冷時代から失ったものは確かにあるでしょう。しかし、そのマイナスを補ってあまりある魅力を備えているのもまた事実。いつか乗りたいではなく、今こそ911に乗りましょう!
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
第200回 ポルシェ 911(旧型) 【おいしい中古車】/旬ネタ