第182回 ホンダ エレメント(絶版) 【おいしい中古車】
2011/07/15
■実用性も兼ね備えた個性派SUV
Bピラーのないセンターピラーレス構造の車というと、トヨタのアイシスか現行型のダイハツタントを思い浮かべる方がほとんどだと思います。しかし、ホンダの個性派SUVエレメントは、その1年半近く前にセンターピラーレス構造を採用していたのです。そんな時代を先取りしたエレメントが、いよいよ100万円を切るようになってきました。個性的なスタイルが目を惹くエレメントが登場したのは2003年4月のこと。しかし、約2年後の2005年7月には生産終了となってしまいました。知名度が高いとは言えず、知らない人も結構多いと思うのですが、だからこそおいしい存在ということができるのです。
シンプルかつタフな印象を与えるデザインは、空や海と一体になるような開放感、気ままに過ごせる自由感覚を表現。機能と個性を両立させている(左右)
そんなエレメントの開発モチーフとなったのが、アメリカの若者にとって憧れの存在だという「ライフガードステーション(ライフセーバーがスイマーやサーファーを見守る小屋)」。ドアを開けた時の圧倒的な開放感と、閉じた時の居心地の良い室内空間が採用されました。
それが最も表れているのが、センターピラーレス構造を採用した観音開きのドア。その開口部は、高さ1140mm、幅1550mmという広さを誇っています。さらにリア側のドアはグースネック形のヒンジを採用し、90度の開口角度を実現。乗降性に優れるだけでなく、荷物の出し入れもしやすくなっています。
また、リアのテールゲートは2枚貝のように上下に分割するタイプで、荷物の出し入れが容易なだけでなく、ロアゲートに大人2人が腰掛け、雨や日差しを防ぐこともできます。さらに、リアシートを跳ね上げ式にしたことで、車内の使い勝手の幅も大きく広がっています。
そのほか、汚れたままの道具も気にせず積めるワイパブルフロアや、防水シート表皮、撥水ルーフライニングなども採用。個性的なスタイリングばかりに注目が集まりがちですが、実用面のレベルも非常に高いのです。ちなみにパワートレインは、2.4Lの直4エンジン+4ATの組み合わせとなっています。
インパネには腕時計をイメージした3眼メーターや、エアアウトレットなどを配置(左) インテリアは、デザイン性だけでなく、機能性も兼ね備えている(中・右)
■修復歴なしで半額以下の中古車も登場!
これだけ高い実力をもつエレメントですが、知名度の低さもあってか、比較的値落ちの少ないSUVながら、100万円以下の中古車も登場してきました。例えば修復歴こそありますが、走行7.7万kmの中古車が95.8万円です。修復歴が気になるというなら、走行距離はかさんでしまいますが修復歴なし、走行9.3万kmで99.9万円という中古車も存在します。当時の新車価格は259万円なので、もちろん半額以下で購入できます。
個性的なスタイリングゆえ、好き嫌いがハッキリ分かれる車でしょうが、好きなら買わない手はありません。ただ、流通量が少ないので、今後は減っていく一方になることを考えると、狙うなら早いほうが良さそうですよ。
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第182回 ホンダ エレメント(絶版) 【おいしい中古車】/旬ネタ
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