1997年に初代プリウスが登場してから10年が経過し
今年5月、トヨタのハイブリッド車の累計販売台数が100万台を突破
燃費が良いといわれているハイブリッド車だが、カタログに掲載されている
10・15モード燃費どおりに本当に走れるのだろうか
プリウスvsシビックのライバル対決をはじめハイブリッドシステムの進化を問う
エスティマの新旧対決などハイブリッド車の本当の燃費を検証しよう
ハイブリッドの進化を問う新旧対決
NEW ESTIMA vs OLD ESTIMA
なんと燃費データでは旧型勝利!これなら中古車狙いもありか?
同じハイブリッドでも新型は大きく進化した
 エスティマの場合、新型と旧型ではハイブリッドシステムが大きく変わっている。旧型のTHS-Cは、エンジンに発電機を兼ねたモーターを加え、ベルト式のCVTによって動力を伝達するもの。この場合、バッテリー残量によって出力が変わるのが難点だったが、新型ではプリウスと同じTHS-IIに進化。発電機とモーターが独立したことで、モーターが常に安定した力を発揮できるようになったため、エンジンのより効率のいい部分を使うことになり、カタログ上の燃費性能も向上した。
  ところが、今回東北道全線を往復して計測したところ、旧型エスティマのほうが好燃費という意外な結末に。これはEV走行の機会が少なかったことに加え、高速巡航では進化した回生ブレーキの性能が燃費に反映しにくかったためかもしれない。新型は旧型に比べて100㎏以上車重が重くなっていることもあり、向上したエンジン出力も裏目に出てしまったのかも。
多人数乗車時に違いが大きくなりそう
 もちろん、ミニバンとしての総合性能はやはり新型のほうが有利な点は多い。今回は高速道路での燃費テストだったので、ハンドリングを判断できるほどのコースではなかったが、室内の静粛性はアップしているし、装着されているホイールが2インチも違うせいか、直進安定性は圧倒的に新型が上だった。
  さらに、いざというときの加速感にはやはり差を感じる。特に料金所で止まってからの発進加速や追い越しをかけるときの中間加速は数値以上のパワー差を感じる。さらに新型は旧型より車両重量が重いのだが、それを感じるシーンがなかった。
  今回のテストは2人乗車で計測したが、旧型はこの人数であれば、余裕はないもののストレスを感じることはなかった。しかしこれが4人、6人となったときはかなり厳しいことになるのではと感じることがあった。
  対して新型は、人数が増えてもストレスを感じることはないのではと容易に予想がつく、それだけパワー感が違うからだ。
  新型と旧型、どっちを選ぶかは結局のところ予算次第だが、燃費計測の結果も合わせて考えれば、モデルチェンジの影響で安くなっている旧型の中古車を選ぶ選択も悪くないはずだ。

ESTIMA HYBRID
トヨタ エスティマ ハイブリッド(現行型)
■燃費結果(10・15モード比)
●新エスティマ
  13.4km/L(67%)
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ESTIMA HYBRID
トヨタ エスティマハイブリッド(旧型・2001年式)
■燃費結果(10・15モード比)
●旧エスティマ
  14.5km/L(80%)
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コンパクトカーと軽自動車でも燃費を検証してみた!!
フィットの10・15モード比95%は驚異的
 燃費がイイのは、なにもハイブリッド車だけではない。軽自動車やコンパクトカーだって低燃費な車は多いのだ。現在軽自動車で最高水準の27.0km/Lというミラと24.0km/Lのフィットの実燃費を首都圏にある有料道路で比較してみた。60~80km/hの制限速度の区間が多く、高速走行が苦手な車たちにとってうってつけのステージだ。結果、両車とも高速では22km/Lを超える好成績を記録。ただ街乗りではやはり軽自動車に軍配が上がった。

FIT
ホンダ フィット
■燃費:22.8km/L(95%)
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MIRA
ダイハツ ミラ
■燃費:23.0km/L(85%)
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Report /上田泰久、金子剛士、編集部 Photo /桜井健雄、尾形和美、編集部
※この記事は、カーセンサー関東版15号(2007年8月2日発売)の特集をWEB用に再構成したものです