現実から引き離してくれる癒しのオープンエア

フツーの車の窓を開けて走るのと、オープンカーの屋根を開けて走るのでは、大きな違いがあります。そこには非日常がありますし、爽快感や四季を感じる醍醐味があります。冬に乗ると寒そうだと思う人がほとんどでしょうが、実はエアコンをつければそうでもありません。むしろ寒い時期にオープンカーというだけで、非日常です。体感した人にしかわからない差別化、人生一度は味わいたいものです。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位はM・ベンツSLクラス(旧型)。旧型となって時間がたち、だんだんネオクラシックの域に入りつつあるように思います。現行モデルはボディロールを排除した"魔法の絨毯"のような感触がありますが、旧型はもっとドライバーの腕に委ねられているハンドリングを披露してくれます。ライトウェイトの軽快感というよりは、ドッシリとした高級車感覚たっぷりです。古くなったとはいえ、そこは最高峰のオープンカー。200万円なら買いです。

第4位は日産フェアレディZロードスター(旧型)。デビュー当初は懐が暖かめな団塊の世代を狙っていたようですが、老若男女楽しめるオープンカーです。四隅のタイヤを囲むフェンダーは筋肉質を表現するように丸みを帯びていて、カッコいいです。若干スポーティさを演出(アクセルレスポンスが良すぎたり、低速で足回りが硬かったり)しすぎているような雰囲気も否めませんが高速クルージングを体感すれば、その安定した走りっぷりに惚れ込むことでしょう。

第3位はポルシェボクスター(旧型)。気づけばデビューから10年以上がたっているんですね。どうりで安くなってきたわけです。本格的にスポーツカーを求める人も、スポーティな雰囲気に浸りたい人も満足させてくれる一台です。ガッチリしたステアリングやブレーキ、これからのポルシェを担う水冷ボクサーエンジンサウンド、"やっぱりポルシェ"と感じさせてくれることでしょう。個人的には官能的とさえ表現できる、2.7Lエンジンを搭載した後期型狙いで。

第2位はマツダロードスター(現行)。世界に誇れるライトウェイトオープン2シーターです。スポーツカーではありますが加速力が凄いとか、最高速が凄いとかではありません。走る、曲がる、止まる、という一連の動作がドライバーのイメージ通りに、まるで体の一部のようなんです。まさに人馬一体!時代の要求に応える安全装備を備えながら、徹底的な軽量化にこだわっています。バックミラー一個の重さにまでこだわっているんですから...。マツダの魂です。

第1位はホンダS2000(絶版)。ホンダ50周年記念車とあって、渾身の力作でした。ボディ剛性の高さ、9000rpmまで回ってしまうエンジン、1L当たり125psという高性能ぶり、どれを取っても超一流。カリカリに走らせるとスポーツカーを堪能できますし、ゆっくり走れば爽快感を味わえます。新車時価格は国産オープン2シーターとしては高めで、しかもMTのみの設定。これには日本では売れなくてもいいという割り切りのようなものも感じられました。もう出ない?

フォトコレクション

写真:第5位:M・ベンツSLクラス(旧型)|なんでもベスト10

第5位:M・ベンツSLクラス(旧型)

写真:第4位:日産フェアレディZロードスター(旧型)|なんでもベスト10

第4位:日産フェアレディZロードスター(旧型)

写真:第3位:ポルシェボクスター(旧型)|なんでもベスト10

第3位:ポルシェボクスター(旧型)

写真:第2位:マツダロードスター(現行)|なんでもベスト10

第2位:マツダロードスター(現行)

写真:第1位:ホンダS2000(絶版)|なんでもベスト10

第1位:ホンダS2000(絶版)

Report / 古賀 貴司